ハロウィン

ハロウィンのカボチャの怖い秘密~煉獄をさまよう鬼火伝説

Written by すずき大和

もうすぐハロウィン、町の中にはカボチャやコウモリのディスプレイが溢れています。

アメリカのハロウィンでは、何か不気味な感じの仮装をするのが定番ですが、日本の仮装イベントでは、お姫様やアニメキャラのコスプレなど、仮装ならなんでもアリな感じですね。

おどろおどろしい顔にくり抜いたオレンジ色のカボチャの提灯が、ハロウィンのシンボルマークのようになっています。

「ジャック・オー・ランタン」

と呼ばれるあのカボチャ、その“いわれ”となる伝説があるんだそうです。



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カボチャは何のために飾るの?

ハロウィンは霊界の扉が開く時期

西洋人に日本のお盆の説明をする時に、「ハロウィンみたいなもの」というとわかりやすい、とよく言われます。

日本のお盆は「地獄の釜の蓋が開く」時期であり、祖先の霊がそこから出てきて子孫の家に帰ってくることになっています。

ハロウィンは、「霊界と現世を隔てている扉が開く」時期だと言われています。

但し、日本と違って、そこから出て来るのは祖先の霊ではなく、霊界をさまよっている悪い霊の類です。

扉が開くと、沢山の魑魅魍魎[ちみもうりょう]が出てきて今度は地上をさまよいます。

そういう悪い霊に憑りつかれないように、魔除けとして家の入口にカボチャの提灯を飾る、ということになっています。

おっかない顔は、悪霊を追い返すためなんですね。

初めはサウィン祭のカブの提灯でした

ハロウィンは、イギリス北部(アイルランド近辺)に住んでいた古代ケルト民族の新年を祝う「サウィン祭」が起源です。

ケルトでは10月31日の日没から新年になります。人々は悪霊に憑りつかれないよう、自分は人間ではなく悪霊の仲間だと勘違いさせるため、不気味な仮面を被って変装したそうです。それが後々仮装の習慣へと発展していきます。

ジャック・オー・ランタン(イギリスではジャックランタンまたはジャッコランタンと呼ぶことも)は、アイルランドやスコットランドに伝わる鬼火の伝説です。

直訳すると「提灯男」でしょうか。

墓場に漂う鬼火は、カブをくり抜いた提灯を手に、この世をさまよい続けている男の浮遊霊と言われています。

もともとはこの幽霊に扮する仮装みたいな意味からカブの提灯も飾られました。

ジャックランタンの伝説

提灯男はなぜさまよっているのか

ジャックランタンの正体については、生前にあまりにも堕落した人生を送ったため、死んだ後に死後の世界へ立ち入ることを拒否された男だと言われています。

ケルトの信仰では、死後の魂はまた生まれ変わってこの世に帰る輪廻転生の死生観を持っていました。

生前に悪いことをすると、なかなか生まれ変わらせてもらえず、死後の世界の中に閉じ込められ続けます。

それが悪霊であり、扉が開くとこの世に戻りたくてさまよい出てきてしまうのです。

ジャックは、閉じ込められるどころか、入ることも拒否された、つまり絶対に生まれ変わることを許されないくらい悪い奴だったんですね。

死後の世界から追い返されたジャックを哀れに思った門番が、赤く燃える石炭を一個投げてやります。

ジャックは道端に落ちていたしなびたカブをくり抜いて石炭を入れ、提灯にしました。以後、暗闇の中をその提灯の明かりをたよりに、ずっとさまよっているのです。

キリスト教と結びついた伝説

中世のヨーロッパでは、各地の土着宗教がローマの侵攻と共に次々キリスト教へと改宗されていきます。

ただ、民族風習として長く根付いた祭文化などは、キリスト教とうまく習合されて残されることが多く、サウィン祭の風習もキリスト教の万聖節(亡き聖人の魂を讃える祭)の中に取り込まれます。

11月1日の聖人の日(オール・ハロウ)の前夜祭として「ハロウズイヴ」と呼ばれ、それが「ハロウィン」に変化しました。

キリスト教では死者は天国か地獄へ行くので、鬼火の伝説にもキリスト教的な解釈のバージョンが出てきます。

有名なものがふたつあり今に伝わっています。

生前、魂を奪いにきた悪魔を騙して地獄には絶対落ちないと約束させますが、悪行がすぎて天国に行けなかった男は、結局行き場を無くしてさまよう

という説がひとつ。

悪人だった男が死んだ時、天国の門番のペテロを騙して一度生き返りますが、やはり悪人の人生を改めなかったため、二度目に死んだ時に、怒ったペテロから地獄にも天国にも入れずに永遠に煉獄をさまよう罰を与えられた

というのがもうひとつの説です。

ペテロ説では、男の名前は「ウィル」となっており、この鬼火伝説は「ウィル・オ・ウィスプ」と呼ばれています。

15世紀、アメリカ大陸が発見され、スコットランドやアイルランドからの移民によってハロウィンもアメリカに伝わります。

そこではカブがカボチャに変わり、鬼火伝説の名称がそのままカボチャ提灯を意味することになっていきます。

ユーモラスでちょっと可愛らしいシンボルになっているハロウィンのカボチャ。実はそんな悪人の男の怨霊が籠っているものだったとは・・・・ちょっとおっかないですね。

まさケロンのひとこと

今年はまさケロン・オー・ランタン(ランタン持ちのまさケロン)が猛威をふるうよ。

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。