保険

保険なしで老後に備えられるのか?国民年金は入っても無駄?

夜
Written by すずき大和

あなたは何歳ですか? 「年金」入っていますか?

20~60歳の間の普通に働ける人で、正規雇用労働者でない場合、たとえ週30時間以上コンスタントに働いていても、厚生年金に加入していない場合が、まだまだたくさんあります。

週30時間にも満たない人や、時給制で給料をもらう人などは、ほとんど会社の社会保険に入っていません。

厚生年金や厚生健康保険に入っていない場合、国民年金保険、国民健康保険に入ることが義務付けられていますが、実際は、未加入の人も少なくありません。

特に国民年金が未納の人は多く、平成25年度の全体の納付率は60.9%でした。

失業中等の免除者や、保険料払わなくていいサラリーマンの妻を入れると、実際に払っている人は全体の人数の40%以下です。

年金問題のゆく末を考える時、この未納者の問題はとても大きな課題となっています。



スポンサーリンク

年金とはどういうもの?

助け合い精神で成り立つ保険のしくみ

年金は、「年金保険」という保険の一種です。

保険とは、大勢の人がお金を出し合って大きなお金を作り出し、“もしもの場合”が生じた人にそこからまとまった金額を支給するしくみのことです。

指定の期間内に“もしも”の事態に全く見舞われなかった人には、基本は何も支給されません。

が、いざ、という場合、とても個人の貯金では追いつかなかったと思われるような給付金をもらえるようにだいたいなっており、急場をしのぐには随分と助かる制度です。

傷害保険や自動車保険は、保険期間に支給される立場に全くならない場合もあり得ますが、払った保険料は、誰かの“もしも”の場合を確実に支えるのに役立っています。

逆に“もしも”の当事者になった時は、「自分は保険金をもらわないのに保険料を払ってくれた」多くの人のおかげで、高い給付金をもらうことができます。

  • 「困った人がでたらみんなで助ける」
  • 「自分が困った時もみんなが助けてくれる」


という

『困った時には助け合い』

の精神で成り立っているのが保険です。

助け合いだから、自分の払う保険料が自分に返らなくても、困った人の役にたてれば、「損」でも「無駄」でもありません。

  • 「自分以外の人を助けるのにお金をだすなんて損だ」
  • 「お金をだす以上、自分にも何かしらの見返りがこなければやってられない」


と、みんなが考えたら、保険は成り立ちません。

実社会での保険は、集めた保険料を財テク運用して運用益を出し、それを経費や保険金に回しています。

それでも、全員に保険料と同額の満額返戻金を出してしまうと、“もしもの場合”の人に払うお金が足りなくなって、しくみが崩壊してしまいます。

自分に返ってこないと「損した」と思ってしまう保険

事故や病気に備える保険は、全員が“もしもの場合”に至ることはない、とわかっていて加入します。

困った人を困っていない人が助けるしくみだと納得して入るので、結果的に「掛け捨て」になる部分を「損した」とガタガタいう人はいません。

が、生命保険と年金保険は、そこがちょっと違っています。

死なない人も年を取らない人もいません。必ず全員がいつか“もしも”の当事者になります。

年金の場合はある年齢に達した時が“もしもの場合”に当たりますから、確実にいつ当事者になるかまでわかっています。

つまり、最初から「確実にもらえる」つもりで入る保険です。そのため、

「自分より先に順番がきた人はもらえたのに、自分の時はもらえないかもしれない」


という事態が許せません。

もし制度がいつ壊れるかわからないようなら、

「もらえないかもしれない年金のために保険料を払うなんてやってられない!」


と思う人が出て来るのは当然の流れです。

今、国の年金事業は先の見通しが極めて不安です。

少子高齢化社会は、保険料はどんどん上がっていくことが確実なのに、給付資格の年齢は上がり続け、給付金は減り続け、30年後、40年後、ほんとうに自分が働けない年齢になった時の“もしも”を助けてもらえるのかどうかわからなくなってきています。

そのことが、国民年金の未納率をあげているひとつの原因です。

年金に入るよりも確実に老後に備える方法はあるのか?

国民年金より自分で貯金したほうが得?

もらえないかもしれない国民年金に入るくらいなら、もっと確実に老後に備える方法に投資したほうがいい、と思うのが人情でしょう。

では、損しない方法とは、どんなものがあるのでしょうか?

まず、貯金や財テクで老後に備える、という方法があります。

あなたの年齢にもよりますが、もし老後になるまでに日本の景気が回復し、再び上昇を続ける状態がくれば、金利も上がり続け、貯金の利息は大きな老後の+αになるでしょう。

が、極右の保守政党が多数を占め続ける政治が続くと、経済格差とワーキングプアの増加を許容することで、力のある一部資産家が国をリードするようになる社会のほうが、よりよく国を運営できる、という考え方が促進されます。

そのことは、多くの社会学者、経済学者、政治学者、そして歴史学者らが指摘しているところです。

あなたが、一部資産家にはならない見込みの人ならば、利息に支えてもらうことも、財テクする余裕ももてないでしょう。

下手すると、十分な貯金を貯めることすら難しくなるかも知れません。

民間の年金保険はどうなのか?

では、民間の年金保険で備える、という手は使えるでしょうか。

民間企業は、利益を追求しないと存続できません。思い出してください。

加入者すべてが払った保険料より高い給付金をもらうことになっては、利益を出すどころか、保険のしくみが成り立ちません。

民間の年金保険は、ちゃんとうまく「掛け捨て」になる人が発生し、無制限の給付も防ぐようなしくみで作られています。

まず、給付資格に達する前に死んでしまっても、払った保険料より大きな死亡時給付がある(生命保険機能もある)年金保険は一部の高価な保険料の商品です。

安価な入りやすい年金保険のほとんどは、60歳までに亡くなると、払った分だけ無利子で返金されるか、掛け捨てになります。

また、何歳まで生きても生涯もらい続けることができる民間年金保険はありません。

給付の期間と金額は、あらかじめ決まっています。多くが5年か10年です。

給付期間の途中で亡くなると、残りの給付金が遺族に支払われる場合が多いですが、それ以上生き続けても、もう何ももらえません。

もし、国の年金制度(厚生年金の基礎年金部分も含みます)が完全に無くなってしまわず、多少なりとも残っていれば、たとえもらい始めの年齢が相当高くなっていても、払った月々の保険料と同じくらいまで値下がりしていたとしても、とりあえず、死ぬまで給付されます。

幸いにも(あるいは不幸にして?!)長生きしてしまった場合は、公的年金より安定的に確実にもらえる保険はありません。

馬鹿にできない、公的年金の“もしもの場合”に備える機能

終身の障害年金がもらえるのは公的年金加入者だけ

また、忘れがちですが、国の年金制度には、「老後に備える」だけではなく、傷害保険や自動車保険のように、“もしもの場合に備える”重要な側面があります。

それが

『障害年金』

です。

60歳以上か以下かに関係なく、重い障害を負った場合、一生涯にわたりもらい続けることができる「障害年金」の給付対象者となります。

最も重い障害者等級一級の場合、2015年現在では給付金は年間975,100円です。

ここまでの終身障害年金は民間保険にはありません。

この視点で考えると、「払っても無駄」という感情はちょっと緩和されるのではないでしょうか。

民間生命保険の説明をする時によく使う言い回しに「貯金は三角、保険は四角」というのがあります。

貯金で“もしも”に備えた場合、まだ貯金総額が低い段階でその時を迎えると、そこまでに貯めた分の金額しかありません。

しかし、保険ならいつその時がきても、満額が支給されます。

これを払った(貯金した)額と手にする額のグラフに描くと、三角と四角に見えるのです。

障害年金の場合、未成年の時に障害者になると、加入の実績なく給付対象になりますから、グラフの座標全部が埋まる四角です。

が、成人すると、年金に加入していないともらえなくなってしまいます。

国民年金は入っても無駄?入れないと老後は悲惨?

年金保険料を払えない人はどうなるのか

以上のように見てくると、長生きするなら、国の年金制度が無くならない限り、入っていた方がやはり得といえます。

そして、掛け捨てになってもみんなで助け合う「障害年金」の機能は、他では代替えできません。

ただし、国民年金にせよ厚生年金にせよ、他の民間年金保険や積立貯金商品に比べ、月々の支払額が飛び抜けて高くなっています。

それが、未納率を上げるもうひとつの主原因です。非正規雇用から抜け出せないワーキングプアの若者は、結婚もできず、年金にも入れない、というのが今の日本の現状です。

そして、今現在では、生活保護のような社会のセイフティネット機能が、年金も払わずまったく働かない人のほうが得するシステムになっています。

いっそ、何にも持たずにいるほうが公的支援は厚く、一生懸命身体を壊すまで働く人がワーキングプアでは、税金も年金も誰も払いたくなくなるでしょう。

が、誰も払わなければ、国そのものが破たんしてセイフティネットどころではありません。

で、結局入ったほうがいい?入らないほうがいい?

今の政権は、外国に1年半で53兆円の経済支援をぽんと払いました。

一方で、国内の福祉制度の崩壊度は、財政破たんのギリシャとそんなに変わりません。

そのことを政権に考えてもらいたいから年金払わない運動を広げる、という考え方も・・・あるのかもしれません。

重度の障害者にならない限りは、国民年金に入ったほうがいいのか、入らない方か得なのか・・・・・何とも判断が難しい問題なのでした・・・・。

今回もやっぱり、

要は、これから先、私たちがどんな政治家、政権を選んでいくかに関わっているのでしょうね、詰まるところは。


という話に落ち着く、何だかな~の結論で締めるしかないのでしょうか・・・・・お粗末さまでした(涙)。

まさケロンのひとこと

まさケロンは厚生年金に入ってるんだけど、もし入ってなかったら、国民年金には入ってなかったかも。
国への恩返しのつもりでお金払うぞ!って思ったりもするけど、そもそもいろんな税金が大ダメージなんだよね。。

masakeron-sorrow


スポンサーリンク
Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+

あなたにオススメの記事

筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。