政治・経済

格差社会とは/例えばガリガリくん値上げのCMに涙がでること

ガリガリ君値上げで涙
Written by すずき大和

2016年4月1日と2日の二日間だけ限定で流れたCMがありました。


昭和のフォークシンガー高田渡さんの「値上げ」がBGMに流れる中、社長の何ともいえない苦悶の表情のアップから、だんだんとカメラが引いていくと、社長を先頭に、社員が社屋前にずらっと並ぶ絵があらわになっていきます。

不景気の続く社会で、庶民のささやかな癒しのために、頑張ってきた同社の、もうぎりぎりどうしようもない苦渋の決断の想いが胸に迫ります。



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四半世紀の間に日本社会に何が起きたのか

バブル崩壊後の日本が歩んできた道

日本は、「バブル崩壊」以降、給料と物価がほとんど上がらない時代を四半世紀歩んできました。多くの企業が倒産・休業・廃業してきました。

不景気の中、企業はコストと税金の値上がり分を値段に反映することができずに苦しんできました。数々の企業努力もついに及ばず、この春、ついに値上げに踏み切る企業が続くことが、3月末から繰り返しニュースになっています。

ガリガリくんの25年ぶりの10円値上げは、それらのひとつに過ぎません。

アベノミクスと景気とGNP

安倍政権は、経済政策「アベノミクス」を展開してきました。金融政策などで強引に「円安」状況を作ることで、大企業の業績をやや上向かせました。しかし、GDP(国内総生産)は増えていません。2014年に消費税増税した直後に大幅減となって以来、ずっと低いままです。

政府は、企業の収益が増えているので、

  • 「景気は良くなっている」
  • 「アベノミクスは成功している」

といい続けていますが、内外の専門家は軒並みそれを否定する意見を出しています。

GNPは何を表すのか

「GDP:国内総生産」とは、“国内全部の人が稼いだ儲けのトータル”のことです。

  • 工場が8円で材料を海外から買って製品を作り、50円で卸す
  • 50円で買った仲介業者は、80円で小売店に卸す
  • 80円で仕入れた小売店は、お客さんに100円で売る


この場合、GDPの合計額とは、

  • 工場の利益(50-8)=42円 [A]
  • 仲買い利益(80-50)=30円 [B]
  • 小売店売上(100-80)=20円 [C]

これら[A][B][C]の合計の92円です。

大企業([A]の部分)の収益が大きくなっているのに、合計のGDPが増えていないということは、[B][C]で利益が出ていない、つまり

“中小企業は儲かっていない”

わけです。お客さんの視点では

“個人消費が減っている”

といえます。

消費者(国民)のほとんどは、中小企業や自営業の人です。大企業は儲かっているのに、それ以外の人は買い物を我慢しないといけない状況を『格差社会』といいます。

格差社会とは、庶民が切り詰めた分を大企業が設ける社会

増収はどこからきたのか

政権が「景気は良くなっている」というもうひとつの理由は、税収の大幅増です。大企業の法人税は大幅減額されてきたにも関わらず、2012年度に比べ、2016年度の税収の見積もりは15.3兆円増えています。

しかし、ここでだまされてはいけません。

企業の売上高の推移を見ると、過去20年間ほとんど変わっていません。だって庶民は物を買っていませんから。国内でたくさん物が売れて(景気回復して)儲かったのではなく、円安によって、海外に売った分の儲けが大きくなっただけです。

物価高による生活の圧迫はどこからきたのか

そして、円安は一方で輸入品の値を上げました。2014年度は円安分、前年比14%の実質値上げでした。国内需要の19%は輸入品です。計算すると、全体で2.6~2.7%の負担増になります。

2014年の消費者物価指数は2.7%アップでした。

「輸入価格が上がった分、物価が上がった」

といってもいいでしょう。

大企業は円安のおかげで儲け、庶民は円安のおかげで物価高を強いられました。つまり、

“税の増収分は、結局庶民が払ったような構図になっている”わけです。

忘れちゃいけない消費税の増収

それでも、個人消費は減っているので

「庶民は消費を我慢しているから、増収分払ったわけではない」

と思うかもしれません。

しかし、そこには「消費税の増税」分の負担もかかっていることを忘れてはいけません。

庶民は二重の負担を強いられているようなものです。

  • ひとつは「消費税アップの分」
  • ひとつは「庶民の負担の上に成り立っている企業の儲け、にかかる税金分」


個人消費が減って、企業の売上高も上がっていないのに、税収が増えたということから考えても、消費分の中の税金の負担比率がぐんと大きくなっているということです。

例えば、高齢者の犯罪が460%増える社会

結局、

「アベノミクスがもたらしたのは、景気回復ではなく、格差社会だった」

ということです。

赤城のCMは、そんな時代へのレクイエムです。

法務省の統計によると、1991年から2013年まで、高齢者の犯罪者数は460%増えました。

目立つ罪状は商店での窃盗です。60歳以上で捕まった窃盗犯の40%は再犯しています。専門家は、食糧や避難所、医療を無料で手に入れるために、故意に刑務所に入ろうとする高齢者が増えているとみています。

格差社会では、年金行政は行き詰まります。しかし、自助自立をよしと考える全体主義傾向の強い現政権としては、正しい方向なのかもしれません。

格差社会が進むと、全体主義は打倒されるのが歴史の常です。

たまに、カリスマ指導者のマインドコントロールに上手に利用してしまう国もあります。

日本はどちらに進むのでしょうか。

まさケロンのひとこと

税収多すぎじゃないの?って思ってるのはまさケロンだけじゃないはず。。

masakeron-sorrow


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。