愛犬のための「老犬ホーム」利用者にはさまざまな事情が

Written by たき

最近、犬のための老犬ホームが注目を浴びているのをご存知ですか?

年老いた飼い犬を世話しきれなくなった方が、保健所などに殺処分を依頼するのではなく、各地にある老犬ホームに預けるのだそうです。

愛犬を手放さなければならなくなった事情も、様々なようで・・・決して、飼い主としての責務を放棄した身勝手な方ばかりではないのが現状です。

また、老犬ホームがここのところ、より注目されるようになった背景には、「動物愛護管理法」の今年9月の改定もあるようです。

老犬ホーム、そして、「動物愛護管理法」改定、そして、老犬ホームにお願いしなければならない方達の現状についてお話ししましょう。



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老犬ホームとは

介護が必要な老犬のケア、サポート、預かりなどのサービスを行っています。

サービス内容は、各施設、運営者によってことなります。人間と同じように、犬やネコの寿命も延び、介護が必要になってきているという現状の中で、若い人も高齢者も家族関係が希薄となり、仕事や、自らの体調不良などによって世話をすることが難しい場合も増えているます。

誰かに頼もうにも、頼れる人がいない・・・というのが現状なのです。

犬にも痴呆のような症状があらわれることもあり、昼夜問わず、吠え続けたりと、飼い主は周囲への気遣いや、不眠などに悩まされ、生半可なものではありません。

また、働きながら愛犬の介護を続けている場合なども、人間の介護と同じように、飼い主は疲れ果て、神経をすり減らしへとへとになってしまうこともあります。

愛しているはずなのに、やさしくできなくなってしまう。とても、哀しいですよね。

そんな方達が愛犬をデイサービスに預けることによって、少しの休息を確保して、また、愛をもってお世話を続けられるという、とても切羽詰まった事情もあるのです。

「動物愛護管理法」の改定

生まれたばかりの子犬や子猫の販売を規制する改正動物愛護管理法が9月から施行され、話題になりましたよね。

今回の改正のポイントは、

繁殖業者に対して、生後56日(8週齢)を経過していない子犬や子猫の販売と展示、引き渡しを禁止する

という内容でした。

施行後3年間は生後45日までの犬猫となっていますが、5年以内に生後56日へ変更される予定だそうです。

それとともに、飼い主についても、犬や猫を最期まで飼育する責務を規定しました。

その規定によって、飼い主がペットの高齢化や病気を理由にして、保健所などに引き取りを求めても、保健所側は拒否できることなどが定められたのです。

また、動物の殺傷や虐待、遺棄については、従来から罰則がありましたが、その刑罰が重くなったそうです。

改定の理由は?

これまで飼い主が捨てた犬や猫は、ゴミとして行政に回収されて、殺処分のうえ、焼却されてきました。

次々と流行の犬やネコが紹介され、もてはやされるペットブームの裏では、1998年ころまでに、行政が引取った犬猫殺処分数は年間60万頭以上にのぼっていたんだそうです。

これに対して、当然ながら動物愛護団体や諸外国は、日本の残酷な社会現象として批判しました。

その影響もあってか、1999年には旧動物管理法から『動物愛護管理法』に名称が変わるなど、法律の整備が進められてきました。

けれど、相変わらず犬や猫の殺処分は続いているんです。

2011年の殺処分は、犬4万4000頭、猫13万1000頭と従来よりも減ってきていますが、あわせて年間17万頭にのぼるという、恐ろしい数なんです。

そのあまりにも、膨大な殺処分の現状も、ひとつの理由でしょう。

そして、犬猫等販売業者の幼齢販売の規制については、動物愛護団体等から、生まれたばかりの犬や猫を早い段階で親兄弟から引き離すと、吠え癖や噛み癖などが生じやすくなり、手を焼いた飼い主の飼育放棄にもつながるおそれがあるいう意見がとりあげられたためだろうと言われています。

老犬ホーム利用者のさまざまな事情

利用者の年代は、さまざまなようです。

だいたい、30代くらいから70代くらいと幅広い層が利用されるとか。

飼い主が老齢だった場合、身よりもなく、自分が施設に入ったり、入院したりしてペットを委ねる場所がない場合があります。

ある施設では、預ける理由として、飼い主の入院や高齢者施設への入所が4割犬の病気などが4割ほどなのだそうです。

夜鳴きがひどく、近所の住民に訴訟を起こされかけた飼い主がやむにやまれず、犬を預けてきたというケースもあったんだという話です。

動物を飼うということは、病気も老いも死も引き受けることだとは、大半の方はわかっていらっしゃるのです。一緒にいたい、最後まで看取りたい。

そうは、思っていても、うまくいかない事情もあるのが事実なんですね。

もう、老齢で痴呆を患っていても、かわいい愛犬を殺処分するのは、しのびない。だから、せめて、寿命を全うさせてあげてほしい、と、愛犬を託す方が多いのです。

飼いきれなくなったときの駆け込み寺

もし、どうしようもなくなったら、お一人で悩まず、各地の動物愛護団体やシェルターに連絡をとって、相談してみてくださいね。

ただ、老犬ホームや、NPOの団体の中でも、有料で預かっておいて、自治体に引き取らせていたなどという悪質なケースもあるので注意が必要です。

やむにやまれぬ、いろいろな事情も、あるのだと思います。

ただ、動物を飼うということは、命を預かるということですよね。

飼う前に、慎重に今一度、考えることが必要です。

今、犬の寿命は平均13.94歳、猫は14.45歳。外に出ない猫の場合は15.74歳なのだそうです。

非常に、長く、私たちと同じ時間を過ごしてくれる存在なのです。

彼らは、人間のように、ひとりぼっちで放り出されたときに、自活して生活することが出来ないのですもの。

手元に来たときに、彼らは、その命を飼い主に預けてくれているのですから、幸せに生を全うさせてあげたいものです。

まさケロンのひとこと

やっぱり、飼い主が責任をもって最後まで飼わなアカンと思うわ。
それがペットを飼う人の義務やで!

masakeron-oko


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筆者情報

たき

TRENDRIPPLE(とれんどりっぷる)応援キャラクターの「まさケロン」になりたいと思っていますが、なれそうにありません。