歯・オーラルケア

虫歯は食事で治療?オーラルケア新時代、歯医者はもう痛くない

Written by すずき大和

現代は、変化のスピードが物凄く早い時代です。それまでの倫理観や常識、定説、定石、ノウハウなどが、ちょっとの間に180度変わっていた!という例も少なくありません。

誰にも身近な家庭の医学関連の常識も、医療の発展が何度もそれまでの常識を覆し続けています。例えば、虫歯予防の常識、最近では歯周病予防なども含めて「オーラルケア」なんていい方もしますが、昭和の時代とは随分と変わってきているようです。



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虫歯は一度なったらもとには戻らない!は間違い

虫歯の原因と治療法の大転換

「虫歯は、虫歯菌が出す『酸』が、歯のエナメル質を溶かすことで起きる」

と、長い間ずっと世界中の人は信じてきました。

「虫歯の原因は虫歯菌!」

「一度できた虫歯は、放っておいても治らない」

「虫歯の進行を止めるには、削るしかない」

「虫歯菌は食べかすを餌にして増える。食べたら徹底的に歯をみがく」

そんな常識のもと、子どもたちはせっせと歯を磨かされ、虫歯ができたら、歯を削られる痛~い治療が待っていました。

ところが、最近、これらの常識を否定する歯科医たちが多くでてきました。「虫歯菌が出す酸が歯を溶かす」ことは事実ですが、なぜ虫歯になりにくい人となりやすい人がいるのか、もう少し根本の部分に着目した結果、従来の治療や予防のやり方を転換する動きが起こっています。

虫歯になった歯も、もとに戻る

動物は歯磨きなんてしませんが、虫歯になっていません。大昔の原始人も、現代人よりずっと虫歯率が低かったそうです。動物の口内や大昔は虫歯菌がいないわけではありません。が、ライオンや北京原人は、虫歯を治す自然治癒力が酸で歯が解けるのに追いついているため、虫歯にならないのです。

実は唾液には虫歯菌が出す酸を中和し、溶けた歯を修復(再石灰化)する力があります。

「虫歯は治らない」は間違いです。

自然治癒が追いつくようにすれば、歯を削らなくてもいい

「溶けたエナメル質は、唾液で再石灰化できる」

ということは、実は昔からわかっていました。しかし、いざ虫歯になってしまうと、もはや唾液では追いつかないと決めつけて、エナメル質ごと削ってしまう、という治療が長く続いていました。

最近の虫歯治療では、できるだけ削らずに、薬など使い再石灰化を促す方向に、少しずつ変わってきています。従来のやり方を優先する医師もいますが、歯科の世界全体で、再石灰化を重視する治療法に転換しよう、という取り組みが始まっています。

虫歯になる本当の原因を知って対処しよう

再生が追いつかない理由を見極めよう

虫歯の真の原因は、修復が追いつかない状態を作っている環境にあります。なぜ追いつかないのか、原因を知り、それを改善できれば、虫歯の進行を止め、歯を再生することも可能です。

初期の虫歯なら、ほぼ完全に再生できます。逆に、削って詰め物をしてしまうと、再生できないだけでなく、時間がたつと詰め物が劣化してまた虫歯になります。治すためにまた少し削り、また詰める・・・それを何度も歯が無くなるまでくり返すことになる人が、とてもたくさんいます。

歯の奥まで進行した虫歯やほとんど溶けてしまった時は、完全に再生することはできません。その前に原因をしっかりと解明し、原因に合わせた改善・治療をして、再石灰化を促すことが大切です。

原因の多くは食事にある

再生が追いつかない原因の多くは、以下にあてはまります。

  1. 食事の仕方が口の中の酸性を高め、虫歯菌を繁殖させている
  2. 唾液の分泌量が少ない、唾液の修復力が弱い
  3. エナメル質がとても弱く溶けやすい

酸性の強い食べ物(主に肉や魚、穀物類、糖類、加工品全般)に偏る人は、口の中を酸性にしやすく、虫歯菌を繁殖させやすいです。特に糖質は虫歯菌の大好物です。甘い物を減らし、アルカリ性の強い食べ物(主に野菜)を多く摂る食事に変えることで、虫歯の進行速度はかなり落とせます。

野菜に多く含まれるビタミンA、βカロチン、ビタミンC、ビタミンDは、骨や歯の石灰化を保ち、修復を促す大事な栄養素でもあります。唾液の分泌が少ない、歯が弱い原因としても、これらの栄養素の不足が大きく関係しています。

また、だらだらと間食を続けていると、唾液が歯を保護する暇がなく、虫歯が進行しやすくなります。食事の直後、口内は酸性です。唾液が酸を中和して、再石灰化をする時間、口の中を休ませることも必要です。

間食と同じく、極端に頻繁な歯磨きも唾液による再生を妨げます。歯磨きも「食べたら磨く」ではなく、せめて酸を中和する時間(食後30分以上)待ってからやらないと、弱ったエナメル質を傷つけ、虫歯菌の繁殖する所を作ってしまいますので注意してください。

キシリトールガムで唾液の分泌を促したり、フッ素の歯磨きでエナメル質を強くすることも大事ですが、食生活の改善がとても大きな影響力を発揮することを心に留めましょう。

これが虫歯予防の新常識!

「虫歯になっても歯は再生する」

「虫歯は削らず、食習慣の改善で治す」

「歯は食べたらすぐには磨かない」

皆さん、くれぐれもお忘れなく。

まさケロンのひとこと

いままで虫歯は治らないと思ってた!治るんだ!自然治癒力おそるべし。

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。