海水はなぜしょっぱい?どこまでしょっぱい?地球の塩と水の話

海水
Written by すずき大和

「死海」は、地球の陸地の中でもっとも低い場所(海抜マイナス418m)にある湖です。いわば“底”にあるため出ていく川がありません。

水分の行く先が空気中への蒸発しかない内陸湖では、水中のミネラル分がどんどん濃縮されていきます。そして、しょっぱい水をたたえた塩湖になります。死海は特に蒸発が激しい地にあるため、塩分濃度が海水の10倍くらいあり、ほとんどの生命が住めません。

海は超巨大な湖のようなもので、出ていく川はもちろんありません。だから、海の水もしょっぱくなっています。海水の蒸発は永遠に続きますが、いつか海も死海のように生命が住めない濃さになる日がくるのでしょうか?



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海水はいつからしょっぱくなったのか?

水の一生

子どものとき、「水の一生」について習ったのを覚えていますか?

空気中の水蒸気が雲になり、雨となって地表に降り、地下水や川に集約され、最後は海に流れつきます。海の表面からは大量の水蒸気が空気中に蒸発します。そうやって、地球上の水は循環しながら、多くの命を育んでいます。“一生”といっても、永遠に終わることのないサイクルです。

水は、流れる途中で様々なものを溶かし込み、多くの何かを運びます。ひとつひとつの生命も環境全体も、そんな水の性質を利用して、栄養を摂り込み、要らないものを排除し、命のリサイクルを行っています。

水の成分

天然のミネラルウォーターには、

  • 塩素
  • ナトリウム
  • 硫黄
  • マグネシウム
  • カルシウム
  • カリウム
  • 炭素
  • 臭素

などが溶け込んでいます。

溶け込んでいる成分や量によって風味が違ってきますが、どれも決して海水のように「しょっぱい」わけではありません。

海に流れ着くとしょっぱくなっているのは、ただ単に成分が濃縮されて“味が濃くなった”わけではありません。マグネシウムや炭素が濃くなれば、味としては苦くなるはずです。

実は、山の地下水と海水では、“含まれる成分の割合”が違います。海水に溶けている成分の85%は、塩素とナトリウム、つまり「塩(塩化ナトリウム)」の成分です。だからしょっぱいのです。

海のできるまで

46億年前、地球が生まれた時、地表はマグマに覆われかなりの高温でした。

水は空気中の「水蒸気」として存在していました。地球の温度が下がってくると、水蒸気が雨となって地表に降り、流れ集まって溜まり始めます。

液化する時、大気中にたくさんあった「塩素」をたくさん溶かし込んだため、最初の海は塩酸水(酸性)でした。

やがて、地表の岩盤に多く含まれるナトリウム(アルカリ性)が少しずつ溶け出して、中和していきました。そして、現在のような塩化ナトリウムがたくさん溶け込んだしょっぱい海が出来上がったのです。

海の水はこの先どうなる?

海はどこまで成分濃縮される?

地球上の海に降る雨は、1年間で385兆トンといわれます。さらに、川から流れ込む水は年間40兆トン。逆に海水面から蒸発していく水分は、425兆トンであり、出ていく水と入ってくる水がちょうど同じです。このため、海の大きさは同じくらいに保たれているわけです。

しかし、水の量は変わらなくても、溶け込んでいる成分は、塩湖のように次第に濃くなっていくことはないのでしょうか?

長い目で見ると、海水の塩分濃度はやはり大昔から少しずつ上昇し続けています。しかし、今のところ、人類が生きている間に生態系を大きく変えるほどには至らない、とても微量の変化です。

実は、海水内の成分は溜まる一方というわけではなく、水と一緒にどこかに流れ出す以外の方法でも、ちゃんと排出されています。供給と排出のバランスが、だいたい均衡に保たれてきたため、海の塩分濃度は、一定の範囲で変わらずにきました。

海水内の塩分はどうやって出ていく?

海中の塩分は、生物の体に摂り込まれたり、海水が陸地で乾燥して塩の結晶が作られたりして、海水から出ていっています。

また、水溶性の物質は、一定の時間がたつと、個体に戻って水の底に沈殿し、海底の岩盤の成分になります。実は、塩素とナトリウムは、水に溶けている状態を保てる時間(滞留時間)がとても長く(1億年以上)、それも海水に塩がたくさん含まれる理由のひとつです。

46億年の地球の歴史の中、海底が隆起して陸地になったり、また沈んだりを繰り返してきましたから、陸地の塩分が全部海底に溜まってしまうこともなく、現在まで均衡を保ってこられました。

海と人の未来

ここ数十年の温暖化は、極地の氷を溶かし、海水を増やしています。その結果、一時的に地球全体の海の塩分濃度を若干下げました。

この先、もっと気温が上昇すると、蒸発する水分も降る雨の量も増えるでしょう。海面上昇の問題だけでなく、水害被害や、海水の塩分濃度変化による生態系への影響も心配です。

米国地質調査所(USGS)の発表によると、海は地球の表面の71%を覆っているとはいえ、地球上の水をすべて集めて球体にすると、わずか直径1385kmにしかならないそうです。イラストに表すと、その意外な少なさにびっくりします。

  • 大きな水玉の隣の小さな玉は、地下水を含む「淡水の量」
  • その隣のもっと小さな玉は、「川や湖の淡水の量」

を表しています。水がいかに貴重なものかわかる画像です。

地球と人類の未来のため、人間はもっと海や地球の水に関心を持つべきかもしれません。

まさケロンのひとこと

「やっぱり地球は海に覆われてるほうが綺麗だな」って、このイラスト見て思った。海には感謝しなきゃね。ダメだよ、ゴミとか捨てちゃ!

masakeron-oko


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。