春の
全国交通安全運動
の季節がやってきます。
ドライバーの皆さんは、交通安全運動とは「取り締まり強化期間」だと認識している人が多いかもしれません。
意地悪に良質ドライバーから罰金を巻き上げるかのような取り締まりに、内心憤懣やるかたない思いをしている、という声も聞こえてきそうです。
ですが、政府主導のこの運動、本来の目的は
- 交通安全思想の普及
- ルールの遵守と交通マナーの習慣化
- 交通環境改善取組の推進
を啓発して交通事故防止の徹底を図ることなんです。
ムカついている人の言い分
法律では車は路肩に寄せて駐車してはいけませんが、道幅の狭い交差点で、対向車をうまく通すために、左に幅寄せして停めることがあります。
右左折してくる車の流れをマヒさせないようにするため、融通を利かせた運転と言えます。
機械のように法律通りではなく、状況に応じて臨機応変の対処をすることも、安全運転では大事です。
法律通りにしていると逆に円滑な交通を妨げて危険では?
取り締まりにムカつく人たちの言い分として、こうした安全のために必要な融通運転までも取り締まることへの不満があります。
流れに沿った運転が若干の速度オーバーだった時、信号のない横断歩道で歩行者が立ち止まっていたので急いで通過した時、直進車が渋滞していたため後ろの車がセンターラインを越えて追い越し、右折した時・・・・
違反として取り締まられると、理不尽だなと思う人が多いようです。
みんなやっているのに、なんで私だけ?
また、交通量がとても少ない道路なら、左側車線の路肩に寄せて停めて、沿道のコンビニ等で買い物をすることがあります。
一見交通を妨げていないので、許される停車の範囲と判断している人が多いようです。
が、駐停車禁止道路(都会ならたいていそうです)だと、違反切符を切られることもあります。
そんな時
と不公平感を抱く人もいるでしょう。
前述の融通運転で捕まった時もやはり
とつい思ってしまうかもしれません。
イラッとする人は、本当に大事なことを見失いやすい人
一見、杓子定規に取り締まる警察のほうが浅はかに思いそうです。
しかし、これらの心理をよくよく検証してみると、ドライバー本位の安全思考が見えてきます。
警察はそれが招く怖さをよく知っています。
だからこそ、そういう人に自分の危険思考に気付いてもらうため、融通運転が出やすい、交通量少な目の所であえて取り締まりをしているのです。
「みんながやっているから」が一番怖い
と思う時、その他の人もあなたを見て同じように思っている可能性が高いです。
皆がお互いに
と止めなかったら、永遠にそのループから出られません。
信号のない交差点の多い住宅道路で、先頭の車が一時停止や徐行をしないで行ってしまい、後続車も
続くうちに、それが当り前になってしまう、その恐ろしさを想像してみてください。
駐車違反もしかりです。
本当の融通とは、車の流れではなく、弱い歩行者に気を使うこと
時速30km制限の裏通りは、ずーっと30kmで走り続けなさい、というより、
状態を想定しています。
その点に気付ける人は、前の車が45kmですいすい走ったからといって、何も考えずについてはいきません。
本当の融通とは、車側の空気を呼んで流れに流されていくことではなく、その場の行動のリスク判断がちゃんとできることです。
違反してまで融通するなら、リスクを負う覚悟を持つこと
横断歩道で人が立っているのは、車に譲っているのではなく、車が停まってくれなくて渡れないのです。
停止してみて横断する気がないと判明した場合の時間ロスと、通過しようとしたら予想外に歩行者が渡り始めた場合の惨事、どちらのリスクを選びますか?
後続車のために、少しでも早く交差点を通過してあげようと右側車線を通って交差点に入った瞬間、渋滞してるから右折車は来ないと信じて横断している歩行者が居たらどうします?
そのリスクは、たった1台分進むだけの後続車のイライラ解消の代償に見合うものですか?
要は、歩行者の立場に立っていちいち考えることが大事、ということ。
車の流れをスムーズにすることを優先することが、必ずしも安全のための融通運転とは言えません。
取り締まりにイラっとする前に、本当に大事なことは何なのか、周りの人に流されずに考えてみませんか?
そして、法令遵守+αの安全運転をしてください。
車に乗る人は、後先を考えながら乗ることが大切やと思うわ。
自分勝手な運転こそが、事故の原因になるから注意せんとアカンで!