メディア・報道

デング熱報道から考える。テレビ局の情報操作とは?

Written by 言祝(kotoho)

報道に惑わされてはいけない。正しい知識を身につけよう

代々木公園と長袖

やっぱりだ。

筆者は思わずバッグに入れておいた長袖のシャツを羽織りました。

周囲を見渡せば、こころなしか長袖を着ている人が多いようにも見えます。

デング熱の話です。

筆者はテレビをほとんど見ません。

「倍返しだ!」

「じぇじぇじぇ」

これらも最初は全く意味が分かりませんでした。

だから先頃感染が懸念され、テレビなどで大きく扱われたデング熱についてはほとんど何も知りませんでした。

詳しくは分からないが感染すると発熱するウイルスが見つかった、程度の知識しか無く、しかも「デング」ではなく「テング」だと思っていました。

会社で欠勤した人のことを

「デングじゃない?」

などと冗談半分でみんなが話しているのを聞き、ネットで調べたところ、東京の代々木公園で蚊に刺された人がデング熱を発症したことをようやく知ったというわけなのです。

ご存じのようにデング熱はその後、千葉県、上野公園などでも感染例が見つかり、感染防止対策が待たれていますが、当初ほど報道などでも大きく扱われなくなったようです。

筆者は代々木公園など行ったこともないため、どちらかといえば他人事のようにとらえていました。

また、デング熱に関する報道についてもどことなく醒めた目で見ていました。

ところが先日、あるアーティストのLIVEが代々木第一体育館で開催されました。

代々木第一体育館といえば代々木公園の中にあります。

そうです。筆者ははからずもデング熱に感染するリスクのある場所に行かなければならなくなったのです。

家族にそのことを話すと

「長袖を持って行った方がいい」

とアドバイスを受けました。

正直ちょっと大げさではないかと思いました。代々木公園は最初にデング熱の感染が確認された場所です。

だから逆に安全だと考えたのです。

連日のように殺虫剤を散布する様子がテレビで紹介されていましたからデング熱の感染媒体である蚊の心配はないのではないかと軽く考えていました。

LIVE当日、会場に到着すると、デング熱に関して注意を促す看板が設置されていました。筆者は思わず用意していた長袖シャツを来てしまいました。



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報道を鵜呑みにしないことが大切

さて、話は大きく変わりますが、みなさんはニュース番組は事実を伝えていると思いますか?

ニュース番組というものは日本国内や世界で起こった出来事を伝える番組なのだから、事実を伝えることしかできないはずだと多くの人は考えることでしょう。

極端な例ですが、たとえば何も事件がなくて番組で伝えるべきニュースがない場合、テレビ局は殺人事件や交通事故をでっち上げるでしょうか?

もちろんそんなことはしません。

筆者は約10年間テレビ局のディレクターとして報道番組の制作に関わったことがあります。

テレビ局はニュースをでっち上げるということは絶対しません。

週刊誌を発行している出版社や新聞社については筆者は門外漢ですが、これらのメディアもテレビ局と同様にニュースをねつ造することはないでしょう。

でもニュース番組は事実を伝えていない場合もあるのです。

どういうことか?

それは情報操作です。

わかりやすく説明してみましょう。

たとえば、マンガは青少年の教育上、悪い影響を与えるので政府によって規制をかけることが議論されたとしましょう。

マンガは出版禁止という極端な規制が成立するかもしれないという議論です。

様々な識者がこの問題について様々な意見を発表します。

あるテレビ局が有名な漫画家に、この問題についてインタビューしたとします。

漫画家はインタビューに対し、

「表現の自由は当然守られるべきだ。わたしはこの規制には反対である。ただし、表現する側の責任というものもよく考える必要がある」

とコメントしたとします。

この漫画家は表現の自由は守られなければいけないが、表現する側も青少年に与える影響をよく考えないといけない、と語っているわけです。なかなか立派な意見だと思います。

ところが実際に放送で使われたのは

「わたしはこの規制に反対である」

というコメントだけだったら、視聴者はどう捉えるでしょうか?

「規制されたら、職を失うわけだから反対の立場をとるんだな」

「漫画が子供に与える影響など考えないというのか? 無責任だな」

そんな感想を持つことでしょう。この漫画家がコメントを通じて一番伝えたかったことは

「表現する側の責任というものをよく考える必要がある」

という部分です。この部分をカットしてしまったら漫画家の考えは視聴者には伝わりません。

これが情報操作です。この例はテクニックとしては基本中の基本であり、もしテレビ局が情報操作を行うとしたら、こんな単純な方法はいまどき使わないでしょう。実際にはもっと巧妙で複雑です。

誤解しないでほしいのはテレビ局が日常的に情報操作をしていると言いたいわけではありませんし、筆者がたずさわってきた報道番組で実際に情報操作が行われた例があったわけでもありません。

みなさんに知っておいてほしいのはメディアによる情報操作など実に簡単にできるということなのです。

そして民放ではニュース番組といえどスポンサーが付いています。

もしスポンサーがライバル会社の商品より自社の商品のほうが売れるようにしたいと考えたなら、そのように情報操作することは可能であるのです。

テレビ番組の情報を鵜呑みにしてはいけません。

正しい情報かどうかは自分で判断しよう

真実を見つける目

デング熱に関しては、こんなうわさがあります。

代々木公園で蚊に刺された人がデング熱に感染したというのはでっち上げである。

実は最近、反原発のかなり大規模なデモが代々木公園で行われる予定だったが、政府がそのデモを開催させないためにデング熱という嘘をでっち上げたのである。

これはあまりにも荒唐無稽すぎます。

筆者個人は根も葉もない単なるネット上のうわさだととらえています。

でも、情報操作を使えばこのような情報を国民の間にひろげることも可能なのです。

情報操作に振り回されないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

まずテレビの情報はすべて疑ってかかりましょう。

すべて嘘だと邪推するのではなく、本当にそうなのか、という疑問を持つことが大切です。

疑問に思ったことは自分で調べてみるといいでしょう。

調べるときはネットなどに頼らず、図書館で調べるのが理想的です。

過去に書かれた本のなかにはとてもためになる示唆に富んだ名著が数多くあります。

最近の本の中にも良いものがありますが、ほとんどが読者を一定の方向へ導こうとする意図が見え見えです。

子供向けにかかれたものはとても参考になると思います。

ただし知識を積めすぎないようにしましょう。

知識がある人ほど情報操作に引っかかりやすいようです。歴史を学ぶのも良い方法だと思います。

心で見よう

ものごとを頭ではなく心で考えてみることが情報操作に引っかからない最善の方法といえるのではないでしょうか?

あまりにも漠然としていて恐縮ですが、こころのアンテナを育てていくのです。

感性とかセンスと言い変えてもいいかもしれません。

心で見れば悪意の込められた情報かどうか、見分けがつくのではないでしょうか。

まさケロンのひとこと

まさケロンも「こころのアンテナ」を育てていきたいな。そのためにはどうしたらいいだろうか~・・・。

「疑う」っていうのはちょっと違う気がするし、

  • 「どうしてそうなったのか」
  • 「どうしてそんなことをいうのか」

物事の「本質」を考える癖をつけるのがいいのかな~。難しい!!

masakeron-sorrow


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筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」