自閉症

無関心ではいけない。自閉症サポートの第一歩は「理解」

Written by 言祝(kotoho)

自閉症とは

自閉症は先天的な障害

筆者は30代のとき、心の問題で会社に通うことができなくなった時期があります。

仕事のことを考えると、頭が真っ白になってしまい、軽いパニック状態に陥ってしまうのです。

さらに不眠に悩まされ、まったく一睡もできずに朝を迎え、仕事に出かけることもたびたびありました。

家族のすすめで心療内科に行き、診察してもらった結果、

「適応障害」

だと判断され、薬を処方されました。

  • 睡眠導入剤
  • 日常的に服用する、心を整えるための薬
  • パニックに陥ったときに飲む薬

の3種類。

睡眠導入剤は効果があり、それなりに睡眠を確保できるようになりましたが、その他の2つに関しては、筆者としてはあまり効果が実感できませんでした。

医師と相談した結果、職場を変えてもらうために、会社に事情を話したところ、理解を示してはくれましたが、最終的には辞職することになったのです。

発達障害や自閉症といった症状がそれほど一般的ではなかった時代の話です。

そのような言葉は一言も出なかったけれど、

「病気の人を雇うことはできません」

という姿勢だったのかもしれません。

最近知ったことですが、自閉症は後天的なものではなく先天的な「脳の障害」であると考える見方が一般的なのだそうです。

そのため

「育てられた環境が原因で自閉症になった」

「子供のころは自閉症だったけど、大人になったら直った」

などということはあり得ないとのこと。筆者はてっきり自閉症は心の病だと思っていました。

自閉症は「脳の情報の処理の仕方が、通常と違うため」起きるものであり

「発達障害」

のひとつとして考えられています。



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発達障害とは

先天的な障害であるのなら、子供のころに発覚しそうなものです。

ところが最近は大人になってから、心の問題を抱え、実は発達障害だった、というケースが多いと聞きます。

自閉症に代表される発達障害には、いくつかの大きな特徴がありますが、これはあくまでも代表的なものであって、実は症状は様々です。

人とのコミュニケーションが苦手、というのは典型的な発達障害の症状だそうですが、逆に誰にでも話しかけてしまう、というのも症状として確認されています。

自閉症に代表される発達障害の症状は十人十色といっても過言ではないらしい。

だから、子供のころに問題視されず成長して、社会に出て不具合を感じ、医師に診断してもらったら、実は…、ということはあり得ます。

社会に出てから障害に気がつくという点は、これまで考えられてきた

「発達障害は後天的なもの」

とする考えの背景としても十分納得できるものです。

だからポジティヴに物事をとらえたり、ストレスを溜めないといった「心を整える」ことで改善されていくのではないかと、長い間考えられてきたのではないでしょうか。

しかし発達障害は

「脳の機能」

に起因するのではないかという説が有力になってきた。

そうなってくると、少し「発達障害」に対しての考え方を変えるべきなのではないかと思うのです。

「発達障害」は個性ととらえることはできないか

世の中は厳しい

筆者の「適応障害」の話に戻ります。

医師からの説明によれば、環境になじむことができないだけで「発達障害」だとは認められない。

おそらく環境を変えれば改善される可能性が高いとのことでした。

確かにその通りでした。転職し、環境が大きく変わったことで改善され今に至っています。

ネットなどを検索すると「発達障害」と診断された子どものお母さんなどが、日々の生活のなかで感じたことをブログなどで発表しているのを目にすることがあります。

それらを読んで感じることは「発達障害」を「障害」ではなく

「個性」

ととらえている部分です。

このようなブログのすべてがそうだとは言いませんが、ほとんどがとても前向きにとらえています。

こういったことに触れると「何か自分にできることはないだろうか」などと考えたりしますが、筆者にできることは限られています。

「発達障害」に関わらず、障害や病気と向き合って生きていこうとしている人たちに対して社会はまだまだ厳しい、といえるのではないでしょうか?

偏見のようなものとは違います。悪意があるわけではないのだけれど、自分と直接関係のない事柄には線を引いてしまうようなところがあるのかもしれません。

そして世の中をよく観察してみると、「主流」を基準につくられているような気がするのです。

理想と現実は違うけれど…

たとえば、会社に就職したり、アルバイトでもそうですが「何時までに出社しなさい」と決められ、これを守らなければ「遅刻」とみなされます。

当たり前のことであり、仕事をしてお金をもらっている以上最低限は守らなければならないルールです。

でも様々な理由でその「当たり前」のことがしたくてもできない人もいるのです。

そういう人たちに対して、もっと何かの対応をするべきだと主張するのは簡単なのですが、これはそんなに単純なことではないように思えます。

「発達障害」を抱える子どもたちや大人に対して配慮しなければならないとしたら、社会の仕組みの根本から見直さなければならない、と思うからです。

企業単位で「支援措置」などを設けても、表面だけの行動になってしまう危険性があります。

筆者の考えは理想に過ぎないし、現実は厳しいものです。

自閉症に代表される発達障害に関して、まず正しく理解することが第一歩なのではないでしょうか。

この記事を書くまで、筆者は発達障害は、育てられ方や環境に起因するものだと考えていました。しかし現在では先天的な原因だとする説が主流であることを知ったのは前述したとおりです。

つまり筆者は「発達障害」を誤解していたのでした。さらに調べてみると「脳の機能」が原因であるとするところから始まって、薬で治療する方法の研究も進められているとのことです。

「発達障害」をサポートする上で一番大きな障害となるのは

「無関心」

です。

自分には関係ないというスタンスは残念なことだと筆者は思います。この記事がきっかけでみなさんが「発達障害」に関心を持っていただければ、幸いです。

まさケロンのひとこと

発達障害のみんなはいわば「少数派」っていうだけで、多数派の人が得意な社会に無理に適応させようとするからいけないような気もするんだ。発達障害があろうがなかろうがみんなそれぞれ「個性」をもってるわけで、それを活かせる社会づくりをしていきたいよね。

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筆者情報

言祝(kotoho)

映画オタク。日課は読書。最近は料理にハマっています。座右の銘は「好奇心を失ったら、そこで終わり」