水虫

知っているようで知らない水虫/正しい知識で早期治療!

Written by すずき大和

統計によると、日本人の5人に1人は水虫なんだそうです。

昔から多くの人を悩ませてきた水虫。なかなか治らず、長期間悩んでいる人も多く、

「水虫は治らない」

といわれた時代もありました。でも、ちゃんとケアすれば治すことができる病気です。

早期発見早期治療が効果的です。が、どうも一般的水虫のイメージや知識が、偏っているらしく、水虫なのに水虫だと気付かず手当が遅れたり、間違ったケアをしたり・・・結果、完治を遅らせている人が意外と多いようです。



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身近に水虫の人がいなくても、うつらなくても、なる

水虫菌は誰もが全身に持つ常在菌

水虫は、真菌(しんきん=カビのことです)が皮膚の角質層の中に入り込んで増殖することで起きる感染症の一種です。原因となる真菌は、

白癬菌(はくせんきん)

と呼ばれています。

白癬菌は、皮膚の角質にあるケラチンという物質を食べて繁殖します。実は、ケラチンが存在する人間や動物の皮膚には、全身ほとんどの部分にもともと白癬菌は常在しています。

皮膚の表面に付いている白癬菌は極微量です。毎日のようにアカと一緒に剥がれ落ちる他、水で洗い流すだけで落ちてしまいます。

落ちても皮膚の他の部分に残っている白癬菌がまた繁殖するので、無くなってしまうことはありませんが、微量のまま保たれていれば、感染症を起こすほどの悪影響にはならないのです。

ばっちい・暑い・ムシムシする所に水虫は発症する

白癬菌は、

  • 温度15度以上
  • 湿度70%

になると、急激に繁殖が活発になり、何十倍にも増殖します。活発に増殖した白癬菌は角質の奥深くにまで侵入し、そこで更に増殖します。この時、さまざまな症状をおこします。

つまり、水虫は白癬菌が皮膚に付くだけではなりませんが、爆発的に増殖することで発症するのです。

家族に水虫の人がいると、剥がれ落ちる白癬菌の数も多く、周りの人にもたくさんの菌がつきます。表面につく菌の数が多ければ、水虫になりやすくなります。それが、人から人へ感染していくといわれる真相です。

しかし、周囲に水虫の人がいなくても、不衛生なまま暑くて蒸れる環境に長時間置かれるからだの部分に、水虫が発生することは、多々あります。

水虫は足だけじゃない

白癬菌は1種類だけではない

ケラチンを餌として繁殖する白癬菌は、実は多くの種類に分かれます。日本では、人に感染している白癬菌は10種類ほどあるといわれています。白癬菌の種類によって、水虫が発生しやすい場所や、症状が違っています。また、効く薬も違います。

発生する場所によって、水虫とはいわず、違う名称で呼ばれるものもあります。白癬菌が原因であれば、みな白癬症の一種です。

いろいろな場所にできる白癬症

「しらくも」は頭部の白癬症です。

痒みはなく、髪の毛が抜けやすくなります。円形脱毛症もあれば、細かいフケのようなものが表面に出て来ることもあります。

「手の水虫」も、ブツブツとした湿疹ができますが、痒くならないことが多いです。

「いんきんたむし」は股部にできる白癬症です。

丘疹(きゅうしん)と呼ばれる赤い発疹ができます。最初は痒みがなく、ひどくなるとボロボロとアカのようなものが出てきたり、水膨れになったりして痒くなります。

「ぜにたむし」は背中やお腹など胴体部にできます。

赤い輪のような発疹がでて、症状が進むとその輪が広がって大きくなっていきます。絆創膏を長時間貼りっぱなしにしていると、その下で白癬菌が繁殖して発生する場合もあります。ペットもかかるため、猫から感染するケースもあります。

「爪水虫」は、足の爪にできる白癬症です。

足の爪の色がどんどん茶色くなり、ボロボロになって、最後は欠けて崩れ落ちてきます。これも痒みはありません。

足水虫の中にも痒くならないタイプがある

足白癬症は3タイプ

足の水虫は、発生する場所と症状の違いで大きく3種類に分かれます。白癬菌の種類も異なります。

「趾間型(しかんがた)」は、一番ポピュラーで多い水虫です。

指の間の皮膚がむけたり、赤く腫れたりして、強い痒みが伴います。初めはカサカサして皮膚がポロポロ剥がれて来るような感じのケースもありますが、ひどくなるとじゅくじゅくして赤くただれてくることが多いです。

「小水疱型(しょうすいほうがた)」は足の裏に水膨れができて痒くなる水虫です。

たくさんの小さな水膨れが集まって塊になると、痒みも強くなります。

「角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)」は、足の裏全体の皮膚が硬く厚くなります。

痒みも水膨れもなく、足裏全体にできた大きな魚の目のようになります。ひどくなるとガサガサとひび割れてきます。

水虫を見落とさないことが大切

頭部や手の白癬症は、皮膚病や荒れと思って、違う薬を塗って悪化させてしまうことが多いです。爪水虫や角質増殖型水虫は、なかなか水虫だと気付かず放置してしまいがちです。

水虫を放置すると、症状が悪化するだけでなく、それだけ周囲に感染を広げてしまいます。

なかなか治らない手荒れや、足の裏や爪が原因不明で硬くガサガサしてきたら、自分で判断せず、早めに皮膚科に行くようにしてください。正しい薬で根気よく治療すれば、必ず治ります。

まさケロンのひとこと

水虫の名前の由来ね、昔は水の中に足つっこんで田畑をたがやしてる人がよくなったらしくて、水の中にはそういう虫がいるんだって思われて、それで水虫って呼ばれることになったみたい。

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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。