救急車を呼んでいい基準ってけっこう微妙だったりする
どうして救急車で来なかったんですか?
「どうして救急車で来なかったんですか?」と看護師さんに怒られたことがあるんです。
もう十数年以上も前のことです。
妊娠中の妻が出血しました。
結果から先にいうと、お腹の子どもも、妻も無事で済んだのですが、そのときに看護師さんに怒られたんです。
けっこう真顔で注意されました。
軽症でありながら、救急車を呼んでしまう「救急車のタクシー化」は当時から問題になっていました。
だから、私たちは救急車を使わなかったのです。
そのときは確か、救急車は本人が自力で動けないときに使うものだ、と判断したのだと思います。
いま考えれば、妊婦が出血するということはとても深刻な状態です。
無事で済んだから良かったようなものの、改めて思い出すと、ちょっと考えすぎたなあと思います。
をキーワードにネット上を調べてみると、上記のような軽度の症状で救急車を呼んでしまう人もいるそうです。
軽度の症状で救急車を使うことで発生する問題は、本当に重症な患者の搬送に大きな影響が出てしまうことです。
はっきりとした基準がないことが問題なのでは?
救急車を文字通りタクシー代わりに使ってしまうのは考えものですが、「軽度の症状」については人それぞれで判断が変わってくるのではないでしょうか?
たとえば会社を休む理由として、多少の熱なら休まず出社する人と、大事をとって休んでしまう人もいます。
救急車の利用とは比較にならないかもしれませんが、自分の身体の状態は人それぞれ捉え方がちがいます。
「救急車のタクシー化」については悪意からくるものは少ないのではないか、注意されてはじめて「救急車を呼ぶほどではなかったんだ」と気がつく、というパターンって多いような気がします。
近い将来、日本でも救急車が有料化されるかもしれない
苦肉の策?
とはいえ、救急車は緊急時に使用するもの、軽症の患者のための出動が重症の、命に関わる患者の搬送に影響を与えてしまってはやはり問題になります。
つい最近、財務省の諮問機関が「日本でも救急車を有料化すべきではないか」との見解を打ち出しました。
現段階ではあくまでもひとつの意見としてであり、今すぐどうなるというものではありません。
慎重に検討すべき、との見解を示している関係者も多いと聞きます。具体化すれば反発は免れないでしょう。
このニュースをきっかけとしていろいろと調べたのですが、海外では救急車が有料化されている国もあるんですね。
たとえば、フランス。重症患者以外の利用は30分で、日本円にして3万円以上かかるというのだから驚きです。
有料の救急車、利用しますか?
仮に日本でも有料化されたとして、フランスと同じような金額がかかるとしたら、皆さんは救急車を利用しますか?
難しいところです。命に関わるようであればお金のことなんか気にしてはいられないでしょうし、「タクシー化」の抑止力にはなると思うんです。
でもちょっと淋しいですよね。モラルが守られないから、お金を取る、という発想。
仕方がないところまできている問題なのかもしれません。
でも一人ひとりがよく考えることで、改善されるかもしれない問題だと、強く思うのです。
有料化することでほかのところにお金が使えるって考えたら、それもありかも?
でも、いざというときに気軽に利用できるものであってほしいもんね。