節分

「節分鰯」の飾り方・食べ方。節分の魔除けのおまじない

節分に鰯
Written by すずき大和

間もなく節分です。

昔の暦では、立春が一年の始まり、という考え方があったので、その前日の節分は、新しい年が良い年になるよう、災いの元となる悪い運気「邪気」を祓って厄除けするイベントが行われます。

邪気を「鬼」の形になぞらえて、豆をぶつけて撃退する「豆まき」は代表的な厄払いですが、他にもいろいろ魔除けのおまじないや縁起担ぎの風習が残っています。

玄関に鰯[イワシ]の頭の飾り物をする習慣も、全国各地に見られます。



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鬼を遠ざける魔除けパワーが鰯にはある

臭いの強いもの+尖ったものでダブル魔除け効果

昔の人は季節の変わり目には邪気が強まると考えており、特に最も寒さが厳しい時季を乗り越えて春を迎える頃は、寒の戻りが度々おきて、体調を崩しやすい気候であるため、入念に邪気払いしたようです。

臭いの強いもの、先の尖ったものには魔除けの力があると言われており、葉っぱがトゲトゲとたくさん尖った形の柊[ヒイラギ]に、焼いて香ばしく臭いたった鰯の頭を刺した飾りが生れました。

鬼退治には、特に有効な柊鰯

  • 「節分鰯」
  • 「柊鰯」
  • 「やいかがし」
  • 「やっかがし」
  • 「やいくさし」
  • 「焼き刺し」


・・・・などなど地域によりいろいろな名称で呼ばれているようです。

一説に

「鬼は鰯の臭いを嫌って寄りつかない」

という話もありますが、地域によっては、

「鬼は鰯の臭いが好きなので、わざとおびき出し、近寄ってきたところを柊のトゲドゲで目つぶしする」

なんて物々しいいわれの所もあるそうです。

柊鰯の作り方・飾り方・片づけ方

材料は鰯の頭と柊の枝だけ

最近は、通販や百円均一ショップで、作り物の鰯と柊で作ったお飾りも売られているそうですが、厄除けのおまじないなので、飾り終わったら処分するのが望ましく、毎年繰り返し同じ飾りを使うものではありません。

この時季、スーパーや花屋さんでは節分用に柊の枝を売っている所が多く、鰯は安い魚ですから、簡単に手作り出来ます。

ただ鰯の頭を焼いて葉っぱのついた柊の枝に刺すだけです。

クリスマスツリーのオーナメントのようにたくさん飾らなくても、鰯の頭はひとつで十分です。

鬼が家に入ってこないようにするための魔除けなので、玄関先の外に飾ります。

飾る期間は諸説あり

いつからいつまで飾るのがいいのかは、地方によりいろいろ風習が異なっています。

一番多いのが、節分の日の朝から翌日の立春の夜まで、という一日限定説です。

地方によってはもう少し長めに、立春期間が終わって次の「雨水」になるまで、または2月いっぱい、更にはひな祭りまで、という所もあります。

飾り始めはそれほど厳密ではなく、小正月の翌日(1月16日)から節分までの間のどこかで、早めに飾り始めてもOKという所が大半です。

飾り終わりも適当に「猫に取られるまで」などと言われる地方もあります。

飾り終わったらちゃんと清めてから捨てます

魔除けのスピリチュアルパワー入りのものですから、終わって捨てる時もそのままごみ箱へポイでは、ちょっとバチが当たりそうです。

近くにお焚き上げをしてくれる神社があればそこへ持っていくのが一番よいらしいですが、近所にない場合もあるでしょう。

玄関先に埋める、焼いて灰にする、と言われる地方もありますが、住宅事情等により、誰でもできるわけではないので、最近は簡単なお清め方法が一般的になっています。

軽く塩をふって清めた後、半紙などの白紙に包んで捨てる、で、とりあえず大丈夫のようです。

そしてご飯のおかずは鰯の塩焼き

鰯の煙で虫除け、DHAで冬の健康づくり

鰯の鬼除けパワーが、これだけ全国各地に知られていたわけですから、玄関に飾るだけでなく、節分の行事食として「節分鰯」を食べる、という習慣も多くの地域に残っています。

「鰯の臭いが鬼除けになる」という魔除けの理由はもちろんですが、鰯を焼く時の煙は、お米につく虫(コクゾウムシ)除け効果が非常に高いため、節分には鰯を焼く煙をボンボンあげて虫退治をする、という意味もあったそうです。

また、日が短く寒さも厳しい大寒の時季は、卒中なども起きやすいので、コレステロール値を下げて血液サラサラにするDHAたっぷりの鰯を食べることは、健康のためにも理に適っていたわけです。

だいたい、柊鰯につける鰯が頭だけなのは、身の部分は食べていたからに決まっていますよね。

恵方巻より節分鰯の方がずっと一般的でした

ところで、最近では、節分といえば「恵方巻」のように言われていますが、あれはもともと大阪とその近辺のみで行われていた風習で、つい20年くらい前までは他の地域の人はほぼまったく知らないことでした。

大阪では普通のノリ一枚サイズの太巻きを一人一本食べる習慣でしたから、他の地域の人が聞いても、あまり真似しようと思う人もいなかったようです。全国的には鰯を食べる習慣のほうがポピュラーでした。

バブル崩壊後の消費低迷期に、全国展開しているコンビニ・チェーンがノリのサイズを小さく中巻にした恵方巻を作って、食べ方も宣伝しながら売り出したところ、4~5年で一気に全国に広まりました。

ちなみに「恵方巻」という呼び名は、その時コンビニがつけた名称です。

鰯の頭も信心から

「鰯の頭も信心から」ということわざは、柊鰯からきています。

「鰯の頭などという、どう見ても有難いものには見えないようなものでも、信じる心で見ると、有難い特別なものに感じられてくる」


という意味で、他人から見たら奇異だったりこっけいだったりするモノをかたくなに信じている人を揶揄する時などに使います。

まあ確かに、外国人などが初めて見たら「なんだか変なモノ」に感じるかもしれません。

最も、外国には外国で、うさぎの足とか煙突掃除員とかを縁起物扱いしていますから、文化的な心情は理解してもらいやすい気がします。

それよりも、最近あまり日本の伝統行事に関心がない若い年齢層(といっても40代くらいまで入りますが)の人たちのほうが、拒否反応が強いような気もします。あまり「かわいい」モノでもないですからね。

最近では人の心を惑わせ、騙しにかかってくる邪悪なものは、玄関からよりも、テレビやパソコンや携帯電話からやってくる確率の方が高そうです。

今も昔も、たぶん本当に一番怖いのは、鬼よりも人間なのかもしれません。

豆でもまいて鰯でも食べて、少しでもいい春を迎えましょう。鰯の頭も信心ですから・・・・。

まさケロンのひとこと

最近は節分といえば「恵方巻」だよね。たまには「節分鰯」も思い出してみよう!

masakeron-happy


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。