日本の食文化の一つとして独自に発展し続けている
「和菓子」。
茶道など、伝統行事には欠かせません。また、四季を感じることができる繊細で美しい菓子です。
- お葬式のときには上用(じょうよう)まんじゅう
- めでたい行事には紅白まんじゅう
など、私たちの日常にしっかりと根づいた、世界に誇れる日本の食文化のひとつです。
一年中ある和菓子の日
たとえば、3月10日はミントの日だったり、水戸の日だったり。このように、◯◯の日という記念日は一年中ありますよね。
同じように、「和菓子の日」も一年中あります。ですが、どうしてその日が和菓子の日になったのか、理由を調べてみると、いろいろなことがわかってきます。
記念日が年に一度の和菓子
4月4日:「どら焼きの日」
4と4を合わせたしあわせ(4合わせ)の日を、どら焼き(どらやき)を食べてみんながしあわせになって欲しいという願いを込めて、丸京製菓が提唱し、日本記念日協会の認定を受けました。(引用:菓子庵 丸京 (丸京製菓株式会社))
4月4日は、しあわせ(4合わせ)の日。3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句のちょうど間にあることから、
「女の子と男の子の両方に、誰からも愛される幸せを運ぶお菓子」
という意味だそうです。
6月16日:「和菓子の日」
西暦848年の6月16日。仁明天皇が御神託に基づいて16個のお菓子やお餅などを神前におそなえし、疫病(えきびょう)を除け、国家の健康招福(けんこうしょうふく)を祈願したことが始まりです。
このことから、旧暦の6月16日は「嘉祥の日(がじょうのひ)」と呼ばれるようになり、その日は和菓子を食べるという行事が明治時代まで続いていました。
それを現代に復活させたのが「和菓子の日」です。
6月30日:「夏越大祓(京都限定)」
なごしのおおはらえ、と読みます。大祓(おおはらえ)とは、年に2回、6月と12月に行われる神事です。半年間の罪・穢(けがれ)を祓(はら)い清め、次の半年を無病息災に過ごせるよう祈願します。
これに合わせて京都では、毎年6月30日になると、
「水無月(みなづき)」
というお菓子を食べます。水無月とは、旧暦の6月のことです。白いういろうを三角形に切ったものの上に、小豆がのっています。三角形にカットされているのは、三角形が氷を表しているからです。そして、小豆には厄払い(やくばらい)の意味があります。
9月9日:「栗きんとんの日」
これは、山の幸である山栗に恵まれた岐阜県中津川市が
「栗きんとん発祥の地」
であることから制定した記念日です。毎年9月9日の重陽の節句(9が重なることから非常にめでたい日とされていた)には碑の前で神事が行われ、なんと、栗きんとんの無料配布が行われています!
10月31日:「ぜんざいの日」
出雲ぜんざい学会が制定しました。
ぜんざいは、出雲地方の「神在(じんざい)餅」に起因しています。(中略)
そのお祭りの折に振る舞われたのが「神在(じんざい)餅」です。その「じんざい」が、出雲弁(ズーズー弁)で訛って「ずんざい」、さらには「ぜんざい」となって、京都に伝わったと言われています。(引用:出雲ぜんざい学会)
ぜんざいの発祥が島根県とは知りませんでしたよね。こちらはぜんざい新聞やオリジナルのCDをリリースされて、日本中にぜんざいをアピールされています。
記念日が毎月ある和菓子
毎月1日:「小豆の日」
肉まん、あんまん、そしてあずきバーでおなじみの井村屋グループが、
「あずきのお菓子をPRをするために制定」
しました。実際に毎月1日には小豆をを食べる風習があったのが由来です。
毎月3、4、5日:「みたらし団子の日」
みたらしだんごを手軽なおやつとしてもっと食べてもらうのが目的。
制定したのは、なんと「山崎パン」です!コンビニエンスストアやスーパーのパンコーナーのすぐ近くに和菓子コーナーがあるのも納得ですね。
3、4、5日は「み」たら「し」だん「ご」のごろ合わせでしょうか?
こうしてまとめてみると、一つ一つの和菓子に歴史がありますね。栗きんとんの日からは、日本の豊かな自然とそこから生まれたお菓子ということがわかりますし、ぜんざいが、ズーズー弁が語源というのは驚きです。
そんな風にお菓子を食べながら日本の四季、文化を味わえるのが和菓子のすばらしいところではないでしょうか。
和菓子はヘルシーだから、和菓子の日はいつもの洋菓子じゃなくて和菓子にしてみよっかなー!