そろそろ対応してもいいんじゃない?
少額硬貨に活躍の場を
1989年4月に導入された消費税。段階的に税率が引き上げられて、いまや8パーセント。
そのためでしょうか、財布の中にやたらと1円玉や5円玉の少額硬貨が増えてきました。
少額硬貨とはいえ、これも立派なお金です。1円を笑うものは、1円に泣く、2000円のものを買おうとしても1999円しか持っていなければ手に入れることが出来ません。
「いいですよ、1円ぐらい」
なんて言ってオマケしてくれるショップなんてないですよね。
まあ、消費税導入のおかげで、少額硬貨も活躍の場を得たわけです。
自販機未対応のために泣く
先日、缶コーヒーを自販機で購入しようとしました。
小銭入れを見ると100円玉1枚に10円玉が2枚、5円玉が2枚、計130円です。
しかし筆者はコーヒーを飲むことが出来ませんでした。
もう、おわかりですね。
「5円玉が自販機で使えなかったから」です。
それでちょっと疑問に思ったんですが、なぜ未だに自販機では1円玉、5円玉は未対応なのでしょうか?
けっこう流通してると思うんですよね、少額硬貨って。
これは自販機メーカーの少額硬貨に対する偏見からなのでしょうか、1円玉や5円玉なんかいちいち相手にしていられないということなのでしょうか?
調べてみることにしましょう。
少額硬貨未対応は自販機の宿命と関係していた
技術的には可能
調べてみて分かったことはまず「技術的には可能である」ということ。
皆さんスーパーなどでたまに見かけるセルフレジをご存じですか?
利用者が自分で商品のバーコードを読み込ませて、精算するという無人のレジです。
セルフレジは1円玉、5円玉に対応しています。
自販機もその気になれば対応可能なのだそうです。
ではなぜ対応させないのでしょうか?
スペースの制約のため
少額硬貨を対応させないのは「省スペースを実現させる為」なのだそうです。
1円玉、5円玉を利用可能とするためにはこれらの硬貨を保管しておくスペースが自販機内に必要になってきます。その場所を確保しなければなりません。
普段利用するときにはあまり意識しませんが、自販機メーカーにとって省スペースはとても重要なのだそうです。
商品を保管しておくスペース、100円、10円などの硬貨を保管しておくスペースをいかに小さなサイズで確保するかが大きな課題となっています。
たまに繁華街などでかなり大きな自販機をみかけることがありますが、基本自販機は出来るだけ小さいサイズで設計するの理想なのだそうです。
空いているスペースに設置して利益を得るのが自販機のコンセプトなので、なるほど省スペース優先はよく理解できます。
省スペースを犠牲にしてまで少額硬貨に対応させるメリットがあるのか、仮に対応させたとしても1円玉、5円玉の使用頻度は低いのではないかというメーカーの判断によって、未だに対応していないということでした。
がんばれ少額硬貨
少額硬貨コミュニケーション
自販機が少額硬貨に対応していない理由が明らかになったところで、考えるのですが、お店で1円玉や5円玉を多数支払うときに、
「細かくてすみません」
なんて謙遜してしまうことってあると思います。
お店の人も、
「いいえ、大丈夫です」
なんて言いながら、数を数えたりする。筆者はこれを「少額硬貨コミュニケーション」と密かに呼んでいます。
なんとなく人間味があっていい感じがします。
考えてみると自販機には対応していないものの、1円玉、5円玉にはそれぞれ個性があるのかなって思いますよ。
初詣などのお賽銭では大活躍しますからね。
技術的には可能なんだけど、スペース節約のために1円玉と5円玉は仲間はずれになっちゃってるんだね。
完全電子化にしちゃえば、自動販売機はもっとコンパクトになるのかな?