「母の日」
皆さんはどう過ごされますか?
前回の記事
「母の日の常識は常識じゃない?!世界の様々な母の日(前編)」
で紹介したように、日本の習慣や常識や起源説に至るまで、ちっとも世界的にスタンダードじゃないことがわかりました。
その具体的なレポートの後半です。
国それぞれの形が大事にされている母の日
ちょっと検索すると、「母の日の起源はアメリカ」、と出てくることが多いです。
が、実は、母親に感謝と敬意を表する文化は世界中にあったけれど、「母の日」の法制定が進んだのはアメリカが流行らせたこと、というのが正しい表現であることが、だんだんわかってきました。
20世紀に相次いで母の日を定めていった国の多くが、祝福の形はアメリカ式にこだわらず、その国に合わせた習慣を作っています。
《エジプト》新聞のコラムから始まったという通説
アラブ諸国では大半の国が3月21日を母の日にしています。
ある日新聞のコラムで
と呼びかけしたのが始まりです。
母親は春のような存在ということで、春分の日が選ばれました。
そして他のアラブ諸国にも広まりました。
《ルーマニア》国際婦人デーがそのまま女性の日に
日本では
「母の日ありがとう」
が一般的ですが、
「母の日おめでとう」
の国も多いです。
自分の母親に感謝するだけでなく、世の母親の日々の仕事を讃えるニュアンスが大きい国は、自分の家族でなくとも子どものいる女性には皆
おめでとう
と言ったり言われたりしています。
ルーマニアでは男女の別なく誰もが、妻や恩師や同僚・・・
お世話になっている女性に感謝の気持ちを贈る女性の記念日が、母の日も兼ねています。
国際婦人デーにあたる3月8日がそのまま「女性の日」とされています。
《タイ》国民みんなの母 女王陛下の誕生日が母の日
タイでは1976年からシリキット女王の誕生日8月12日が「母の日」としてお祝いされています。
女王陛下は国民みんなの母に等しい存在なのです。
女王に敬意を払い長寿を祈ると共に、自分の母に感謝をこめてジャスミンの花を贈ります。
慈悲の心を大事にする仏教国なので、僧侶への施しもお約束です。
《メキシコ》クリスマスの次に国中が盛り上がる日
毎年5月10日が母の日となるメキシコは、東の韓国と対するほど母の日の力の入れ方が熱心いです。
貧困層が多く商戦は派手ではありませんが、町の賑わいは凄い勢いです。
1916年ユカタン地方で湧き上がった女性解放運動の結果1922年に「母の日」が定められました。
お母さんを大事にする意識が高い文化であると共に、女性が勝ち取った記念日であることも、思い入れに繋がるのかもしれません。
《カナダ》お母さんにはゆっくりからだを休めてほしい
母の日に家族みんなでレストランで食事をする習慣は多くの国であるようです。
アジアでは
「贅沢なご馳走をプレゼントする」
感覚が強いのですが、西洋では
「お母さんを家事から解放してあげたい」
という心遣いの部分がクローズアップされています。
特に未成年の子どもからのプレゼントは、「家事のお手伝い」を望む母親が多いそうです。
日本と同じ5月第二日曜が母の日のカナダでは、お父さんと子どもが作った朝食をベッドでのんびりしているお母さんのところまで、運んであげることから母の日が始まるそうです。
花やカード付きのブランチがベッドに届くって、素敵ですね。
母の日の成り立ちは奥深い!
他にもまだまだいろいろな母の日の国があります。
花も菊やジャスミンだけでなく、バラやアザレアなど国によって様々です。
それぞれの習慣にいろいろな歴史や由来があるのも面白いですね。
西洋ではカーネーションは聖母マリアの涙から生まれた花とされ、母性愛の象徴なので、もっと広く受け入れられそうな気もします。
しかし、1900年代初頭の時代は、まだまだアメリカがNo.1じゃない時代・・・・
列強から見たらアメリカは新参の国で、意地でも後追いしたくなかったのかな・・・
など、いろいろ想像してしまいます。
意外に奥深かった母の日なのでした。
各国によって、母の日の過ごし方とか、プレゼントとか結構違うもんなんやなぁ~
それに、結構深い話があんねんな!