子どもの教育・しつけ

未成年のサイバー犯罪/安易に加害者になる若者たち

サイバー犯罪
Written by すずき大和

サイバー犯罪と聞くと、個人情報の抜き取りや、詐欺や性犯罪などの被害に巻き込まれる話を想像しますか?

実は、「被害者」ではなく、普通の人が簡単に「加害者」になる事例もたくさんあります。特に、未成年による犯罪では、手口の巧妙・悪質化や低年齢化が進んでいます。



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青少年によるサイバー犯罪

軽いノリで犯罪に参加してしまう若者たち

一時期、ツイッターにいたずら行為を自慢げに書き込む若者の投稿が物議をかもしたことがありました。行為の社会的影響や責任について無頓着な投稿者へのバッシングも起き、そのうち、投稿者の個人情報を晒す人たちも表れました。

ひんしゅくを買う言動をした人やその家族の情報晒しは、ネットではよく行われます。晒す人は若者に限りませんが、情報拡散には多くの未成年が加担しています。これらの行為は、名誉棄損や少年法違反の犯罪となるものが大半ですが、多くは犯罪意識なくリツイートしています。

著作法違反のダウンロードや、有名人に成り済ます・匿名で犯罪予告するなどのイタズラも、犯罪意識が希薄なまま加害者になっている若者の典型的ケースです。

不正アクセスによる検挙の4割は10代

未成年のサイバー犯罪の多くは、こういう無知や無自覚なものと思われる人も多いでしょう。しかし、詐欺や不正売買など、高度な知識と積極的な犯罪意識を持って加害行為を行っている未成年の事件も、大人が思っている以上にたくさん摘発されています。

例えば、2012年の統計では、不正アクセスの被疑者の41%が未成年(14~19歳)でした。

不正アクセスの検挙数の4~5割は個人的な「いやがらせ」や、オンラインゲーム等の「不正操作」事件です。

いやがらせの多くは、個人的な怨恨を晴らすために相手のSNSページ等に入り込んでイタズラする手口でした。オンラインゲームの犯罪は、アイテムの不正入手やデータの改ざんが圧倒的多数です。どちらも未成年の未熟さ・幼稚さが表れているようです。

手口の高度化が目覚ましいネット犯罪

最近、動機は幼稚でも手口は大人のハッカー並みの事件をおこす未成年も出てきました。

2014年、熊本の高校1年男子生徒が、運営方針が気に入らなかったオンラインゲーム会社のサイトに、アクセスを一斉集中させてサーバをダウンさせる攻撃(DDoS攻撃)を行い、書類送検されました。

この際、生徒は海外の「サイバー攻撃代行サービス」のようなものを利用していました。今までの社会では、犯罪ツールやノウハウの多くは、犯罪組織などが行脚する非正規のネットワーク社会、いわゆるアングラ世界でのみ流通していました。が、ネット空間では普通の社会とあぶない社会の境界がないのです。

高度な知識と技術を駆使した未成年犯罪の例

悪質なツールや海外の空間の手軽な入手・利用は、未成年犯罪の裾野を安易に広げます。未成年による高度なサイバー犯罪例は、まだまだたくさんあります。

2010年頃は、無線LAN電波の無断利用で接続して、不正アクセスした未成年が検挙されると、世間には驚きの反応が見られましたが、今ではもうそんなのは日常茶飯事です。

2012年、サーバのセキュリティ・ホール(設計ミス等が原因で発生したセキュリティの欠陥)を攻撃して不正入手したID情報を、ハッカーに漏えいしていた15歳の無職少年が逮捕されました。

同じく2012年、海外のサーバに自らフィッシングサイトを開設し、他人のID等を盗もうとして熊本の中学生男子が検挙されました。

2015年11月、札幌の中学年男子生徒が、3種類のウイルスをLINEで知り合った複数の中高生に譲渡した容疑で逮捕されました。譲渡された中高生も、ウイルス取得容疑で順次書類送検されています。

この犯人はまた、愛知県の高校生のパソコンを「ランサムウエア」と呼ばれる身代金請求型ウイルスに感染させ、金銭を要求する恐喝未遂容疑でも追送検されました。

未成年の犯罪を育む社会とは

「犯罪かもしれないけれど仕方ない」という感覚

未成年の犯罪を支える背景について、技術だけでなく、意識の問題も見てみましょう。

サイバー犯罪に関する若者のアンケートやインタビュー記事を見ていると、

  • 不正アクセス
  • 誹謗中傷
  • 晒し行為


などについて、犯罪行為と自覚はしているものの、それでも「仕方ない」と正当化する意見が散見されます。

  • 非難されることをした奴が悪いんだから
  • ネットでは匿名で自由に発言できるのだから

「名誉棄損であれ、何をいわれても仕方ない」

  • 欲しい情報が正規には売られていないから
  • 未成年には高くて利用できないから
  • セキュリティが弱いのが悪いんだから

「不正アクセスするのも(されるのも)仕方ない」

SNSの書き込みなどを見ていても、そんな声がたくさん目につきます。

サイバー犯罪の増加は病んだ社会のサインなのか

若者自身のサイバー犯罪への肯定感や諦め感は、そのまま大人社会にも蔓延している、無気力感や無関心の表れと捉える意見もあります。

人類の歴史を振り返る時、かつてファシズムに向かった社会で、子どもたちの保守化や弱者への攻撃性の正当化が顕著に表れた事実があります。

未成年のサイバー犯罪の増加が、権力のあるものの望む方向へ進めるためには理不尽がまかり通り、大勢と異なる意見は全体を乱すものとして排他しようとする力が暗に働く、


そんな社会に近づいているサインでないことを祈りたいです。

まさケロンのひとこと

サイバー犯罪の罪の重さっていうのがいまいちみえてこないのもあるよね。たぶん学校の先生とかもよくわからなくて教えられないんだと思う。

masakeron-sorrow


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。