日本のこと

東京駅のホーム番号はなぜ順番通りになっていないのか?

東京駅のホーム
Written by すずき大和

今(2014年)から100年前、1914年12月20日、首都東京に、東西に伸び行く鉄道網をつないで起点となる日本の中央駅として、

「東京駅」

が開業しました。

皇居に臨む丸の内口には、東京の正面玄関として相応しい、当時の近代建築の粋を集めて作られた、国内最大の西洋建築丸の内駅舎が建てられました。

今年は100周年ということで、この一年、さまざまな記念イベント等が開催されてきました。

一時戦火で傷つき、戦後応急処置的に復興工事が施されていた丸の内駅舎の3階部分も、100年目に間に合わせるように、建築当初の姿そのままに回復するだけでなく、基礎工事も全面的に手直しして、最新の免震構造を供えた新たな100年に耐える立派な建築物として蘇りました。

そんな伝統ある東京駅には、この100年に刻まれた、さまざまな歴史の片鱗をうかがい知ることのできる事物もたくさん見られます。

一度でも東京駅で新幹線に乗り換えたことがある人は覚えがあると思いますが、現在の東京駅では、在来線1~10番線の並びの隣に、東北方面新幹線の4つのホーム20~23番線があり、その隣には東海道新幹線14~19番線があります。

端から順番にホーム番号を探していくと、10番線の隣にいきなり20番線がくるので、一瞬戸惑ってしまう人も多いです。

11~13番線は結局存在していませんし、日本の中央駅としては有るまじき秩序の乱れ(?)です。

なぜこんな不思議なホーム並びが発生したのか?

ひも解いていくと、実は、そこにも東京駅が歩んできた“100年の歴史”が反映されていたのです。



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時代と共に拡張されていった東京駅の路線とホーム

相次いで乗り入れが伸びてきた起点駅

東京駅が日本の中央駅と言われるのは、大きい主要な路線の起点として、東西南北の路線網をつなぐ駅となっているためです。

各路線の起点を表わす起点標は

「ゼロキロポスト」

と呼ばれ、東京駅内には中央線、東北本線、東海道本線・東海道新幹線、総武本線のゼロキロポストが設置されています。

しかし、これらの線は建設当初から東京駅を起点に作られたわけではなく、初めにそれぞれの線が別々に伸び、それぞれに起点駅がありました。

これらの線をつなぐ連絡駅として東京駅が作られ、各線が東京駅まで延長されるように追加で敷設される形でできあがってきた歴史があります。

最初の建築計画がスタートした明治の時から、その流れは平成の現在まで続き、東京駅は乗り入れる線が増えるごとに、ホームが次々増設され、編成し直されていきました。

1995年7月までは順番通りに並ぶホーム

東京駅のホーム番号が入り組んだものになったのは、20年ほど前、1995年7月からです。

それ以前、地上ホームについては、丸の内口から八重洲口に向かって、1~19番線までが順番に並ぶ駅でした(ただし、11番ホームははじめからありません)。

1990年代は、東北・北陸新幹線の敷設が進んだ時代です。

1991年、上野始発だった東北新幹線が東京駅に延伸されました。

当時既に地上部のホームをそれ以上増設できる余地がなかったため、6本使っていた東海道線のホームを4本に減らし、旧12・13番線を改造して東北新幹線ホームとしました。

しかし、その後も山形・秋田・北陸と次々開通が予定されており、どうしてももう2本東北・北陸方面新幹線ホームとして必要だということになりました。

東北新幹線ホームがわかりやすくていいのかも・・・

で、旧9・10番線も、新幹線ホームに作り替えられることになりました。

しかし、それでは在来線のホームとしても足りなくなってしまうため、丸の内駅舎との境目に高架のホームを増設することになりました。

1995年7月に増築・改造工事が完成し、ホームの番号も改められました。

新たな高架ホームを1・2番線として、新たに9・10番線(旧7・8番線)まで番号が降られました。

旧9・10番線と旧12・13番線は改造され、東北・北陸方面に向かう新幹線専用ホームとしました。そして改めて20~23番線と、新たなホーム番号を付けました。

こうして、1997年には現在のような並びのホームとなりました。

10番線の隣は新幹線のりばの入り口になっていて、急に20番線となっているので、14~19番線の東海道新幹線のりばを探している人は、一瞬焦ってしまいそうです。

が、東北・北陸新幹線は20番線台で緑色のライン、青いラインの東海道新幹線は10番線台、と覚えておくと、のりば案内が理解しやすくなる、という面もあります。

抜けてしまった11・12・13番線は「東京駅の不思議」のひとつとして、ネタになっています。

幻の東京駅11番線

11番線ホームはありませんが、11番線はありました

さて、先のお話の中で

“11番線ははじめからありませんでした”

と書きました。

もとは9・10番線のあるホームの隣にあったホームは、12・13番線となっており、11番ホームが抜けていました。

が、実は「11番線」はちゃんとありました。

「ブルートレイン」ブームの頃、11番線は大活躍していました

11番線は回送用専用の路線でした。東京駅は起点駅、つまり終点でしたから、機関車が客車を引いていた時代は、到着時と出発時で機関車の位置を付け替える必要がありました。

この時、機関車を移動するのに使ったのが回送用路線でした。

1980年代「ブルートレイン」が大人気で、毎日多くの本数が運行されていた頃、東京駅の12・13番線は機関車の客車用ホームとなっており、

11番線はブルートレイン他、機関車の回送路専用の線路として使われていたのです。

3つ抜けて4つ増えている謎の解明は

東京駅の不思議なホームの並び、10番線と14番線の間の番号は3つ抜けているだけなのに、そこへ代わりに入っている新幹線ホームが20~23番線と4ホーム分であることが、どうもしっくりこなくてひっかかってしまう「不思議」の原因でした。

その謎を解く鍵は、空中にひとつだけ浮かんでいるかのような1・2番線ホームと

“幻の11番線”

にあったわけです。

もともと11番線はなく、抜けているのは12・13番線ホームの2本だけです。

そこへ1・2番線増設により、全体が丸の内側へ2ホーム分スライドしたので、4本の抜けとなり、そこへ東北新幹線4ホームが入った、ということなのでした。


間もなく101年目を迎える東京駅、かつて東北新幹線の乗り入れのために失われてしまった宇都宮・常磐・高崎線の乗り入れ線路(上野東京ライン)が再興され、2015年3月に改めて開業される予定です。

そのまま東海道線まで相互乗り入れなども行われ、首都圏の南北移動の大きな軸がまた一つ増えます。

増設線路は、新幹線の上に高架を作って敷設されていますが、東京駅の乗り入れホームは東海道線ホーム(7~10番線)が使われる予定です。

ということで、今回はホームの再編成は行われませんが、相互乗り入れによって運行本数などが増えていくようならば、ホームの増設も必要になる時がくるのでしょうか・・・・。

近い将来、幻の11~13番線がどこかに復活する、なんて事態も、もしかしたらあるやもしれませんね。

まさケロンのひとこと

ホーム並びがわけわからなすぎて迷子になっちゃうよ~。外国人観光客のみんなのためにも、いつか一回リセットしたほうがいい気がするな~。

masakeron-sorrow


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。