カメラ・撮影 未来創造

ディープラーニングって何?AIが再現する白黒写真の色付け

白黒写真
Written by すずき大和

2016年春、技術系ジャンルのニュースの中で、専門家じゃない一般人たちの間でもちょっと評判になっている話題がありました。

早稲田大学の研究チームが発表した

「ディープネットワークを用いた大域特徴と局所特徴の学習による白黒写真の自動色付け」

という論文がその話題のモトです。

題は小難しいのですが、要するに、

“人工知能が自分で判断して、白黒写真に自動で色をつけてくれるシステム”


の研究です。

技術的な話は置いておいて、とにかく、論文にたくさん添付されている、実際に「自動色付け」された写真の出来栄えが、かなり「すごっ!」といいたくなるレベルなのでした。



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ニューラルネットワークとディープラーニング

いまどきの人工知能

白黒写真に色を付けることは昔からありました。最初は写真に直接絵具を塗り重ねるアナログ作業でしたが、CG技術の発展に伴い、コンピューターを使って画像加工が行われるようになりました。

白黒画像を分析して、色を割り出すこともできるようになりました。しかし、細かい部分の識別や、より自然な色合いに修正するなど、どうしても最後は人の判断で調整する必要がありました。

ここ20年くらいの間、人工知能(AI)の発展が目覚ましく、機械がどんどん人間並みの認識・判断をするようになりました。メーカーの工業機械など、限られた作業についての判断だけでなく、より複雑で不確定な要素も混ざっている作業についても、AIはちゃんと対処するようになってきました。

自然の色を再現する能力も、それにより、大きくアップしたのです。

ディープラーニング

人間に近い認識力や判断力を可能にしているAI技術のひとつが、

『ディープラーニング(Deep Learning)』

です。

物凄く簡単にいうと、

“人間の脳が考える手順を真似て考える回路”

をたくさん作って何層にも組み合わせたしくみになっているそうです。

この回路を『ニューラルネットワーク』といいます。

20世紀の終盤から既にニューラルネットワークの研究は始まっていましたが、最初は精度も低く、それほど注目されませんでした。2006年にディープラーニングが発表され、2012年に画像識別を行う技術を競うイベントで、ディープラーニングを使った方法が高い精度を示して優勝しました。

これをきっかけに、マイクロソフトやフェイスブックなどの大手企業が相次いで、データ解析にディープラーニングを使うようになりました。2015年には、グーグルがディープラーニングによる画像認識を体験できるWebインターフェースを発表しています。

早稲田大学研究チームの成果

新たな視点から考慮する回路をプラス

今回発表された研究による自動色付けの完成度は、他が作ったシステムを使ったものと比べ、はるかに自然に近い色となりました。人間による調整なし、機械による画像解析だけで、これだけの再現力を示したのは初めてのことです。

論文内に、他の先端理論のシステムを使った色付け画像と並べて比較したものが載っています。自然の鮮やかな色合いがより再現されています。


  • 1段目は、元の白黒写真。
  • 2段目は、2015年に香港城市大学の研究チームが発表した理論で色付けしたもの
  • 3段目は、早稲田大学チームが従来の研究システムで色付けしたもの
  • 4段目は、同じ早稲田のチームが今回改良したやり方で色付けしたもの


ディープラーニングは、いくつもの解析回路を組み合わせたものですが、今回の早稲田大チームの行った手法は、「画像の大域特徴」というものを考慮したシステムが使われているそうです。

私はド素人なので正直何のことだかさっぱりわからないんですが、要するに、

“今までのやり方の大幅グレードアップに成功した!”

ということだと理解すればいいみたい・・・・日本人、凄いです!!

これを使うと、100年前の写真もこんなに美しくカラー化できます。


ディープラーニングがもたらす未来のAIの行方

人間みたいに考えて行動する機械が身近にいる時代へ

物事の判断は、

  1. まず情報を正しく把握して、
  2. それらの知識から正しい対処を判断していく、


という2段階作業で行われます。

人間は、これまでたくさんの情報の中から、あるケースに共通する特徴を見つけ出していく「データ解析」の作業に膨大な労力と時間を使ってきました。ディープラーニングによってそれが機械化されると、大幅な時短となるだけでなく、より膨大なデータからより精度の高い特徴を見つけ出すことができるようになります。そのことが、判断の精度もぐっと上げているのです。

今、画像解析の分野での注目が高いですが、今後もっと多くの分野で、人間のように判断し行動できるようになることが増えるでしょう。

  • 音声認識や言葉の理解の向上は、自然に音声会話できる機械や同時通訳機の開発へ
  • 周囲の情報を瞬時に解析し、危機を予測する能力の向上が、車の自動運転の実用化へ


つながっています。

「機械の判断力が高性能になりすぎると、人間ができる仕事がなくなってしまう!」

なんてことを心配する人も中にはいます。便利で安全に、私たちの生活がよりよくなるために科学技術が発展していけるかどうかは、結局それを使いこなす人間の問題です。

ディープラーニングが、機械と人間がよりよいパートナーシップを結ぶ未来へつながっていくことを切に願っています。

まさケロンのひとこと

たしかに機械が高性能になりすぎると「今ある職業」の何割かは消えていくかもしれないよね。それでもまだまだあると思うんだよね、人間ができる仕事って。

masakeron-love


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。