国際デー

アフリカの話じゃない!アルビノは日本社会の差別観を映す鏡

アルビノの男性
Written by すずき大和

西武ライオンズのマスコット「レオ」は、手塚治虫作品「ジャングル大帝」に出て来る白いライオンです。

レオに馴染んでいる日本人は、動物には一定の割合で、

「白子(しらこ)」

と呼ばれる、先天性色素欠乏症の個体が生まれてくることを知っています。

2014年11月、国連は、6月13日を

『国際アルビニズム啓発デー』

と定めました。

アルビニズムとは、人間の先天性色素欠乏症(白皮症)のことです。

アルビニズムの人は、『アルビノ』と呼ばれています。



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アルビノ差別は遠くの開発途上社会の問題ではない

国際アルビニズム啓発デーが作られた理由

国連は、

「世界各地で起きているアルビノを狙った暴力、差別や偏見をなくし、理解を高める」


ことを目的に、この啓発デーを定めました。

アルビノは、体毛や皮膚の色が極端に白い、という外観的特徴があります。メラニン色素がないために、紫外線などの刺激に弱く、皮膚がんの発生率がとても高かったり、視力が弱かったりなど、健康面で大きなリスクも抱えています。

そのため、いろいろな社会で激しい差別や偏見にさらされてきました。

特に、アフリカの一部には

「アルビノの体は、幸運をもたらす秘薬の材料となる」

という呪術信仰があり、そのために殺されたり手足を切り取られたりするアルビノの暴力被害が、大量に起きています。また、

「アルビノの女性と性交渉を持つとエイズが治る」

という迷信を信じる男性による事件も頻発しています。

アルビノ差別はあらゆる社会である

アルビノが特別な力をもたらす存在として扱われる迷信より、不吉なものとして忌避する文化のほうが世界には多く見られます。

中国やインドなどの東アジア周辺でも、

アルビノは「穢れ」「邪悪なもの」

とみる価値観が根強くはびこっています。

地方にいくと、親が帰属社会での差別を恐れてアルビノの子を孤児院に入れたり、捨てたり、時には殺してしまうケースが、今でもあります。

そして、先進国においても、子どもの頃いじめに合い、大人になっても就職や結婚で差別を受けるアルビノが、今もって少なくありません。

日本でのアルビノ差別の事例からわかること

朝日新聞の投書蘭記事の反応

2016年3月8日の朝日新聞の投書蘭に、アルビノの女性の父親の寄稿が載りました。娘の就職活動での差別の実態が描写されており、その後SNS等で紙面画像が拡散され、ネット内でもしばし話題が盛り上がりました。



“合同会社説明会で採用担当者たちから何度も

「地毛のことはわかったが入社後必ず髪を染めてもらう」

と多くの学生の前で声高に言われた。妻に

「悔しい、でも絶対に負けない!」

と泣きながら電話してきた。”(新聞記事より引用)


ネットの反応は、

“マイノリティ差別の理不尽に言及する”ものと、

“会社の対応を当然と庇護する”ものに、

賛否が分かれました。

書き込み者の匿名性が高く、ゆとり世代と呼ばれている層のユーザーが多いサイトの否定のコメントが、結構えげつないですが、たぶん会社庇護派の本音を正直に表していると思われたので、いくつか紹介しておきます。

“は?染めるくらいしろよ

別にアルビノを差別してるんじゃなくて単純にキモいから言ってるだけだろ”

“アルビノ雇ったって足手まといにしかならんのやで

例えば営業でアルビノが来たら相手の会社はどう思う?
個性受け入れ云々じゃなくて損になるからアルビノはダメなんやで”

“アルビノは変な病気にかかりやすかったり、寿命も短いしね

企業としてはリスクマネージメントも考えないといけないから仕方無いね”

社会は理不尽でできている

多くの大人は「社会は理不尽でできている」ことを知っています。

何事も“本音”“建て前”があり、表向きは筋の通った正論でやっているように見せながら、実際の選択は、実権のある人や多数派の都合のいい方向にいくように、いろんな手で操作されて、とにかく大勢が気持ち的に受け入れられるものに落ち着いていきます。

それが、穏便に世の中を回していくうえでの大人の対処、ということになっています。

何でも合理的に割り切って進めることが、人を幸せにするとは限りません。見た目には無駄や矛盾に見えることが、長期的には大きな信頼や財産を生むことだってあるでしょう。

合理的に最短距離で高い数字を出せる方法を取るより、遠回りしても、みんなが嫌がらない方向で進めていく方が、社会全体は居心地がいいものになる、という場合もあります。

が、しかし、みんなの中に一部の人たちへの「偏見」「差別」があると、

「みんなが気持ちよくできる方を選択すること」が、

「一部の人だけに大きな負担や不利益を背負わせること」になる場合があります。

「一部の特殊な人のために、みんなが我慢すること」

「みんなが気持ちよくやるためには、特殊な一部のほうが我慢すること」


どちらも、どちらかにとっては理不尽と感じることでしょう。

アルビノへの対応が示すこと

「アルビノの社員はお客さんの前になんか出せない」

この正当性をどこまで通すべきか、は、日本社会の理不尽の捉え方を表す物差しなのかもしれません。

同時に、それは世界のそれと比べられ、「差別・偏見に対する認識」がどれくらい進んだ社会なのか、計られることも事実でしょう。

あなたはどう思いますか?

まさケロンのひとこと

「アルビノ」なんてひとくくりにされてるけど、人によって肌の色も髪の色も違うわけだし。からだはちょっと弱いかもしれないけど、アルビノじゃなくたってからだが弱い人もいるし。
まだ「髪の毛は黒色じゃなきゃダメ!」とかいってる日本って、ちょっと遅れてるよね。大事なのはそこじゃないでしょ?清潔感とかそういうところでしょ!って思うんだけどね。

masakeron-oko


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。