美容院や床屋さんでシャンプーしてもらう時、必ず
「かゆいところはありませんか?」
と聞かれます。
あれは何も“気持ちよくしてあげよう”というサービス精神だけでいっているのではなく、
“かゆみは髪の毛と頭皮の健康を保つために重要な情報”
であることを、美容師さんや理容師さんはよくわかっているのです。
“かゆみは頭皮にトラブルがあることを示すサイン”です。
抜け毛・薄毛、髪のパサつきや癖毛など、髪のトラブルの原因は頭皮の状態の不健康にあります。よりよいヘアケアのためには、まず正しいスカルプ(頭皮)ケアが欠かせません。
健全な頭皮と皮脂とホルモンの関係
男性がハゲるのは男性ホルモンのせい?
加齢に伴って、薄毛や髪質の変化が気になってくるのは、男性も女性も一緒です。40代後半以降なると、髪のはりやツヤがなくなって、髪の毛1本1本も細くなり、抜け毛が増えます。
ただ、おでこ部分がM字型に後退していく、または頭頂部が円形にハゲていくのは、男性に特徴的な症状です。
「男性型脱毛症」
と呼ばれるこれらの症状は、男性ホルモンと、男性のおでこの生え際や頭頂部から多く分泌される酵素と結びついてできる
「ジヒドロテストステロン」
という物質が、毛髪の成長を抑え込んでしまう働きをするために起きます。
男性ホルモンが多いと皮脂の分泌量が増える
では、加齢による抜け毛やパサつきと男性ホルモンは関係ないのか、というと、完全にそういうわけでもありません。
男性ホルモンは、皮脂の分泌を促す働きがあります。男性が女性より肌が脂っぽいのはそのためです。女性でも、脂性の人は男性ホルモンの分泌が比較的多いそうです。
皮脂の分泌が過剰になって頭皮がベタベタしてくると、
- 毛穴に皮脂が詰まって呼吸が妨げられる
- 頭皮に汚れ(刺激物)が付きやすくなる
- 皮脂を餌にしたカビなどの菌が繁殖しやすくなる
など、頭皮に余計なストレスがかかるようになります。
↓
血行が悪いと髪の毛に十分な水分や栄養がいかなくなります。
↓
必要な養分が足りないと髪の毛は弱り、抜け毛も増えます。
というわけで、男性ホルモンの多少も含め、皮脂の多少は、抜け毛等のリスクと関係しています。
スカルプケアとは、皮脂の状態を健全に保つこと
髪の健康のためには、皮脂を徹底的に洗い落とすべきか
ベタベタにする前に、マメに洗髪して、頭皮を綺麗に保つことは、健康な髪を長く保つためには大切です。
が、しかし、強い洗浄力のあるシャンプーでゴシゴシ洗って、毛穴の中まできれいさっぱり皮脂を除去してしまうほうがいいのか?というとそれは大きな間違いです。
男性用と書かれたシャンプーや、汚れ落ちやフケ防止を謳った商品の中には、強い洗浄成分の入ったものが多くあります。が、それは頭皮や髪を逆に傷め、結果的に抜け毛も促進することに繋がります。
皮脂にはからだを守る大切な役割がある
皮膚が自分で皮脂を分泌するのは、皮脂が必要だからに他なりません。皮脂は
- 皮膚表面を紫外線などの刺激から守る
- 皮膚表面から水分が乾燥していくのを防ぐ
- 髪の毛の表面を覆って、キューティクルを保護する
という重要な役目も負っています。
皮膚の乾燥を察知すると、からだは皮脂の分泌を高めます。頭皮の皮脂を取りすぎると、直後に大量に皮脂が分泌され、逆にベトベトや毛穴詰まりを促進してしまいます。
これは、顔の表面でも同じです。クリームなどで保湿することなく、放ったらかすと、たくさん皮脂が出てテカテカになってしまいます。顔と頭部は繋がっているので、顔がテカテカになる時は、頭皮もベタベタになる傾向があります。
スカルプケアで大切なのは、頭皮の皮脂を残し過ぎず、取りすぎず、適度に保つようケアしていくことです。
洗髪の時のスカルプケアポイント
洗わず放置しない
洗い過ぎはいけないからといって、シャンプーの回数を減らすのは逆効果です。前述の通り、皮脂や汚れが頭皮を覆ってしまう状態はNGです。
皮脂が出やすい男性や、ヘアスタイリング剤を使用する人、乾燥して顔がテカりがちな季節などは、ぜひ毎日洗髪してください。
髪のダメージ回復が活発に行われる時間は夜11時~1時といわれています。この時頭皮のストレスを解消しておくことが大切なので、朝シャンより寝る前に洗うほうが望ましいといえます。
洗浄力の弱いシャンプーで、やさしくマッサージ
頭皮に優しいシャンプーは、汚れ落ち力は弱いです。ちゃっちゃと簡単に泡立てるだけでは、汚れや毛穴の皮脂が洗い残ります。だからといってゴシゴシとこすると、それこそ頭皮や髪の表面を傷めます。
指の腹で優しくマッサージするように、ゆっくり時間をかけて、頭皮全体をくまなく丁寧に洗うことが大切です。すすぎは、熱すぎないシャワーで、後頭部から前にむかってしっかり流すようにすると、すすぎ残しを防ぎ、血行も促進します。
洗った後は自然乾燥に任せると、頭皮が乾ききらず、菌の繁殖など招きます。ドライヤーで頭皮までちゃんと乾かし、ブラッシングしてから休みましょう。
正しいスカルプケアができていると、過度なベタベタやかゆみがなくなってきます。一生付き合う大事な髪の毛、愛情もって優しく丁寧にケアして、いつまでも美しく豊かな髪を保つよう頑張りましょう。
さて、まさケロンもこのふさふさ髪の毛をケアしていこかな。