政治・経済

政治の話はしたい人だけでやれ。SNSに書くな!というマナーの件

Written by すずき大和

日本人は「みんな同じ」であろうとすることで社会の「和」を保つ文化があります。多様な文化や価値観の人と議論しながら共生する習慣があまりありません。

価値観が人によって違うことを話題にすると、感情的な対立が起きることが多いので、日常会話では政治の話は避ける方がいい、という雰囲気がなんとなくあります。

他者との会話はSNSが主流、という世代の多くが、

「ネットに政治的な意見を書き込むのはマナー違反」

と、考えている、という調査結果もあります。



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政治の話を避けることで、何がハッピーか?

政治の話の「政治」って何?

21世紀の国際社会では、人々が皆差別されることなく、安心して自由で文化的に暮らせる社会が理想的、という考えが共通認識されています。

が、現実は、「そのためにはどうやって社会を作ればいいのか?」の考え方の違いから、互いに対立し、格差や差別や戦争が今も続いています。

“どうしたら、皆が幸せに暮らせる社会を作れるのか?”

を考えて、世の中のしくみや人との関わり方を築いていくことを「政治」といいます。

政治は国の統治のことだけではありません。個人が日常的な人間関係の中で、自分が正しいと思う方向に、周囲の環境を持っていこうとする行動全般も、政治です。

周囲と摩擦を起こさず、やりたい方向に物事を進めていく能力を「政治力」といいます。

「政治なんて興味ない」

と、思っている人も、日々政治力を駆使して、自分の居場所を築いているかもしれません。社会で生きる上で、政治力は誰にも必要な能力です。

政治の話はネットの安らぎを壊す?

個人が政治力をつけることと、国の政治に興味を持つことは別。ネットで政治議論しているのを見るのはうっとうしいし、自分はあまり関わりたくない・・・

という人もいるでしょう。

そういう人たちにとって、ネットは気持ちのいい空間です。多くのサイトでは、ユーザーの志向をAIが分析して、その人の好む内容の広告やニュースばかり掲示されるようになっています。自分の好みの情報ばかりに囲まれやすい世界なのです。

ネットは好きな情報に浸れるからいいのに、見たくない人もいる政治の議論など流さないでほしい、と思う気持ちはわからなくはないです。

私たちは政治の話から世の中の空気を読んでいる

世の中を知ることは政治力のもと

しかし、国の政治は、本人が意識していなくても、個人に様々な影響を及ぼしています。

具体的施策の良し悪しで生活の水準が変わってくる、という点だけでなく、自然に入ってくる政治の話のイメージが、実はその人の周りとの関わり方に大きな影響を与えています。

周りとうまくやるには、世間一般の感覚を正しく把握し、どの程度自分を主張し、どこは妥協しないといけないのか、バランスよく判断して行動することが大切です。

政治を語る人たちと、それに対する反応には、その社会の「正しさの判断基準」が如実に反映されます。

私たちは、政治の話の取り扱われ方をなんとなく肌で感じながら、社会の空気を読んで、自分の言動の判断基準にしています。

例えば、アメリカでは、トランプ政権誕生後、国の基本理念である自由や平等に反するような、大統領本人の発言が報道されることが増えました。その空気がそのまま社会に反映し、差別的な発言やヘイトクライムが格段に増えています。

政治の話題は完全にシャットアウトされない

普通に生活する中で、完全に政治の話を遮断することは難しいです。ニュースや、車内広告、身近な噂話など、政治的な話題が折り込まれた情報は自然に入ってきてしまいます。

でもそのおかげで、「政治に関心なし」の人も、うまく世間の空気を読んで生きています。

「正しさの判断基準」のバランス感覚に敏感でいることは、他の人を傷つけないためにも、大事です。

人はネット情報に洗脳される

なんとなく流れるイメージの危険

一方で、情報のほとんどはネットから得る人の間で、真実を誤って認識したり、差別的な考えを持つようになったりする例が見られます。

ネットには、自分の側の支持を増やすため、嘘の情報を流すことで、人々の印象を操作しようとする情報も溢れています。

主張している方向に誘導する伝え方になるのは、マスコミ報道でもありますが、ネットでは意図的なデマを大量に組織的に流すことで、人々を都合よく先導しようとする動きがあります。

  • アメリカ大統領選挙でのフェイクニュースが投票行動に影響した
  • ISが過激思想を植え付ける動画で多くの若者を洗脳した

などのニュースを聞いたことはありませんか。

日本でも、ヘイト思想を煽るサイトの閉鎖と新設がいたちごっこになっています。

偏った情報の洗脳を防ぐには、多様な情報に触れること

ネットでは、一度偏った情報を見始めると、そっちの記事ばかりが大量に目に付くようになり、そこから汲み取る正しさの判断基準もだんだん偏ったものになりがちです。極右志向の人などが極端な考えに走りがちなのも、ネットのデマによる影響が否めません。

そうなることを防ぐには、入ってくる情報が偏っていないか、積極的に自分から多様な政治的意見を聞き、正しさの判断のバランスを取ることです。

政治の話を遠ざけてばかりいると、正しさの判断基準を見誤りやすく、時に偏った考えを広めようとする勢力に付け込まれやすいことも心に止めておきましょう。

まさケロンのひとこと

海外に行ったことがなくて海外のことを悪くいう人なんかもいるよね。一度行ってみるのが絶対にいいと思う!良いところも悪いところもいろいろと感じてさ、なんか自分の思ってたのと違ってたなって思うに違いない!(たぶん)

masakeron-happy


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。