京大教授ら 人工レアメタルの作製に成功
レアメタルといわれる希少金属は日本のような資源が乏しい国にとっては輸入に頼らざるを得ません。
そのためにとても入手に苦労しています。
レアメタルを産出できる国は限られており、だからこそレアメタルといえるのですが、その希少価値が産出国にとっては大きな力となります。
競合相手が極端に少ないのですから多少値段を上げても買ってもらえるし、気に入らない国には輸出に制限をかけるなど外交の切り札としても使えるのです。
そんな付加価値のあるレアメタル。
持ってないなら作ってしまえと考えたのかどうか定かではありませんが、長年の研究の結果、京大の教授率いる研究グループがこのたび、人工的にレアメタルと同じ性質を持つ金属の作成に成功したと発表しました。
誰も考えつかなかった発想の勝利
今回、作製に成功したレアメタルはロジウムと呼ばれるもの。
自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物を取り除く触媒として使用されているもので産出国が非常に限られているため、レアメタルの中でも特にレア物として知られています。標準的な価格は1グラム約4000円。
過去に30000円近くまで高騰したことがあります。
今回ロジウムの作成にあたり研究グループが注目したのがその素材、元素周期表でロジウムの両隣にある
バラジウムとルテリウム
を合わせようと思いついたのです。
ロジウムの性質に最も近い金属を合わせてみようという単純ではあるけれども、誰も考えつかなかった発想が功を奏したのです。
まさにコロンブスの卵的な発想です。
単純なことだけれども、誰も試そうとしなかった方法です。
研究グループの中心的存在である北川教授は
と語っています。
研究グループの柔軟な発想に脱帽です。
完成した合金はロジウムと同等の性質を持っており人工ロジウムといっても差し支えないとのこと。
この合金は価格をロジウムの3分の1から10分の1の400円~1400円に押さえることが出来ると見込まれています。
現代の錬金術。今後のさらなる進化に期待
今回の「人工ロジウム」については現在、自動車メーカー、触媒メーカーと共同で実用化について話し合いがすすめられています。
また、近いうちに米国の化学会誌に発表を予定しているとのこと。
また他のレアメタルについても同様の方法で人工化出来るようさらに研究を進めていく方向だそうです。現代の錬金術に大きな期待が寄せられています。
閃きっていうの、ある日ふと降りてくるもんやね。
こういった初心に返ったような発想なかなか思いつかんもんやで。
これからも、色々発明してもらいたいなぁ~