間もなく、暦の上では夏至を迎えます。
二十四節気のひとつ夏至は、太陽黄経が丁度90度になる瞬間が含まれる日、一般には
昼の長さが一年で一番長くなる日
です。
日本では、丁度梅雨の時季に当たるため、日照時間が一番長い時期とは一概に言えず
という感慨はそれほど感じることなく、なんとなく通りすぎてしまう一日だったりしています。
夏至は一番太陽が長く出ている日
太陽の高さと昼間の時間
夏至は太陽が天球上で最も北にくる日です。
北半球では、太陽の南中高度が最も高くなり、昼の長さが一番長くなります。
北緯35度(東京など)地点では、夏至の日の南中高度は78度です。
反対に冬至の日は32度しかなく、その差は46度にもなります。
太陽が見えている時間(昼間の時間)は、
夏至は14時間50分くらい
冬至は9時間45分くらいです。
約5時間も差があります。
高い角度から長時間日が当たれば、必然的に気温が高くなるわけで、この太陽の角度と出ている時間の差が、季節の違いを作っています。
夏至は盛夏ではなく、夏の始まり
夏至とは、
という意味です。
一年で一番高い角度から、一番長く日が当たる日であれば、当然気温も一番高い日になりそうです。
しかし、実際に最も暑くなるのは夏至から1か月も2か月もたったお盆の頃です。
梅雨のせいで、実際の日照時間が一番長いのは7月以降になるから、とも言えそうですが、梅雨のない北海道でもやはり7~8月が一番暑くなります。
また、反対に冬至の頃よりも1月の終わりから2月の初め頃が一番寒くなります。
どうしてなのでしょうか?
空気のベールの保温力が季節を1か月ずらす
気温が上がるしくみ
地球に太陽の光が当たると、空気ではなく地面がまず暖められます。
地表の温度が上がってくると、その熱が空気に伝わることで気温が上昇します。
地面も空気も、突然一気に温度が上がることはなく、日射によって少しずつ暖まっていきます。
この暖まるまでの時間の分、実際の気温のピークが後ろへずれます。
空気は地球を包む保温袋
一日の南中時刻は12時頃ですが、最高気温は1時間から1時間半後に観測されます。
同じように、夏至・冬至よりも後に暑さ・寒さのピークが訪れます。
地面と空気の保温力からいうと、だいたい1か月後がピークでしょうか。
夏至と暑さのピークの時間のずれのほうが、冬至から寒さのピークまでの時間よりやや長く、2か月後くらいが一番暑く感じます。
それは、前に書いた通り、梅雨の影響で日照時間が一番多くなる時期が夏至より遅れるためです。
日本より北にあり、夏と冬の昼間の時間の差が大きなヨーロッパでは、夏至の頃の日没は日本よりずっと遅く、昼間が本当に長く長く感じられます。
知人が集まりご馳走を食べたり、お祭をしたりして祝う国も多いです。
じめじめと厳しい夏を過ごしている日本人は、真夏がくることをお祝いする気持ちは、ちょっとピンとこないところもあります。
まあ、強いて言えば、真夏を迎えるにあたって、気合を入れる日、という感じでしょうか。
皆さん、いい夏迎えましょう!
夏至を過ぎてからが、夏本番やで!
梅雨が明けてから、暑い日が続くと思うから頑張りやぁ~