人類最古の酒は蜂蜜酒
「蜂蜜酒(はちみつしゅ)」は蜂蜜から作られるアルコール飲料で、英語では「mead(ミード)」と呼ばれています。
欧米では作り方がワインに似ているので「ハニーワイン」と呼ばれることもありますが、ワインよりも歴史が古く、一万年以上前からあった、人類最古のお酒です。
現代ではビールやワインに押され、あまり一般的ではありませんが、ロシアや東欧、アフリカや中米と、世界中で飲まれている醸造酒です。
世界最古の秘密
蜂蜜酒は、熊に荒らされて壊れた蜂蜜の巣にたまっていた雨水を飲んだのが始まりと言われています。
蜂蜜と人類の歴史は大変に古く、紀元前15世紀のエジプトの遺跡の壁画には、養蜂の様子が描かれていたほどです。
蜂蜜酒の製法は
「蜂蜜を水に溶かすだけ」
と、とても簡単なため、新石器時代から作られていました。
蜂蜜酒の作り方
- 蜂蜜を水で2~3倍に薄めます。蜂蜜はそのままだと発酵しませんが、水で薄めることで糖分の濃度が下がり、自動的に発酵が始まります。
- そのまま、夏場だと2~3日、冬場だと1週間発酵させます。
ただし!製法が簡単だからといって、日本で蜂蜜酒を自家醸造すると、「酒税法違反」になります。製造するだけでも5年以下の懲役か、50万円以下の罰金です。
インターネットでレシピが公開されていたり、ミードを作る機械が販売されていますが、「アルコール度数は1%未満でなければならない」と、厳しい規則があります。梅酒のように気軽に作ったりしないでくださいね。
蜂蜜酒の効能
蜂蜜酒は蜂蜜の長所をそのまま残していて、「疲労回復」に効果があります。
ビタミンとミネラルが豊富で「貧血」に効果があり、
保湿成分による「美肌効果」で女性にもおすすめです。
「抗菌作用」で開栓後は味が落ちにくく、腐りにくいです。
蜂蜜酒ってどんな味?
現在販売されている蜂蜜酒は甘味が強いものが多いです。その甘さのため、一度にたくさんは飲めないので、飲み過ぎることがありません。
蜂蜜にふくまれる果糖が消化によく、アルコールの消化を助けるため、ゆっくりと楽しむことができます。
「ナイトキャップ」といって、ベッドに入る前に軽くいっぱい飲むのもおすすめです。
蜂蜜酒はハネムーンの語源
蜜月は蜂蜜酒から
新婚旅行をハネムーン、もしくは蜜月といいますが、ハネムーンの語源は蜂蜜酒からです。古代から中世にかけてのヨーロッパでは、
- 蜂蜜には精力増強と強壮効果があると信じられていた
- ミツバチの多産にあやかった
という理由で、蜂蜜酒が飲まれたそうです。新婦は家にこもったまま1カ月間蜂蜜酒を作り続け、夫に飲ませたそうです。
このことから、
蜂蜜の一カ月 → 蜜月(ハニームーン)
という言葉が生まれました。
現代のハネムーンは、結婚式のあと、数日間旅行しながら2人だけの休暇を楽しむものですが、当時は家の中で新婦が蜂蜜酒を作っていたんですね。
蜂蜜とジューン・ブライド
ジューン・ブライドとは、西洋で6月に結婚した花嫁は幸せになれる、という民間伝承です。当時のヨーロッパでは、3月から5月にかけては農作業がとても忙しく、その作業が落ち着くのが6月だったため、
- 6月に結婚式がたくさん行われた
- 同じ頃に、蜜蜂の巣が蜜でいっぱいになった
ことから、その時に採れた蜂蜜で、新婦が「蜂蜜酒」を作りました。
ジューン・ブライドの語源は他にもあって、6月が結婚と女性の守護神であるローマ神話のユノー=ヘラ女神の月で、結婚と結婚生活の女神に祝福され幸せになれるから、という説もあります。
どちらが語源かは定かではありませんが、人類と蜂蜜の歴史の長さと関係の深さが伺えるエピソードですね。
蜂蜜酒(はちみつしゅ)ってすごく綺麗な色してるんだよね~。まさケロンは見てるだけでも満足し、、いや、やっぱ飲みたいな。