防災・減災

「おちょこ傘」の次は「見えない傘」ゲリラ豪雨時代の最新傘事情

水滴
Written by すずき大和

いつの頃からか、夏というと、日本全国どこかで何かの水害が起きるのが当り前のようになってきた気がします。

「一年間で降るのと同じ降水量が短時間で集中的に局所的に降る」


・・・という類の大雨洪水警報・注意報やその被害のニュースを毎年耳にします。

地球温暖化の影響なのか何なのか、シロウトにはよくわかりません。

でも、昔から夏の日常としてあった「夕立ち」が、最近では“風物詩”などと悠長に言っていられないくらい激しく危険で「迷惑な厄介者」になっていることは感じます。



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死語になりかけた「傘がおちょこになる」

「傘がおちょこ」が通じない!ジェネレーションギャップ

強い風に煽られた勢いで、傘のドームがさかさまに反り返ってしまうことを、昭和の時代は「傘がおちょこになる」と言っていました。

上向きのドームになった所に雨が溜まる様子が、杯のように見える所からそう呼ばれるようになりました。

別に壊れたというわけではなく、骨のカーブをまた逆に戻せばすぐに直ります。

地方により別の言い回しも若干あったようですが、関東も関西も、概ね通じていた表現でした。

しかし、バブルの頃くらいから、だんだん言われなくなり、今の30代以下の人たちの大半が、その言葉自体を知らなかった、という統計もあります。

一時は「すでに“死語”」などと言われもしました。

作りが丈夫な高級傘と、すぐに壊れる傘

バブルの時代は、傘も高級ブランド品を持つ人がとても増えました。

高価な傘は、ちゃんとそれなりにいい素材と高いテクノロジーで作られているので、ブランド鞄同様やたらに丈夫です。

その後、不景気になってからも、「良い物志向」は根強く残りました。

チタンなどの軽い素材を使い、骨組みを12本、16本と多くして丈夫さをアピールした傘が話題になったこともあります。

これらの高級品は、ちょっとやそっとの風では反り返りません。

しかし、バブル崩壊後の庶民の多くは節約・安売り品志向が進んだため、普段使いの傘はビニール傘やスーパーなどで安価に売られる大量生産品など、どちらかというと“ちゃっちい”もので済ませることが多くなりました。

これらは、粗悪品とまでは言いませんが、おちょこになるほどの強い風に煽られると、簡単に骨が折れたり曲がったりして壊れます。

また、15年程前から、折り畳み傘の形態がよりコンパクト化する傾向があり、従来の三つ折り式に骨組みを畳むものから、四つ折り・五つ折り式の複雑な畳まれ方をする傘が出回りました。

バネなどの複雑な仕掛けによりワンタッチで開いたり畳んだりできるようになったものも多かったです。

これらは、作りが複雑な分、骨組みは繊細で、おちょこになどなろうものなら、必ずどこかが壊れました。

以上のように、言葉以前に、「傘がおちょこになる」状態そのものが、一時期激減したことが、死語化の一番の要因だったようです。

おちょこが暴風雨から傘を守る

激しい暴風雨が増え、登場した「耐風傘」

近年突然の激しい雨風に打たれるゲリラ豪雨が頻発するようになって、すぐ壊れる系の傘の買い替え頻度が物凄く高くなってきました。

豪雨の時の都会の繁華街の道路わきが「傘の墓場」のようになっているニュース映像を見たことがある人も多いでしょう。

そんな中、当然のように出現してきた「耐風傘」が、百貨店やネット市場で話題になっています。

これは、言ってみれば「簡単におちょこになる」ように作られた傘です。

ドームの内側から煽り上げる風を受けた時、バサッと反対側に反り返ることで、空気の圧力を逃がし、傘の骨組みに負担をかけずに済ませる構造です。

おちょこになる傘は、ならない傘よりスグレモノ?

高級品も大量生産安価品も、どちらも「耐風傘」の商品開発が進んでいます。

商品シェアが広がり、宣伝コピーも目に付くようになり、再び「おちょこ傘」とその言葉が市民権を得つつあるようです。

おじさんが

「傘がおちょこになっちゃって」

というのを聞いて、若者が

「なんですかそれ?」

なんて聞いてきたら、堂々と胸を張って

「知らないの?暴風雨の時も壊れない最新の傘はみんなおちょこになるんだよ」

と自慢げに言える時代になった!かもしれません。

究極の未来傘は、もはや傘でもない!?

おちょこは傘を救うけれど、人は救わない?

しかし、風に煽られるとすぐおちょこになってしまうと、傘が壊れることは回避できますが、そのたびに体は風雨にさらされてしまいます。

それはそれで、傘の機能としてはどうなのよ?という問題があります。

できれば、いかなる風にも煽られることなく、吹き付けて来る方向に立ち向かってくれる傘があったら理想的なんですよね。

女性や子どもが片手で用意に操作しながら、雨をちゃんとブロックできる構造の傘、できないものでしょうか。

ついに登場、空気のカバーが雨を防ぐ「見えない傘」

そう思っていたら、2014年10月、中国のベンチャー企業が空気で雨滴を吹き飛ばす傘「Air Umbrella」を発表しました。

傘の軸だけのようなもので、先端についた装置から水平方向に空気が吹き出し、半径50㎝の範囲の雨を吹き飛ばしてくれる、というものです。

まだ試作品段階ですが、製品化に向け、ネットのクラウドサービスを使って出資者を募った所、目標の倍以上の金額が集ったようです。

2015年現在商品化にむけたプロジェクトが進んでいます。

まだ、バッテリーの耐久時間も短く、空気のバリアがどれくらいまでの強さの暴風雨に耐えられるかの研究も進行中です。

もう少し時間がかかりそうですが、この先より実用的で安価な商品を目指して開発が進められていくと思われます。

近未来、エアー傘が普及する時が来たら、今度こそ「傘がおちょこ」は死語になるでしょう。

安全便利な社会を作るテクノロジーの進歩が、地球の環境変化に追いつけなくなっていないことを祈りましょう。

まさケロンのひとこと

エアー傘!!これは楽しみ!でももういっちょ機能追加してみよう!そのエアーで…

空を飛ぶ!!!

masakeron-happy


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。