成人式

成人式は日本独特の非伝統行事?!成人の日始まり物語

雪が降り始める道路
Written by すずき大和

1月の第2月曜日は

「成人の日」

です。

同じ年度内に20歳の誕生日を迎える人たちの多くには、各自治体から「成人式」の案内が届いているでしょう。

一人前の大人として扱ってもらえるようになる成人年齢は国によって様々に定められていますが、成人年齢を迎える人たちを全国一斉に祝う祭典を、行政がプロデュースして行っているような国は、世界中他にありません。

晴れ着姿で揃って式典に参列する習慣は、日本独特のものです。

が、実はこれはまだ始まってから70年弱しかたっていない、比較的新しい習慣で、日本古来の伝統行事、というわけではないようです。



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冠婚葬祭の「冠」は成人式のこと?

もとは男の子が大人として主君に使える者に昇格するお祝い

「冠婚葬祭」の最初の「冠」は成人式のことです。

が、これは戦後(1948年)「成人の日」が法律で定められ、各自治体で「成人式」イベントが始まってからのことです。

従来の「冠」は、奈良時代から続いてきた伝統行事「元服[げんぷく]」のことでした。

昔は、男子は12~16歳頃になると一人前の大人として認められました。元服はその儀式です。

始まりは公家のしきたりで、髪型を子ども用から大人用に結い直し、冠をつけました。元服の「元」は首(頭)のことで、「服」は着衣をつけること、つまり元服は「冠をつける」という意味です。(だから“冠”婚葬祭)

武士の子は元服を境に刀を所持できるようになり、一人前のサムライと認められます。

これは国にとっては臣下が増えることになるわけで、封建制の社会では武家の元服は特別に祝われました。

江戸時代になると、「元服」といえば武家の男子の通過儀礼のこと、という感覚が一般的になりました。

一部で女の子が大人の女扱いになる節目(髪型や着物が変わり、結婚可能と認められました)のことも「女の子の元服」と呼ぶこともありました。

家の跡継ぎになれる男子に育った、という節目

明治になって武士階級と共に元服の儀式も無くなります。

代わりに、男の子は15歳になると徴兵検査を受けることが義務付けられ、それが新たな通過儀礼のようになります。

検査に合格すると「元服した」と言われるようになりました。

また、中世の武家のしきたりだった「家制度」が、明治以降庶民の隅々にまで広められ、産めよ増やせよの国策が始まりました。

武家の時代から、男子は元服後に家督を継ぐことが可能とされており、お家の男子が元服を迎えて跡継ぎができることは、個々の家庭にとって最大級のおめでたい事柄です。

そういう意味でも、男子の「元服」という節目を意識する人も、言葉そのものも、昭和初期まで引き継がれていきました。

男女平等の世になり、元服は成人式に

大人になったと認められる通過儀礼はあった方がいい

戦後、民主主義の世の中になり、家制度も無くなり、男女も平等になりました。

徴兵検査ももちろん無くなり、着物で生活する人も減ったので、服装や髪型を子どもから大人に切り替える節目もあいまいになっていました。

18歳くらいまでに結婚させられるのが普通だった女性たちも、戦争の影響で婚期が遅くなったり独身者が増えたりして、既婚かどうかが大人と子どもの区別ではなくなっていました。

しかし、「大人になるための通過儀礼」を意識する感覚が染みついていた社会は、なんとなく物足りないものがあったようです。

1948年に新しく祝日を定める法律ができた時、武家の元服が行われる日だった1月15日を「成人の日」に決めました。

女性も含めて

“おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日”


と定められ、新時代の通過儀礼が始まることになりました。

そして行政あげての成人式が恒例化していく

自治体主催で祝賀行事を行うようになったきっかけは、成人の日ができる前、終戦直後の1946年11月に、埼玉県蕨[わらび]町(現在の蕨市)で開催された「青年祭」です。

戦時中の空襲で多くの町が焼け野原になり、虚脱感が蔓延していた首都圏で、“時代を担う青年たちに明るい希望を持たせ励ますこと”を目的に、祭の中で「成年式」を行いました。

このイベントが全国に広まり、祝日法制定後に成人の日の行事として定着したのでした。

蕨市にいくと、今も「成年式発祥の地」の記念碑がたっています。


武士も家制度も無くなった現代ですが、「家意識」はまだまだ残っている社会です。

世継ぎ意識も強い中、そういう所に直結していた成人の通過儀礼の意義だけは、「大人としての責任と役割を担っていく人になる節目」という感覚が消えてしまったような気がします・・・・気のせいでしょうか?

男子の儀式だった元服も、成人式となった今は、どう見ても「振袖みせっこ同窓会」というイメージで、女性が主役の感が強いです。

時代による文化の変遷というのは、面白いですね。

まさケロンのひとこと

まさケロンの成人式もぱっとしないものがあったかも。一つの区切りとして、自分たちが大人を自覚できるような何かがあるといいな。

masakeron-happy


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。