ガーデニング・家庭菜園

なんとアスパラたちが…合体してキングアスパラになった!

アスパラ
Written by すずき大和

“小さな個体がたくさん集まり、やがて合体して巨大なひとつの個体になる!”


という描写は、ゲームやSFの世界ではよく見る状況です。たいていは、主人公が闘う敵方のキャラクターが、闘いの途中でグレードアップする時のひとつのお決まりパターンです。

ロールプレイングゲームの草分け的存在といわれる「ドラゴンクエスト」では、ドラクエのシンボルともいえるモンスター「スライム」が、闘っていると次々仲間を呼び出し、あれよあれよと増えてしまう時は、高い確率で「合体してキングスライムになる」展開を見せます。

しかし、そんな変化はあくまでもゲームやフィクションの話であって、現実社会では、いかなるテクノロジーをもってしても、そんなメタモルフォーゼが起きるわけがありません。



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12本が合体してひとつになった巨大アスバラガス?

NHKニュースのオカルト表現!?

「現実の世の中で、何かが複数合体して大きなひとつになるなんて、あるわけがない!」

なんて思っていたのに、ある日のNHKニュースで、

「北海道芽室町の畑で、10本以上のアスパラガスが隙間なく接した状態で大きく成長し、地元の人を驚かせています」

と、アナウンサーがいいました。

映像を見ると、確かにそれは、見まごうことのない、巨大な「キングアスパラ」状の物体でした。アナウンサーは、更に続けて以下のようにいっています。

「12本の茎が隙間なく接した状態で大きく成長し、高さは1メートル近くまで伸びています」

「これは『帯化』と呼ばれる現象で、12本もの茎が一本化する例は珍しいということです」

「一本化」って言葉使っていますし、これはもう、どう聞いても

“12本の別々のアスパラが合体して巨大なひとつになったもの”


と解釈できました。

おそるべし北海道のアスパラガスよ!

スライムと同じことができる生命体が、すでに日本に存在していたのか!!!

「隙間なくくっついて大きく成長」は一体化なのか?

ニュース動画がYou Tube に上がっていました。


動画の下のほうに、ニュースの内容がほぼその通りに文字で書いてあるのですが、

「隙間なく接した状態で大きく成長・・・」

とアナウンサーがいっていた部分が、

「一体となって・・・」

と表現されています。

ほら、やっぱり、もとは一体じゃなかったものが「合体」したんですよ!

それ、ちょっとニュアンス違うんじゃない?

が、しかし、「植物の帯化現象」を調べてみると・・・・

『帯化』とは、本来ひとつの普通の個体になるはずだったものが、異常現象で奇形化することでした。つまり、

“複数の別のものが合体した”


のではなく、

“ひとつのものがびろ~んと横に伸びて成長した結果、たくさん横に並んでくっついているような形態になってしまったもの”


ということです。

残念ながら、

“アスパラが集まって合体してキングアスパラになった”

という「スライム - キングスライム」のメタモルフォーゼのパターンとは、根本的に違います。

強いていえば、

“頭が複数ある「ケルベロス」的なアスパラ”

というほうが、近い例えになるでしょう。

なんだぁ、がっかり・・・。NHK、奇をてらった見出しで釣る(!?)どっかのスポーツ新聞みたいなことしてるじゃん!?もう、紛らわしいなぁ~。

植物の帯化現象

結構頻繁に見られる奇形でした

誤解のないよう、もう少し帯化について補足しておきます。

「帯化」「石化」ともいわれ、昔から農作物や園芸品種にもよく見られる奇形です。

メカニズムとしては、本来「点」として成長していく生長点が、「線」状に長くなっている異常です。線状に生長点があるため、茎状の部分は帯のように平たくなり、だから「帯化」と呼ばれます。

比較的多く見られる原因は、細菌に感染して起きる例です。他に、組織の突然変異や遺伝的な原因もあるし、昆虫やダニに傷つけられたことがきっかけで、遺伝子が変異を起こして奇形化することもあります。

帯化を起こすことがある植物は800種以上あり、そんなに珍しい現象ではありません。帯化が起きるのも茎だけとは限らず、花の中央のおしべ・めしべの部分がびにょ~んと伸びたような奇形もよく見られます。

検索すると、気持ち悪い画像もたくさん出てきますが、【閲覧注意!】って書かなくて良さそうなところを貼っておきます。


帯化現象とのつきあい方

原発事故以降、東北地方で見られる帯化植物の写真を撮って、ことさら「放射能の影響」だと書きたてる海外メディアもいくつかありました。帯化は遺伝子が傷つけられると起きるので、被曝が原因になることもあると思われます。

が、世界中で一定割合の植物は帯化しており、いくつか見つけたからといって、すぐさま何かの環境汚染があると思う必要はありません。

園芸植物の中には、帯化による形の変化がアートとして評価されるものもあります。が、たいていの農作物が帯化すると、商品価値がなくなってしまいます。

今回のアスパラ農家さんも、少なくとも1本はロス作物になったわけですが、こうしてニュースで話題にされ、近所の子どもたちが見物にきているのを見ると、まあちょっと町を活性化させる話題作りには貢献したようです。

そう考えると、NHKのまぎらわしい釣り表現(!?)のローカルニュースも、地域のPR効果があって、まんざら悪くなかったのかもしれませんけど・・・。

まさケロンのひとこと

この勢いで「メタルアスパラ」とか「ゴールデンアスパラ」なんてのも登場したり・・・はないか。

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。