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飲酒と発がん性の関係/酒は百薬の長じゃないんだなぁ~

グラスに注がれるビール
Written by すずき大和

日本には、「酒は百薬の長」ということわざがあります。

が、アルコールというものは、往々にして体にいいことより悪いことのほうが多く、

「飲まないに越したことはない」

と、多くのお医者さんはいいます。

特に、最近、発がん性についての研究が進んでおり、具体的にリスクの上がるガンと飲酒の関係もはっきりと指摘されるようになってきました。

のん兵衛の皆さんには、なんだか耳が痛くなりそうな話しですが、

知っていて飲むほうが、知らないより、より節制を心掛けやすくなるかもしれないし、

いざガンを宣告された時の覚悟の決め方が違ってくるかもしれないので・・・

まあ、一応知識として聞いておいてください。



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お酒はガンのリスクをあげる

WHO(世界保健機構)の評価

2007年、WHOは、飲酒は特定のガンの原因となると発表しています。

  • 口腔ガン
  • 咽頭ガン
  • 喉頭ガン
  • 食道ガン
  • 肝臓ガン
  • 大腸ガン
  • 乳ガン


が、飲酒の影響を受けるガンとされています。

「アルコール」そのものに発がん性があるだけでなく、体内でアルコールが代謝される時にできる「アセトアルデヒド」にも発がん性が認められています。

お酒に強いか弱いかは、遺伝的な影響で決まるので、先天的にアルコールを代謝するための酵素の働きが弱い人は、ガンのリスクも高くなります。

日本人の7%はアルコールの分解酵素が弱いため、アルコールがからだに残りやすく、

“アルコール依存症になりやすい体質”です。

同じく40%はアセトアルデヒドの分解酵素が弱く、

“飲むとすぐ赤くなり”

“二日酔いしやすい体質”です。

これらの体質の人がのん兵衛になると、特に口腔・咽頭・食道ガンのリスクが高まります。

2016年の調査研究発表

2016年7月、ニュージーランド・オタゴ大学の研究者チームが、WHOの発表を含むアルコールとがんに関するここ10年の先行研究を徹底的に調査し、アルコール以外の影響を除外して再分析を行った結果、改めて、統計学的、疫学的見解から、この7種のガンはアルコール摂取に直接関連していることが判明した、と発表しました。

統計によれば、この7種のガンのなかで、アルコールに起因するガンは、世界のガン死亡者の5.8%を占めているということです。2012年の数値を当てはめると、アルコールが原因でガンになった人およそ50万人が死亡していたという計算になります。

また、まだ結論付けるまでには至っていませんが、現在の統計から

  • 皮膚ガン
  • 前立腺ガン
  • 膵臓ガン

も、飲酒との関連性が疑われているそうです。

お酒は百害あって一利なし

絶対安全な飲酒のリミットなんてない

「お酒は百薬の長」といわれてきた日本では、これまで飲酒とガンの関係性の調査をする場合でも、アルコールの摂取量について気にしてきました。

2005年の厚生労働省多目的コホート研究によると、男性の場合

“ガン全体の13%が、週300g以上の飲酒に起因する”

と概算されています。

また、

“週46~69g以上の飲酒が、ガン全体のリスクを高める”

と発表しています。

しかし、オタゴ大の発表は、量の多少に関わらず、飲酒にはリスクが伴うことを示しました。これは、言い換えると、ガンリスクについては

「アルコール摂取に“安全な範囲”などない」

ということです。

気付け薬としてのお酒

昔の人はお酒のことを「気付け薬」なんていい方をすることもあります。

気付け薬とは、気絶したり気が遠くなった時、意識を呼び覚ますために使われる薬のことです。失神した時にアンモニアを嗅がせるなどの処方がそれです。

疲労で虚脱状態の人や、ショックで気絶しそうになった人に、強いお酒を少量飲ませる、というのは、洋の東西を問わずに行われてきました。

アルプスの救助犬が首にブランデーの樽を括り付けているのはよく知られています。

確かに、少量のアルコール摂取は、血行を促進してからだを温めます。

“血液の脂質代謝を改善し、狭心症や心筋梗塞の危険性を下げる効果がある”

という調査結果も存在しています。

少量とは、エタノール(純アルコールに換算して)これまで、

「男性は25g、女性は15g」程度

だといわれてきました。

実際のお酒に換算すると、

  • ビールなら、男性は大瓶1本、女性は350ml缶1本
  • 日本酒なら、男性は約1合、女性はその半分

となります。

お酒は薬の代わりにはならない

しかし、血行を促進し、活力を与える効果を期待するなら、ほかにも漢方の生薬などいろいろあるでしょう。発ガンのリスクを伴ってまでお酒で気付けする必要はありません。

少量で止まらなかった場合は、逆に心臓に負担をかけるものになってしまいます。

また、お酒にはアルコール以外にも糖質やプリン体など、成人病を助長しそうなものもたくさん含まれています。

薬の代わりにお酒を飲むというのは、のん兵衛のいいわけに過ぎないのかもしれません。もともと分解酵素の働きが弱いタイプの人ならなおのこと、無理して飲むほど「からだにいい」理由はありません。

日本人の2人に1人はガンになる時代です。少しでもガンの発生を抑えるためには、予防できるところはとことん予防する以外に対策はありません。メンタル面を充足させるための嗜好品は、まったく必要ないとはいえませんが、飲酒量は、減らせるものならできるだけ減らすことが、長生きのためにはやっぱり大事なんです。

でも、飲んじゃうんだけどね・・・・人間てしょうがないなぁ。

まさケロンのひとこと

カラダには悪いお酒だけど、精神にどういった影響を及ぼしてるのかっていうのも大事なポイントだよね。それで結局は「飲まないよりも飲んだほうが良かった」ってこともあるかもしれないし、簡単じゃないとは思うんだ〜。でも飲み過ぎは駄目!!

masakeron-oko


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。