お酒の豆知識

AIビール/人工知能がニーズに合う味を求め、進化し続ける

ビールを持つ男
Written by すずき大和

ロンドンのスタートアップ(駆け出しベンチャー企業)IntelligentX社は、“エール製法”という醸造法で作る英国の伝統的なビールの製造販売行っている会社です。この会社の作るビールは、AI(人工知能)が、その醸造レシピの探求を担っている、ということで、最近ちょっと話題になっています。

人工知能がレシピを極めていくってどういうことなんでしょうか。

人工知能って、味わかるの???



スポンサーリンク

ユーザーの意見が醸造レシピに反映され、改良され続けるビール

英国の伝統的な4種のビール

販売されているビールは全部で4種類。その名もズバリ『AI』という名のビールです。

1, ゴールデン

ゴールディングホップを使用した、古典的なゴールデンエールレシピによるビール

2, アンバー

琥珀の色合いと苦味のきいたパンチのある風味をもった伝統ビール

3, ペール

カスケードホップを主原料にして作られる、アメリカンペールエールのレシピによるビール。淡い色合いと、際立つホップの香りが特徴。

4, ブラック

古典的レシピをベースにして作られる、スモーキー風味の褐色のビール


これらのビールはロンドンの「UBrewストア」を通して、1本4.5ポンド(約590円)で販売されています。

AIが迅速にユーザーの好みを反映させる

そして、InrelligentX社では、SNSのプログラム(Facebookメッセンジャーのボット)を使って、顧客の感想、意見を集め、それらをAIが解釈・分析して、よりユーザーの好みを反映したレシピを考え出していく、というフィードバック反映システムを構築しました。

ユーザーは、ボトルに印刷されたコードを見て、スマホのアプリなどでボットにアクセスします。そこで、ボットからの質問に答えたり、アンケートに回答したりすると、それら顧客からのフィードバックはAIによって瞬時に集められ、アルゴリズムに従って分析され、レシピに反映されます。

AIの活用が広がる社会

AIが顧客満足度をあげていく

ボットからの質問は、例えば、ユーザーの好みについて、好きなフレーバーや製造法などを聞きだします。多くのユーザーがアクセスし、たくさん集まったデータは、AIによって、全体的な好みの傾向が判断されていきます。

膨大なデータの収集と分析は、人の手で行うと膨大な時間がかかります。AIによってそこの部分が短縮化されることは、コストダウンやフィードバックのスピードアップをもたらし、メーカーにも消費者にもメリットが大きいです。

更に、このAIは、好みの傾向を反映した場合のレシピまで、アルゴリズムによって割り出すことができます。温度や酵母の割合や醸造のタイミングや空気に触れさせる頻度などなど、どんなことをするとどんな味につながるのか、AIはフィードバックを積み重ねる中でどんどん学習していきます。

それは、従来、職人が長い時間と経験を積み上げる中で、身に付けて、伝えていった技でもあります。伝統のレシピをその年その時の気温や湿度やホップの状態なども見ながら調整していったのも職人技でしたが、AIはそこまでの判断ができるものなのでしょうか・・・。

人間と機械の作業の住み分けはどうなっていく?

AIビールの製造は、実際の作業はロボットではなく人の手で行われているそうです。しかし、従来の職人のように、自らの五感と知識で判断することはなく、AIに指示される作業を忠実にこなしていくことに徹しています。

なんとなく、機械が頭脳で人間は歯車みたいに聞こえなくもないですが、製造の過程のAI導入というのは、どんな産業であれ、多少はそういう側面を促進します。だからこそ、機械化は単純作業労働者の人減らしだけでなく、マネジメント労働すら人にとって代わることも見込まれ、

「人工知能の2045年問題」

などがささやかれているわけですが・・・・。

※2045年問題
このままAIが発展していくと、2045年には、今人間がやっている仕事はすべて機械でできるようになり、人間は失業してしまう、という未来予想


今、世の中IoT(モノのインターネット)がブームといえる勢いで進んでいます。ネットから入ってくる情報を機能に反映させ、活用するためには、当然AIも搭載され、その機能の発展ぶりも目覚ましい早さで進んでいます。

格差社会が進む世の中ですから、親が日々働き過ぎの家庭などでは、晩御飯のレシピと買い物指示までしてくれるAI搭載電化製品の活用が進むかもしれません。おふくろの味はAIが作ってくれるもの、という時代がいつかくる???

AIビールは美味しいのか?

AIビールの売れ行きは、未来の職人と機械の勝負を占うもの、ともいえます。今のところ試験的な段階で、ロンドン以外の場所での販売はなく、ボットも多国語版で作られる予定はないようです。

発売以来12ヶ月の間に、11回のレシピの改善が行われてきました。この迅速な改良スピードは、やがて職人が機械に負ける日を現実のものに引き寄せるのでしょうか。

IntelligentXでは、

「いつの日か主要なビール醸造大会で『AI』が優勝すること」

が夢だそうです。

人工知能ビール、飲んでみたい気もするし・・・

でも職人さんも応援したい気持ちもあるなぁ・・・

果たして、この先AIビールは世界進出するのでしょうか。

まさケロンのひとこと

そのうちほんとに「AI運営」のカフェとかできちゃうんだろうな~。でもそれで「人運営」のお店に客が集まらないってことはないと思うんだよね。

masakeron-love


スポンサーリンク
Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+

あなたにオススメの記事

筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。