残業

朝型勤務は浸透するのか?日本の残業体質改善に挑む取り組みとは

朝型勤務の朝食
Written by なつき

2015年春、厚生労働省は「慢性化している長時間労働の抑制」を目的に、国家公務員における「夏の生活スタイル変革」の実施方針を発表しました。

同時に民間企業にも積極的に朝型勤務を推進するよう経団連にも要請しました。

近年、朝型勤務の話題が良くマスコミにも取り上げられるようになってきました。

果たして、浸透していくのでしょうか。



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とにかく実行しなくちゃ

まずは国家公務員から

厚生労働省の方針では、7~8月に国家公務員の始業時間(通常8:30~9:30)を1~2時間早め、その職員は原則16:15~17:15に仕事を終了させるというもの。

「はじめよう!夕方を楽しく活かす働き方。ゆう活」

なんてスローガン、ロゴマーク、ポスターまで作っちゃっています。

ゆう活

「夕方からは家族や友人との時間を楽しむことを推進して、ワークライフバランスを実現し、国民が豊かさを実感出来るようにすることを目的としている」


らしいのですが、結局は欧米を中心に実施されている「サマータイム」とそんなに変わらないものと理解していいと思います。

夕方からの時間を有効に使ってもらうと共に、企業の節電による温暖化対策、アフター5の経済効果が狙いです。

サマータイム

そのサマータイム、アメリカでは「デイライト・セービング・タイム」と呼ばれていて、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までの期間を指します。

この期間は時間を1時間早め、日光を有効利用して節電する取り組みです。

ちなみにヨーロッパでは3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までとなっています。

ご近所さん達は、やってないけど…

日本の周辺の国である韓国、中国、台湾、フィリピン、タイなどでは導入されていない為、あまり必要ないのでは?という意見もあります。

一度は導入を検討していた韓国も、

「勤務開始時間を前倒ししたところで早く帰れるとは限らない。逆に労働時間が長くなるのではないか」


と反対の声が強く断念。

早く出勤した人が、必ず早く帰れる仕組みを作れるかどうかがカギのようです。

そこをうやむやにしてしまうと、逆に勤務時間が長くなってしまい効果ゼロ。むしろマイナス。

では成功させたケースとして、朝型勤務をいち早く取り入れた日本の企業の取り組みをのぞいてみましょう。

伊藤忠商事の取り組み

社員が納得して受け入れられる制度

2014年5月から朝型勤務の導入をスタートさせたのは伊藤忠商事。

2013年10月からの半年間をトライアル期間と定め、

  1. 22:00~5:00の深夜勤務は禁止
  2. 20:00~22:00の勤務は原則禁止(止むを得ない場合のみ事前申請にて許可)
  3. 5:00~8:00の勤務に早朝割増手当(深夜勤務と同様の割増賃金、始業時間が7:50以前である場合は8:00~9:00にも適用)を支給
  4. 8:00前に始業する社員全員に軽食(パン・おにぎり・バナナ・ヨーグルト・牛乳・お茶・野菜ジュース・缶コーヒー等から3つ選択)を無料で支給…以上のことを実施。


トライアル期間の検証

半年のトライアル期間で、一人当たりの時間外勤務時間が導入前と比べて総合職の人で約4時間、事務職の人で約2時間(いずれも月/平均)減ったそうです。

また時間外勤務手当も全体で7%減。朝食費用を差し引くと4%減。

また電力使用量は東京本社の場合で約6%減ったそうです。

会社が見せた「本気」

各現場においても特段の不都合は発生しなかったとのこと。

実際に勤務している人は

「8時間かかっていた仕事を6時間で終わらせられるようになった」


という人や、

「導入初日にそれまで通り20時を超えて仕事を続けていたら、見回りの人に「なんで帰らないんですか」と言われ、翌日上司からも注意を受け、会社が本気で取り組むつもりなのだと感じた」


という人も。

カタチだけ、見せかけだけの取り組みではない姿勢を会社側がしっかり示したことで、社員もそれまでの働き方を変える必要があることを認識出来たのだと思います。

大きな課題も

保育園、どうする?

メリットだらけのように感じる朝型勤務ですが、課題もあります。

託児所付きの会社であれば対応してもらえるのかも知れませんが、普通の保育園はどんなに早くても7時からしか預かってもらえません。

朝型勤務に保育園が対応するのは現状では厳しいといいます。

先に取り組むべきこと

また小学校に通う子どもを家に残して、先に出勤するのは難しいという声もあります。

そういった保育の環境が整わなければ、子どもを持つ親の朝型勤務は実現しないでしょう。

これは保育に限らず介護にも同じことが当てはまります。

いずれもハードルが高い問題。本来なら朝型勤務をスタートさせる前に、解決しておかなくてはならないことだと思います。

絵に描いた餅にならないように

朝型勤務が推奨されるまでは、「ノー残業デー」という取り組みが広まっていました。

しかし当日残業しないようにする為に、前後の日は長めの残業になってしまうという実態もあり、その効果を疑問視する声も多く聞こえました。

「残業するのが当たり前」な体質を改善しようと、社会全体が動き出すことは好ましい姿勢と言えるでしょう。

但しそれをきちんと浸透させていく為には、働く人達の様々なニーズに対応出来る環境作りが急務と言えそうです。

「絵に描いた餅」で終わらないようにと願いながら、政府や企業の今後の取り組みを見守っていきたいと思います。

まさケロンのひとこと

仕事終わって帰る頃、「やってるお店がコンビニくらい」とかつまんないよね。
「朝早くて、夜遅い」には絶対にならないようにしたい!

masakeron-oko


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筆者情報

なつき

東京都出身。飲食店で勤務をしながら、趣味で執筆。エッセイコンクール等で入賞多数。2010年からライターとして執筆開始。2014年本格的にフリーとして始動。結婚、恋愛、教育、子育て、スポーツ、健康、保険、季節のイベント等の記事を中心に執筆。2013年FP2級取得。