健康・医療の豆知識

手術で摘出された臓器はどのような方法で廃棄されるのか?

Written by 言祝(kotoho)

まさか生ゴミではないだろうし

摘出された臓器の行方

昔見た映画で、

廃棄されたヒトの脂肪で石鹸をつくる、

という描写がありました。

整形外科病院の裏にあるゴミ置き場のような場所から盗むのですが、その映画の中では多少セキュリティのかかった程度のごみ置き場的な場所に主人公が忍び込んで脂肪を盗むのです。

これを見ていて、違和感を感じました。

モノは脂肪ですが、これも人体の一部です。まるで一般ごみのようにごみ置き場に廃棄することはあり得ないだろう、そう感じました。

この映画はアメリカ映画なので国によって廃棄方法は異なるでしょうが、日本ではどのように廃棄されるのでしょうか?

手術などで使用したガーゼ、注射針などはおそらく特別な廃棄物として処理されることが予想されます。

では手術で摘出した臓器などの人体の一部はどのように廃棄され、処理されるのか、無性に知りたくなってきました。

病理廃棄物

調べた結果、

『病理廃棄物』

として処理されることが分かりました。

病理廃棄物もふくめた病院から出る廃棄物は

『医療廃棄物』

という扱いになるそうですが、これを扱う専門の業者が存在します。

病院などの医療機関は国が指定した方法で容器に密閉後専門業者に引き渡します。受け取った業者は焼却処分するそうです。

まあ当然といえば当然。

医療廃棄物と一般ごみは絶対に一緒にしないようです。

医療廃棄物は感染の恐れがあるため、一般ごみとは完全に切り離して処理されます。

医療廃棄物に関してはその扱いが非常に細かく規定されています。

東京都環境局が発行しているパンフレットを読んでみると非常によく分かります。

例えば処理業者との契約については、収集業者と処分業者のそれぞれと別個に契約するよう書かれています。

収集業者とだけ契約し、処分業者と契約していない場合は法令違反となるそうです。

また一般ごみなどでよくあるケースとして

「ついでにこれも持って行ってくれる?」

という行為も医療廃棄物においては処罰の対象となるそうです。



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今後は個人宅での医療廃棄物処分も必要になってくる

高齢者社会の課題

医療廃棄物について調べていくなかで考えさせられることがありました。

これから加速していくと予想される高齢化社会においては個人宅でも医療廃棄物がでるケースが大変多くなるということです。

入院するほどではなく自宅にて治療するケースが今後増えていくことが予想されます。

症状によっては患者が自ら注射を行う場面もありうるわけです。

使用済み注射針などは医療廃棄物として処理しなければなりません。

このため

個人宅にも対応している専門業者が増えている

そうです。

医療というものは年代に関係なく突然関わるものです。

また、今は若くとも必ず年を取り、場合によっては健康を害し、病院に通うこともあるでしょう。

そんなときにすこしだけ医療廃棄物のことを考えてみるのも必要かもしれません。

バイオハザードマーク

バイオハザードマーク


それからもう一つ気がついたのですが、バイオハザードマークというものがあります。

あのマーク、筆者はずっと実際には存在しないものだと思っていたのです。

同名のホラーゲームがありますが、そのゲームのなかのオリジナルだと勘違いしていました。

バイオハザードマークは感染の可能性がある廃棄物であることを識別するためのもので、

世界共通のマーク

なんだそうです。

こんな大切なマークをゲームのオリジナルロゴだと思っていたのですから、筆者はほんとうに無知でした。医療関係者の方々、ごめんなさい。

まさケロンのひとこと

今や当たり前となったゴミの分別だけど、医療廃棄物のことは知らなかったな~。いずれはみんな知ってて当たり前のことになるかもしれないね。

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筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」