神秘・謎

ポーランド「歪んだ森」が消滅しそう。神秘の森の謎は解けるか?

歪んだ木
Written by すずき大和

世界には、自然の作った壮大な風景もありますが、人工的に作られたと思われるものの、

「いったい誰がどうしてこんなものを・・・」

と、その作られた過程が謎に包まれた遺跡や遺物もたくさんあります。

ポーランドの北西部、グリフィノと呼ばれる町の近郊にある国有林の中に、

“ほぼすべての木が根元から、ぐにゃりと北の方向に曲がったアカマツの森”

があります。

人工的に植林された森ですが、

  • なぜこんな森が作られたのか
  • どうやって作ったのか

記録がなく、今もよくわからない謎の遺物として、近年ミステリーファンやパワースポットマニアの人たちの間で人気です。



スポンサーリンク

ポーランドの歪んだ森

同じ形にぐにゃりと曲がった木が整然と並ぶ風景

その森は、ドイツとの国境近い国有林が広がる一帯の中にあります。人工植樹されたアカマツ林の中、約0.3ヘクタールの範囲だけ、すべての木がまっすぐ上に伸びずに、根元近くから一度水平に北の方向に向けて伸び、大きくカーブして再び上方向に伸びています。


最初に森の植林が行われたのは、第二次大戦前の1934年頃と見られていますが、大戦後、ドイツ領からポーランド領に移管する時、ドイツの資料も住民の資料も失われたため、どこにも伝承されず、今となっては、真相は誰にもわからない状況です。

何やら不気味な風景にも見えますが、地元では「童話の森」と呼ばれ、子どもたちには心安らぐ遊び場となっているようです。

木を曲げた目的はドイツの歴史の闇の中にあるのか

戦時中に何かが行われていたとしても、ドイツ国内に関係者だって生きていただろうに、なぜ全く真相がわからないのか不思議に思うかもしれません。

が、第二次大戦中のドイツはナチスの支配下にあり、ナチスは秘密裡に本当に多くの科学実験・研究を行っていました。多くは兵器や支配を促進するために活用されるテクノロジーの開発を目的としていました。

戦後、関係者の多くが記録を破棄し、証拠を封印し、口をつぐんでしまっただろうということは、想像に難くありません。そんなどさくさの中で、この森に関する情報も埋もれてしまったと思われます。

2011年、グリフィノから南に250kmいった森にも、同じように根元が同一方向に湾曲したアカマツの群生地が発見されました。誰かがアカマツで何かを試していたのは確かなようです。

もしかしたら、政治や国とは全然関係ないことだったのかもしれないけれど、

もしかしたら、何かおどろおどろしいナチスの計画の残骸なのかもしれません。

神秘の森の誕生の過程の仮説

クリスマスツリー説

何かが行われたのは、戦後20年近くたってから、という仮説もあります。

ドイツの地理学者『ハインツ・ニーマン』氏による説では、

「60年代にポーランドでクリスマスツリー用のモミの木が不足した」

という事実があり、その代用としてアカマツを使おうとして、

「伐採後の切り株の横から出た芽のひとつだけを早く育てる実験をしたのではないか」

と、憶測しています。

ニーマン氏は、成長のしくみについては

  1. 切り株の横から芽が出る
  2. 芽が太く成長して伸び、新たな幹になる
  3. 新たな幹自身の重みで一度たわみながら、再び上に向かって伸びる
  4. 切り株がやがて樹皮に覆われる

という過程を経てきたのではないかと仮説立てしています。


普通じゃない萌芽更新?

果たして枝の付き方がモミの木と全く異なるアカマツをクリスマスツリーにしようとするのか?という疑問は残りますが、成り立ちの

「切り株の横から出た芽が育って伸びた」説

には、説得力があります。実際に切り株の痕跡も確認できるそうです。

70年代にはすでに湾曲して伸びている森の写真が残っています。芽が10年以内にそこまで揃って成長したのであれば、幹が太くなるのが早すぎて重みを支えられず湾曲した、というのもわかる気がします。

切り株から発芽して新たな木が育つこと(「萌芽更新:ほうがこうしん」といいます)は、珍しいことではありません。普通は複数の芽が出て、細く垂直に伸びていきます。


萌芽を1本残して間引くと、本当にあんな形に育つものなのでしょうか?

結局湾曲してしまったので、クリスマスツリーにはせず放置された、ということ?

戦時中ではなく、60年代に行われたことなら、ポーランドになぜ記録がないのでしょう?

う~ん、謎です。

森消失の危機が近づいている

40年で1/4に激減している森

70年代の記録では、歪んだアカマツは400本ほどあったそうです。一本、また一本と徐々に枯れて倒れ、現在は100本にまで減ってきました。

本来アカマツは、100年程寿命がありますが、湾曲した木は早く痛んでしまうようです。残りの木も早ければあと数年で枯れると専門家は見ています。

歪んだ森は、2006年に地元行政区の「自然の記念碑」に制定され、保護が義務付けられました。

しかし、「手を加えず自然死するまで」という条件なので、謎が解明される前に消滅してしまう可能性も高いです。

森林管理局では、ニーマン氏の仮説に従って歪む過程を再現する実験も計画しているそうです。森が消える前に、謎が解けるといいですね。

まさケロンのひとこと

このカタチ、もうすこし太い木があったらそこで寝れそうだな〜。

masakeron-love


スポンサーリンク
Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+

あなたにオススメの記事

筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。