正月・年末年始 餅・餅つき

正月にお餅食べてます?お節料理食べない世代にも伝わるお雑煮

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Written by すずき大和

21世紀、「日本の伝統文化」といわれる風習の中には、時代の変化に合わせてどんどん形が変わったり、廃れてなくなったりしたものも数多くあります。

「お正月」に関する習慣も、既になくなったもの・なくなりそうなもの、ありますね。

最近では、年末の煤払い(すすはらい:大掃除のこと)は家庭や会社でいまだに健在のようですが、お飾りもしない、おせちも作らないまま新年を迎える一般家庭は珍しくなくなっています。

が、

「お正月にお節料理は食べないけれど、お餅は食べる」

という人はまだ多いようです。

そして、暮れの「餅つき」も、かつてのように家庭ごとに餅を作ることはなくなりましたが、商店街の年末商戦イベントや、幼稚園行事として取り入れられる機会は、近年増えてきているそうです。



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お正月ってなんでおめでたいの?

年越しは最大最重要な年中行事

かつて“年越し”にまつわる伝統行事は、12月13日の「煤払い」から、1月15日の「小正月」まで、ひと月以上にも及ぶ、一年で一番盛大で重要なイベントでした。

昔の人は、祖先の霊は田の神や山の神となって、子孫の繁栄を見守っており、正月には、「年神様」となって各家に戻ってきて、新たな年の幸せを授けてくれると考えていました。

お正月は、旧年の収穫に感謝して年神様をお迎えし、新たな年の家族の安全と豊作を祈るお祝いです。

すべての人の誕生日祝い

昔は、病気やケガ、飢饉や自然災害などで命を落とす人が今よりずっとたくさんいました。ことに、子供の生存率は厳しく、無事一年生き延び、新たな年を迎えられるということは、ほんとうに祝福すべきことでした。

年神様が授けてくれるのは新たな一年の幸福、一年の命、つまりは「歳」です。昔は、誕生日で年齢を数えるのではなく、無事年を越すことによって、すべての人はひとつ歳をとりました。

お正月は、いってみれば、すべての人の誕生日祝いみたいなものですから、物凄く力が入ったイベントになるわけです。

年の瀬に餅つきするのはなぜ?

鏡餅は神様の居場所

年末に餅つきをするのは、年神様をお迎えするための準備として、

  • 「鏡餅」をお供えする
  • 「雑煮」用の餅を用意する

ためでした。

「鏡餅」は、お正月の間年神様が宿る所なのです。

そして、人々も「雑煮」を作って餅を食べ、年神様のご利益にあやかりました。

お餅は神様の力の宿った、ハレの日の食べ物

弥生時代から稲作を始めた日本では、平安時代にはすでに身分の高い人の間で、餅を食べる文化が出来上がっていました。日常食ではなく、祝いの席で供されたり、配られたりしていました。

神様への供物の定番でもあり、神事や祭事でお餅を食べるのは、やはり供物を下げたものを食べてご利益にあやかる意味がありました。

社会が安定し、米の収穫も高まった江戸時代になると、庶民の間でも特別な時にお餅を食べる習慣が広まりました。

糯米(もちごめ)は、東洋医学では特別に栄養価の高い生薬です。稲作文化が社会の中心にあり、稲作信仰が深く根付く日本では、お餅は、神様の力が宿った特別な滋養食でもあったのです。

最近のお正月食事情

お節料理離れ

お正月のお節料理にも、一年の幸を祈ることの意味がいろいろ込められています。

  • 昔は、三が日はかまどの神様にお休みいただくため、
  • 昭和の頃は、お正月は店が休みで買い物ができないため、

「作り置きの保存食」

という意味合いもありました。

が、それ以上に、伝統的な行事食の文化を大切にする教えが、世代を超えて継承されていた部分が大きかったのです。

正月でも好きなものを自由に食べるのに不自由しない世の中になるにつれ、保存食の必要性が薄れ、お節料理を食べない家庭が増えてきました。そういう家庭では、伝統的な意味や文化について子供に伝えることも少ないです。

そのため、世代が若くなるほど、お節料理離れが高まっています。

統計によると、10~20代の約4割がお節料理を食べず、その理由のひとつは「親が作らない・食べないから」なんだそうです。彼らの多くは、

「保存食が必要ない現代、お節料理は廃れて当然」

「だって、作り置きの料理は美味しくないんだもん」


と、考えています。

餅が生き残っている理由

一方、お正月にお餅を食べる習慣は、若い世代にも根付いています。お餅の生産量や消費量は、ここ30年ほど落ちることなく、むしろ近年上がっています。

包装餅の種類別,年度別生産数量の推移


世帯主の年齢階級別一世帯当たり「もち」の購入数量


月別の消費量を見ても、全世代圧倒的に12月が高いので、若い世代もお正月用にお餅を買っていることがわかります。どうやら、鏡餅は飾らなくても、お雑煮は継承されているようです。

冷蔵庫から出したらすぐ食べられるお節料理は敬遠されるのに、正月から台所で調理しないと食べられないお雑煮が廃れない理由は、お節料理離れのアンケートから推測するに、

“あったかい出来立てを食べるお雑煮は、やっぱり「美味しい」から”

なのかな、と思われます。

餅つきも、出来立てですし、楽しいです。

旧来のお節料理でも、栗きんとんやかずの子、イクラなど、冷たくても美味しいものは「好き」と答える若者も多いそうです。やはり美味しいって大事ですね。

まさケロンのひとこと

できたてのお餅って美味しいよね〜。勢いあまって喉詰まらせないように注意!

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。