ロンドンのタクシーといえば、丸っこいフォルムのブラック・カブですね。クラシカルな車体が伝統のある街並みにぴったりで、それだけで一枚の絵葉書のようです。
女性による女性のためのタクシー
そんなロンドンで、ピンク色のタクシーが運行されているそうです!その名もピンクレディー・タクシー(Pink Ladies Taxi)!
ピンクレディーと呼ばれる女性ドライバーが、女性だけを乗せるというのがこのタクシー会社の特徴です。ピンクのタクシーと聞いてちょっとエッチな想像をしたりしませんでしたか?ピンクでそういうものをイメージするのは日本だけで、欧米ではその場合は「ブルー」が使われます。
なぜロンドンで女性だけのタクシー会社ができたの?
タクシー・ドライバーになるためには全ての通りや交差点を暗記し、何年もかけて試験を受けなくてはならないロンドンのタクシー。もちろん、サービスは世界で最高の水準を誇ります。
ですが、
ロンドンでは近年運転手からの暴力事件が多発しています。
(be a londoner.comより)
なぜ、高いサービスとGPS(衛星利用測位システム)並の精度を誇るロンドンのタクシーでこのような事件が起こるのでしょう?理由は、タクシー・ドライバーのライセンスを持たない、無資格のドライバーによるものです。
そこで、母親でもある2人の女性が女性の安全のために、2005年にPink Ladies Cab(ピンク・レディー・カブ)会社をつくりました。ピンクのタクシーは女性によって運転されて、女性から料金をとるだけです。女性ドライバー全員が、更なる安心のために護身術の訓練も受けています!(be a londoner.comより)
昨今ではテロが心配されているロンドンですが、基本的には日本と同じように治安もよく、深夜、一人で歩く女性も珍しくはありません。(※かと言って、深夜の一人歩きはどこの国でも危険が伴いますのでご注意ください)クラブで深夜まで過ごし、タクシーに乗って帰ろうとしたら違法ドライバーで怖い思いをした、そんなトラブルが多いようです。
そんな時に、女性ドライバーのタクシーでしたら安心ですよね。護身術まで習ってるとなると、ちょっぴり頼もしくもあります。
サービスは女性客を運ぶだけではありません。
Pink Ladies Cab会社は、女性客を乗せて運ぶだけではありません。中でも目を引くのが
“a Buddie Service(バディサービス)”
と呼ばれる付き添いサービスです。
付き添いサービス
- 付き添いサービス
- 簡単なガーデニング
- 買い物
- 子守
- 犬の散歩
- もしくは、単なる交遊
初老の両親を毎日センターに連れて行かないといけない、子どもを学校に連れて行かなければならいなど、女性のみならず、女性が世話をしなくてはいけないお年寄りや子どもの付き添いもしてくれるそうです。また、障がいがある男性もピンク・レディー・タクシーを利用できます。車いすやベビーカーもサポート。女性ならではの細やかなサービスですね。
安全第一!
企業としてのポリシーとして、乗客が乗車し、安全を確認するまで決して車をスタートさせません!とあって、安全に気を配る姿勢も共感できます。
さらにおトク!
クーポン会社や割引サービスと連携していて、女性にうれしいショッピングや他のサービスのおトク情報も受け取れます。保険やダイエットなど、手広いサービスを展開しています。
気になる利用料金は?
具体的に何マイル走るといくらかかる、お年寄りの送迎がいくら、とはWebサイトには書かれていませんが、年会費を10ポンド(2016年2月のレートで1600円ほど)払い、利用するごとに運賃やサービス料を支払うようです。
また、申込時に、10%おトクな200ポンド分の回数券も販売しており、
これは、100ポンドのドレスを買って、10ポンド節約したのと同じことです。
というたとえが、女性らしくて心にくいです。日本にも同じようなサービスはたくさんあるのでしょうが、介護を前面に打ち出したものが多いように思います。こんな風に女性の手助けになって、さらに女性を楽しませてくれるサービスがあったらいいな、と思いました。
「安心できる」って実はすっごく価値のあることだよね。