春の訪れを知らせる花、福を呼ぶ縁起物として知られる福寿草。
日本の自然の環境では2~4月にかけて花を咲かせます。
繁殖力が旺盛で、2年に一度株分けしながら増やしていけます。
水やりなどの管理に手間がかかりますが、マメに手入れをできる人なら、ポイントをちゃんと押さえさえすれば、育てるのはそんなに難しくはありません。
成長のサイクルと特性をちゃんと理解しよう
とはいえ、「福寿草は難しい」という声も少なからず聞くことがあります。
花が咲かない、株が増えないなど、失敗してしまった人の話を聞くと、福寿草の特徴を正しく理解していなかったため、世話のタイミングなどを間違えていることが多いようです。
植物の特徴をしっかり理解して、適切な手入れをすれば、そんなに簡単に枯れてしまう花ではありません。
春に花が咲き、夏は休眠、秋から新芽の成長開始
まず、成長のサイクルを理解しましょう。
早春から花を咲き始める福寿草は、前年の秋から新芽が育ち始めます。
暮れの頃にしっかり寒さにあてると開花の準備が始まり、2月に入ると芽を出します。
芽吹くと直ぐに第一開花を迎え、その後次々と花を咲かせながら芽や葉もだんだん育っていきます。
花が終わってしばらくは葉が育ち続けます。
この葉が作る養分で、地下の根の中に芽が作られます。
梅雨のころには地上部は枯れ始め、夏は地下の根っこが芽を抱いたまま休眠します。
育ちのサイクルにあわない手入れは根を痛めます
環境条件が適切なのに増えないと悩む人は、花が終わってすぐ株分けしている場合が多いようです。
まだ葉があるうちに株分けして根を刺激したり、日陰に移すと、新芽がちゃんとできません。
秋に目覚める直前に株分けするのが最適です。
太くて頑丈で深く広く張る根っこは意外にやわ
福寿草の根は見た目は頑丈そうで、長い根が思いのほかたくさん生えています。
鉢植えにする時などは、ちょっと切って整理したくなりますが、実は、この根っこは水を吸う力が意外に弱いのです。
広く深くたくさんないと、生きるために十分な水分が吸えない、というのはフクジュソウ属に共通する特徴です。
株分けの時に傷つけたり、切り過ぎて減ってしまうと、最悪の場合枯れてしまいます。
鉢植えする時は、根を減らさずにゆったりと植えてください。
乾燥が大っ嫌いです
根の吸水力が強くないので、乾燥は大敵です。
日照りの夏も乾燥の冬も水やりが大事
発芽から開花の時季はもちろん、夏の休眠期間も、土の表面が乾かない程度にマメに水やりしてください。
但し、たくさんある根っこがずっと同じ水に浸っていると腐ってしまいますから、土は水はけよい状態にしてください。
また、花が直接濡れると痛むので、花の時季は根元に水やりしてください。
花が終わると種ができますが、この種も乾燥させるともう発芽しません。
種から増やす場合は、種が取れたらすぐ(春から初夏)に撒くようにしましょう。
日照のタイミングも大切
福寿草は向日性が高く、日が当たらないと花が咲きません。
乾燥が苦手といっても、ずっと日差しを避けるわけにはいきません。
花の時季は毎日よく日に当てて、その分乾燥しないよう、水やりのタイミングによく注意しましょう。
花が終ると、葉が急に育ちます。
光合成も促進し、乾燥させないようにするには、半分日向、半分日陰のような状態がいいでしょう。
夏の休眠中は涼しい日陰が好ましいです。
鉢植えのものは木陰などにタイミングよく移動し、直接植えるものは広葉樹の東側の根元などが最適です。
根を大事に扱い、水やりや日照に気を付けていけば、順調に育って花も毎年咲かせてくれます。
2年に一度くらいの頻度で株わけしていくと丁度よい密集度を保てます。
株の一部を鉢植えにして、春先に開花したものをプレゼントにすると、福のおすそ分けになりますね。
優しく丁寧に福を育てていってください。
福寿草は、ちっちゃくて黄色い花がさくで!
頑張ってそだてやぁ~