ネットスラング

ネットスラングはどこから使っちゃいけない?なぜいけない?

「why?」のジェスチャー
Written by すずき大和

ちょっと前の話ですが、情報バラエティ番組のコメンテーターなどに呼ばれることの多い、若手社会学者の男性が、番組内でハーフの男性タレントに向かって

「ハーフってなんで劣化するのが早いんですかね?」

といってのけて、いろいろブーイングが集まったことがありました。

『劣化』とは、老化で容姿が変わっていくことを表したネットスラングです。

ハーフの老化速度の真偽とか、外見の批評は人として失礼だとか、という問題以前に、

“TVという公の場で「ネットスラング」を目の前にいる相手に対して使う”

という点で、まずこの人の良識が疑われてしまった面は否めません。

ネットスラングは、一般的に、

“ちゃんとした文章で書いたり、話したりしないといけない場では使ってはいけない”


それが大人のマナー、ということになっています。



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ネットスラングってどういうもの?

内輪で通用する俗語

「スラング」というのは、一定の範囲の集団の中で使われている特別な言葉や言い回しのことです。特定の業界用語のようなものというより、気心の知れた仲間内の軽口としてはよく使うけれど、ちゃんとした時に使うとちょっと“はしたない”と受け取られる表現などを指す場合が多いです。いわゆる「俗語」とか「卑語」と呼ばれる類の言葉です。

ネットスラングとは、ネットの中で使われる内輪な表現全般を指します。

シンプル化で生まれた多くの新語

SNSや掲示板など、匿名で発言する場から生まれたものの中には、確かに、卑語や差別的な蔑称として使われる言葉が少なくありません。

メールやチャットやTwitterの普及の中で生まれたものは、より早く短く入力するために、略称として使われるようになった表現も多いです。

  • 『ky』『ks』のように言葉の頭文字だけつなげたもの
  • 『うp』『おk』のように、日本語変換のまま英語を入力して使ってしまうもの
  • 『○○くね』『ワロタ』『終わた』のように、言い回しをシンプル化したもの

など、バリエーションは豊富です。

記号や数字などを並べて全体で絵図を表現したもの(「アスキーアート(AA)」といいます)もあります。『orz』や顔文字もAAの一種といえるでしょう。

他にも、漢字を当て字にする、別の言葉に置き換える、英語と日本語を合体する・・・など独創的な発想で生まれた表現がたくさんあります。

ネットの外に出ていく言葉たち

独創的で毒のある表現が数多く生み出されたコミュニティとして「2チャンネル」という掲示板サイトが有名です。「ネットスラング」という名称でくくられるようになったのも、2チャンネル発生の言葉群が最初でした。

それらは、2チャンネル内で流行っていた時は、本当に「一部の人たちだけに通用する言葉」でしたが、スマホとSNSの普及により、Twitterなどでも多用する人が出てきて、あっという間にネット全体に広がっていきました。そして中には、TVや一般雑誌などでも、自然に使われるようになっていった表現もあります。

『情弱』『ツンデレ』『リア充』なども、今は普通の会話でも使いますが、元はネットスラングでした。

また、誰かの普通の言い回しが、2チャンネルの特定のコミュニティで流行る場合もあります。「なんj語」「陰夢語」と呼ばれる言葉群にはこれが多いですが、普通の日本語なので、ネットスラングと知らず「ただの流行り」と思って真似て使う人もいるようです。

なぜちゃんとした所で使ってはダメなのか?

意味が正しく通じないかもしれない

ネットから発生して、今ではメール文でも普通に使われるようになった言葉は他にもたくさんあります。『なう』『わず』などは、SNSやブログでは健在に使われていますが、2チャンネルの中ではすでに「流行おくれ」「今使うと痛い」んだそうです。

しかし、そんなに認知度が高まっていても、やはりネットと全然無縁の高齢者などにとっては、普段触れることがあまりない表現です。すべての人に通じない、誤解して伝わるかもしれない言葉は、やはりちゃんとした時は使わないのがマナーです。

差別や蔑視の意味を込めた表現が多い

そして、先にも書きましたが、ネットスラングの中には、他者を馬鹿にしたり揶揄したりするニュアンスで使われるものがたくさんあります。

ネット内では、親しみの情を含んだからかいや、単なる不快感の爆発として、平気でキツい言葉をぶつけあうことが多いです。本当に相手の人間性を否定する意図じゃないのかもしれませんが、それはただ、匿名で相手が見えないから、相手の気持ちを思いやる必要がなくなった(と思いこんでいる)だけです。相手は傷ついていないわけではありません。

まして、現実で顔を晒して、相手に面と向かってそんな言葉を使うことは、やはり尋常ではありません。『劣化』を使った学者さんは、高学歴で、難解な学術用語や政治の話も理解できるボキャブラリーを持つ、『意識高い系』なのに、そういう感覚がなくなっていたのだとしたら、それはやはりちょっと困ったものかもしれません。

ネットスラングの中には非常に“いい得て妙”な表現の造語も多く、それらが一般語として流通するようになることは、一概に“日本語の乱れ”とはいえない面もあります。が、毒舌の使いどころの判断がちゃんとできない大人が、クールと勘違いしてネットスラングを使うのは、やはり『痛い』といえそうです。

まさケロンのひとこと

ネットスラングに限らず、TPOに応じて言葉を使い分けまくるかっこいい大人になりたいね。

masakeron-love


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。