健康・医療の豆知識

「蓄積疲労」にならないためには?疲れを甘く見たら大変なことに…。

Written by 言祝(kotoho)

疲れは文字通り「溜まっていく」

イライラする、やる気がでない、小さなミスが多くなった

ちょっとしたことでイライラするようになった。どうも、やる気がでない。

致命的ではないけれど、小さなミスが多くなってしまった。

まあ、このところ忙しかったから寝不足なのかもしれない。

今度の休みには家でのんびりして身体を休めれば元に戻るだろう。

こんなような経験、誰でも一度や二度はありますよね。

休日はゆっくり休んで、明日からまた頑張ろう。

それで何となく疲れが回復したような気がして、また仕事がこなせる状況になるのであまり意識することはないと思いますが、疲れは溜まっていきます。

そうです、文字通りの意味で溜まっていくのです。



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溜まった疲れをほっておくと…

疲れたら休めばいい。

あるいは入浴や適切な睡眠をとって疲れを解消させれば問題ありません。

でも寝たらなんとなくスッキリしたような気がしたから…、などと放置しておいたら疲れが溜まっていきます。

溜まった疲れを放置しておくと、やがて身体に大きな影響を与えるようになり、身体を動かすことができなくなってしまうケースに発展することもあるのです。

これが最近、問題視されている

「蓄積疲労」

です。

蓄積疲労の症状

徐々に症状が進行していく

専門家によれば「蓄積疲労」は3つの段階を経て進行していきます。

第1段階は、イライラする。物忘れが頻繁に起きる。小さなミスを連発するなどの症状が起きます。

第2段階は身体に影響が現れます。肩がこる、熱があるわけではないのに頭が痛い、重い。眼の奥が痛くなる。そして、いくら寝ても眠気が襲ってくるのです。

第3段階に至ると、起き上がることが困難、まっすぐ歩けなくなるなどの深刻な症状が発生します。

蓄積疲労は立派な病気

「蓄積疲労」は立派な病気です。

一般的に考えて「疲れた」からといって病院に行くひとはまずいないと思います。

これまで見てきたように「蓄積疲労」の第1段階は、ごく普通の疲れた時の症状とほぼ同じです。

そのうち疲れも取れるだろうと、判断し、そしてそのまま放置してしまう。

その結果、悪化してしまうというわけです。

「慢性疲労症候群」と似ていますが、「蓄積疲労」は原因が疲労だと特定できていますので、適切な対応を取れば治すことができるものなのです。

中央労働災害防止協会のホームページで「蓄積疲労」の自己診断チェックができるようになっていますので、気になる人は試してみてください。


では、「蓄積疲労」を予防する方法はあるのでしょうか?

軽い運動が効果的

「蓄積疲労」は第3段階までいってしまうと、病院での治療が必要になりますが、第1段階第2段階であれば自分で治療することができると言われています。

治療法というよりは予防法に近いのですが、基本は疲れを溜めないこと。

まず

充分な睡眠時間を確保する。

睡眠をしっかり取ることは健康管理の基本と言われていますよね。

「蓄積疲労」の防止にも効果があります。

そして、

軽い運動を行う

ことも大切です。

運動と聞くと負担に感じることも多いですが、それほどシビアに考える必要はありません。

ひとつ手前の駅で降りて歩く、散歩をする、自宅でできる簡単なストレッチを行う、これぐらいのレベルで充分なのです。

運動というよりも「体を動かす」というイメージですね。

疲れているときは何もせずに休む、と考えがちですが、適度に体を動かすことが疲労回復につながるとする、専門家も多いようです。

睡眠、運動に続き

入浴

これも疲労回復効果が期待できます。

特に体の疲れは、少しぬるめのお湯に浸かるのが良いようです。

38~40度前後のお湯にゆっくりと浸かると疲れを明日に持ち越すことがありません。

身体に影響が現れる第2段階では、運動は避け、身体を休めることにポイントを置いてください。

極力残業はせず、休日は身体を休めることを再優先させましょう。

あまりにも症状が緩和されなければ、この段階で医師に相談することをお勧めします。

若いからって無理はしない

若い世代にとっては「蓄積疲労」は無縁と思えるかもしれません。

たしかに20代のころは疲れが身体に影響をおよぼすことは、あまり無いように感じられますが、若いから疲れないというのは誤りです。

若くても疲れは溜まっていくもので、中高年より症状が出るまでに時間がかかるかもしれませんが、溜まった疲れの影響はいずれやって来ます。

若いときは無理をしがちです。実際に多少の無理をしても何とかなってしまいます。

筆者も20代のころは、朝まで飲んでそのまま仕事に行っても普段と変わらず業務をこなすことができたものです。(疲れとはちょっと違いますが…)

若いからこそきちんと疲れと向き合って、解消させることを意識したほうが良いのではないでしょうか?

疲れは身近な存在なので、軽視しがち

「ああ、疲れた」

が口癖の人がいます。

でも

「ああ、風邪引いた」

が口癖の人は、たぶんいないと思います。

朝起きたら頭が痛くて、熱を測ったら38度あった、のであれば自分が風邪をひいたことが分かるし、薬を飲む、病院に行く、場合によっては会社や学校を休むことも考えます。

でも、疲れは体温のように測定することができません。

起床時に体がだるく感じても熱がなければ、

「疲れが溜まっているのかな」

と考えて家を出るでしょう。

まさか

「疲れが溜まっているようなので、今日休みます」

とは言わないし、そんな理由は認めてもらえません。

疲れってあまりにも身近な存在なので、放置すると大変なことになるという認識が薄いのですね。

疲れに対する軽視が「蓄積疲労」という形で表面化したのかもしれません。

近い将来、疲れを測定するような機器が考案され、ある数値以上に達したときは会社や学校を休む理由として認められる日が来るかもしれませんが、それまでは各々が日頃から意識して疲れを溜めないようにすることが大切です。

まさケロンのひとこと

そういえば「熱中症対策」はみんなこれでもかってくらい意識して取り組んでるけど、「蓄積疲労対策」はほとんど聞かないよね。最近まさケロンもイライラしやすいんだけど、これはひょっとして・・・。。

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筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」