『海の駅』って知っていますか?
- 江ノ電の「由比ガ浜」とか、
- 伊豆急行の「伊豆熱川」とか、
- 山陽電鉄の「松江海岸」とか・・・。
いやいや、それは、“海に近い駅”ですってば。
海の駅は鉄道ではなく、“船の駅”です。
といっても、大型の港のことではなく、自家用プレジャーボートやヨットなどの一時係留設備(ビジターバース)が整備され、陸地からもアクセスできる、マリンレジャーの拠点となっている観光施設です。
新しいマリンレジャーを開拓するマリーナ
従来のヨット・ハーバーやマリーナとの違い
レジャー用のヨットやボートがたくさん係留されている小さな港は、「ヨット・ハーバー」と呼ばれます。中でも、周囲に商業施設を伴って観光地化した小さな港の一帯は「マリーナ」といいます。
海の駅は、マリンレジャーを楽しむだけでなく、
「地域文化全体の観光案内施設も兼ねたマリーナ」
というとわかりやすいでしょうか。
いわば、「道の駅」の海版といえる施設です。道の駅と同じく、国土交通省によって登録されています。
自家用ヨットを持っているわけではない一般市民としては、仲間内にセレブな人がいたり、船釣りやダイビングの趣味があったりしないと、なかなかマリーナに遊びに行く機会がない、と思う人もいるでしょう。
いえいえ、最近の海の駅は、家族連れや初心者も手軽にレジャーを楽しめるメニューや施設を積極的に揃えており、身近な遊びスポットとなっています。
国の地域おこし事業の一環
第1号の海の駅は、2000年に広島県に設置された「ゆたかの海の駅とびしま館」です。ここは、瀬戸内海の離島です。
“地域の自然や文化の素晴らしさを伝えて観光客や産業を誘致しよう”
という、町おこしの離島振興策が始まりでした。
とびしま館の試みはみごと成功し、島の活性化と瀬戸内海観光振興に役立ちました。
近年、若年層の海離れが進むなどして、マリンレジャーは縮小の傾向にあります。国交省海事局では、地域とマリンレジャー、ダブルの振興策として、「海の駅」の登録制度を始めました。
その後、地方自治体と民間事業者と国が連携して、
が設立され、海の駅の更なる活性化と利用者の利便性向上を図るための取組みが進められています。2016年6月現在、全国で登録されている海の駅は158か所になりました。
自分たちに合った楽しみ方を探してみよう
一日遊べるテーマパーク
海の駅では、係留船舶のための休憩・補給所や、観光案内のサービスはもちろん、遠方からの観光客を呼び込むためのイベント展開に力を入れている所が多いです。
また、大型産直店舗、日帰り温泉施設やミュージアム、アウトレットショッピングモール、結婚式場など、併設施設も土地柄を反映した多彩な様相となっています。
誰でも、いつでも、気軽に、安心して立ち寄り、利用でき、憩える
というコンセプトで、多くの人に海の魅力を広め、地域の文化や伝統を伝えていくことを大事にしています。規模の大小はありますが、全体的に、幅広い年代やグループが楽しめるご当地テーマパーク的展開が図られています。
ニーズに合わせて選べる海の駅
- キャンプ場やバーベキュー設備がある所、
- ビーチやリゾートホテルが併設されている所、
- 水族館や遊園地が近い所・・・
などは「家族連れ」に人気が高いです。
- 静かな自然環境や郷土料理のおもてなしで癒してくれる所、
- リラクゼーション施設に力をいれている所・・・
などは、「高齢者や女性客」からも注目されています。
花火やおしゃれなレストランディナーなど、大人のデートプランメニューがウリの所はカップルも多いです。
体験型レジャーメニューが盛りだくさん
初心者が身近にマリンレジャーを楽しめるような、お手軽安全な体験イベントにも大きく力が入れられています。
1, 目的もいろいろ、クルージング体験
ガイド付き名所めぐりや沖釣り、イルカウォッチング、船上パーティーなどのチャータークルージングサービスは、マリーナの得意分野ですが、もっと安価でお手軽に、一般観光客が予約なしですぐ乗れる湾内遊覧船クルージングができる駅もあります。
初心者が手ぶらで行っても、道具貸与レクチャー付きで楽しめる釣り船もあります。
2, 初心者でも親切指導で安全安心、マリンスポーツ体験
マリンスポーツというと、サーフィンやスキューバダイビング、シュノーケリングなどが一般的でしょうか。他にも、ウインドサーフィンやシーカヤック、最近話題の新型遊具を使った新しい遊びまで、初心者でもいろいろ体験できるサービスが揃っています。
「おおさかほっこう海の駅」SUP(スタンドアップバドル)を楽しもう!
「あいなんかわうそ村海の駅」FLY BOARD 海の空中散歩
夏はオリジナルイベント多彩
- 夏シーズンは、地域ぐるみの祭やイベントもたくさん開催されます。
- マリーナ内で、ヨットレースや釣りコンテストなど開催する駅もあります。
- 夏休み期間中の子ども向け体験学習プログラムを用意している所もあります。
これまで、海といえばもっぱら海水浴だった人も、今年はぜひ「海の家」ではなく「海の駅」を利用してみてはいかがでしょう。“泳ぐ”だけではない、新たな海の楽しみ方をぜひ何か見つけてください。
まさケロンはねー、マリンスポーツしたい時もあるけど、海でゆったりリラックスしたい時のほうが多かったりするんだよね。そんな海の駅、ちょっとさがしてみよかな。