国際デー

国際デーって日本じゃあんまり盛り上がらないのはなぜだろう

地球儀
Written by すずき大和

「国際デー」って知っていますか?

国連が、平和と安全、開発、人権/人道の問題などのテーマを設定し、国際社会の関心を喚起し、取組みを促すために制定している記念日のことです。

これまで、採択されてきた国際デーは、優に百を超えています。

『国際障害者デー』『人権デー』は、聞いたことがある人も多いでしょう。

『世界禁煙デー』『世界献血デー』なども比較的宣伝されています。

が、それ以外の国際デーって、案外、知らなくないですか?

日本は、世界第2位の国連分担金支払い国なのに、国際デーに限らず、日常の国連の取組みについて、他の先進国と比べると格段に情報が少なく、国民の関心も低いようです。



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国連て、私たちとどう関係しているの?

国連の設立は、第二次世界大戦と深く関係

2015年は、第二次世界大戦が終結してからちょうど70年となる節目の年でした。日本でも、天皇陛下のお言葉や、総理の演説が、話題になりましたね。

1945年、当時、枢軸国と闘っていた連合国らが、“戦争終結という公約”と共に

『国連憲章(the Charter of theUnited Nations)』を定め、

『国際連合(United Nations)』を発足させました。

以来、国連は、世界平和を目指して国際協力を図るための国際機関として、オピニオンリーダーとなるべく指針を発信しながら、活動を続けてきました。

国際連合以前にも、「国際連盟」という機関がありました。

グローバルな大きな戦争が続いた近代、

  • 世界の危機を平和的に解決し、
  • 戦争を防止し、
  • 世界共通の戦争の規則を作る


という目的で設立した、最初の国際機関です。が、結局第二次世界大戦の防止に失敗し、国際連盟は活動を停止します。

しかし、国際協力と対話を通して紛争を平和的に解決する必要を強く感じた連合国は、

『国際機関に関する連合国会議(サンフランシスコ会議)』

を開催し、3ヶ月弱の会議の最後に国連憲章を定め、国連の設立が決定しました。

戦後70余年、国際連合の理想が世界標準に

連合国は、第二次大戦の惨禍を広げた要因として、枢軸国の権威主義的な体制による軍国主義・全体主義のやり方・考え方に、大きな問題があったと考えました。

“「人権」と「民主主義」こそが、人類共通の普遍的な価値”

“それを守っていくことが、世界を「平和」に導く唯一の手立て”


という理念の下、国連は動きだしました。

枢軸国は敗戦後、連合国の統治下におかれ、人権と民主主義に則った新たな社会体制が作られました。ファシズムや軍国主義につながる法律や制度は一掃されました。

日本は枢軸国のひとつでした。

連合国の決めた条約等の指針を受け入れることで、日本は戦争を終わらせました。

そして、戦後、国連の目指す理念を是として、社会を大きく作り替えました。

連合国の「世界平和を築く誓い」や、国連の理念「人権・民主主義」の精神は、日本国憲法にも色濃く反映されています。

現在、日本が国際社会の中で認められているのは、国連の理念に賛同する姿勢で世界と関わってきたからです。国連の取組みとその理想は、そのまま今の日本の国としての在り方の指針となるもの、といっても過言ではありません。

日本独自の理念でやっていく覚悟はある?

日本でほとんど取り上げられない最新国際デー

10月と6月は、国際デーの集中する月です。ことに6月は、紛争や貧困、環境など、今直面している事態に関わる国際デーが多く、『国連憲章の誕生日』6月26日もあり、話題になりやすい月です。

現時点での最新の国際デーも6月です。2015年の国連総会で採択された

『紛争下の性暴力撲滅国際デー』:6月19日

です。現在、中東でイスラム国(IS)などによる性暴力が深刻化していることを受け、撲滅への国際世論を高める狙いもあって制定されました。

しかし、このことを報じた日本のメディアは、日経の短い記事くらいでした。

戦勝国の価値観の押しつけを否定する

「紛争下の性暴力」というキーワードは、現在の日本にとっては、とても繊細で“政治的な”テーマです。

昨今、「公共の場で政治的な話題はタブー」という気運が社会を覆っています。戒められるテーマは、性暴力の他に、

  • 平和
  • 人権
  • 民主主義

などが顕著です。

そうです。どれも、国連の理念、憲法の理念のキーワードです。

日本は戦後、ほぼ自民党が与党を占める社会です。自民党の党是は、憲法やその他の社会制度の作り直しです。自民党は枢軸国の理念が否定されたことを

「戦勝国による一方的な価値観の押しつけ」

と見なし、戦前の「日本独自の価値観」を見直す方向で、憲法改正を推進しています。


これは、政治話題のタブーや、国際デーの報道が少ないことにも影響している、かもしれません。

国連の理念を遠ざける道を選ぶ覚悟

国連は、定期的に加盟国の人権・民主主義の状況を査察し、問題を勧告しています。

日本は、特に「労働者の人権保護」「男女平等」に関する政策等について、採算勧告を受けています。

が、「日本独特の労働慣行」「伝統的価値観」などを理由に、是正に従わない返答を繰り返しています。

日本独自の価値観の見直しをして国の体制を作り替えるかどうか、は日本人が決めることです。ただ、国連の理念に対抗しながらも、国際社会で評価され続けるためには、相当に説得力ある理由を説明していく覚悟が必要です。

下手をすれば、

「日本の理念は、国際社会では通用しない理屈」

が世界の常識になるかもしれません。

選挙に行く前に、このこともちょっと考えないといけないかも・・・。

まさケロンのひとこと

日本国民である以上、「日本の理念」っていうのが自分の意思と異なっていたとしても世界から見たら結局それが自分の意思だと思われるんだよね。

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。