深海に済む苺?白玉?え、イカ!?深海魚ブームはなぜ終わらない

Written by すずき大和

2010年代に巻き起こったブームの中でも、息の長い空前の大ブームのひとつは「深海魚」ではないでしょうか。

2011年12月にオープンした

『沼津港深海魚水族館』

が火付け役といわれます。



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深海魚の人気の秘密は、「神秘」と「スター」が豊富なこと

まだ解明されていないことがいっぱい神秘の深海

沼津港深海魚水族館は、日本で一番水深が深い(2500m)駿河湾に面しており、その駿河湾では、毎年9~5月まで、“深海底引き網漁”でタカアシガニを捕る漁が盛んです。

網の中には、カニと一緒に多くの深海生物が入ってきます。展示の80%はこの網にかかってきた食用にならない珍しい深海魚です。まだまだ謎の多い深海の生き物が、次々と補給され、展示内容も入れ替えているため、定期的にリピートするお客さんが、その都度新しい生き物に出会う楽しさを味わっています。

水族館のホームページに

「見たことないからワクワクする。」

「未知の深海。生命の不思議を体験しよう。」

というキャッチコピーが見られます。

深海魚の魅力の一番は、この「よく知られていないもの」「珍しいもの」見たさの欲求に程よく答えてくれるところかもしれません。

世界から次々送られてくる新たな話題

神秘の深海の謎に迫る動きは世界中で続いており、期せずして、水族館オープン以降、次々といろいろな深海魚の話題が世間で注目されました。新たなスターが後から後から登場したことも、深海魚ブームが終わらない理由です。

1,シーラカンス

水族館創立時の一番のウリは、2階の「シーラカンス・ミュージアム」でした。世界でここだけでしか見られない、“生冷凍”のシーラカンスが2体展示されており、海外からもたくさんの取材が入りました。やはりシーラカンスは、深海魚界のレジェンドスターです。


2,ダイオウイカ

オープン約1年後の2013年1月、世界で初めて深海で生きて泳いでいる

『ダイオウイカ』

の映像が撮影されました。日本ではNHKが特番を組んで放映したことから大ブームになり、深海魚ブームを空前の盛り上がりにまで持ち上げる機動力となりました。

そして、2015年暮れ、ついに日本の富山県でも鮮明な映像が撮影されました。



3,ブロブフィッシュ

その年の秋には、イギリスの「醜い生き物を守る会」

“世界で最も醜い生き物コンテスト”を行い、

『ブロブフィッシュ』が栄えある1位の栄冠に輝きます。

そして、更に2015年、なんと駿河湾で沼津港水族館とTV番組のロケチームが、

“生きたままの新種のブロブフィッシュを捕獲する!”

という大発見があり、一気にこのブサカワの深海魚の人気が高まりました。


4,ダイオウグソクムシ・オオグソクムシ

また、2014年には、三重県鳥場水族館で絶食記録更新中だった

『ダイオウグソクムシ』

が死亡する!というニュースが流れ、改めて食べなくても生きられるこの生物の謎に迫る研究が進む、と話題になりました。

デカいダンゴムシのような形態のこいつは、子どもの人気No.1深海魚であり、

『オオグソクムシ』

と共に、ぬいぐるみやキャラクター商品の展開も随分進みました。


お菓子からガチャポンまで、多彩な商品展開

どんどん高まる深海魚ブームの中、従来の展示種の人気や知名度も上がり、オオグソクムシやダイオウイカ以外にも、いろいろな深海魚の関連商品が話題を呼び、ヒット商品になるものも次々出てきました。

1, あわ家惣兵衛『メンダコまんじゅう』

オオグソクムシに続いて子どもの人気が高い『メンダコ』

Yahooのwebショッピングサイトでは、老舗の和菓子屋さんとのコラボでかわいらしいお饅頭を発売し、ヒット商品となっています。


2, カード付きクランチチョコ『深海ハンター』

こちらは、沼津港深海水族館監修、深海生物カードのおまけ付きのチョコです。コンビニや駄菓子屋さんでちびっ子たちの人気商品になっています。


3, カプセルトイ『深海魚寿司』

ガチャポンやクレーンゲームの商品として人気のカプセルトイでも、深海魚のシリーズがあります。握りずしの上に、そのまんまの形でドーンと深海魚が乗っているおもちゃです。意外と大人もコンプリート目指してガチャガチャしている人が多いです。


4, フェリシモ「深海魚ポーチ」

大人にも人気といえば、こちら。グロくはないですが、結構奇抜です。


新たな人気者になるか?最新の話題は『イチゴイカ』

さあ、そして最近、また新たな深海魚の話題が海外から入ってきました。

モントレーベイ水族館研究所が、

『カリフォルニアシラタマイカ』

が優雅に泳ぐ映像を公開し、ニュースになっています。



「シラタマイカ」って名前ですが、白くも円くもなく、真っ赤でぶつぶつしているので、別名は

『イチゴイカ』。

左右の目の大きさと色が違い、一方は水面方向を、一方は海底方向を常にサーチするのに機能的にできています。特に上を見る大きな緑色の目は光って獲物をおびき寄せる役目も果たしています。

日本の水族館にはまだいないようですが、子ども&女性ウケ間違いないビジュアルですから、また新たな人気者になる可能性は高いです。

夏、本格海シーズンを迎え、深海魚ブームはまだまだ続きそうです。

まさケロンのひとこと

ダイオウグソクムシってかわいいよね。こういうのって大きいと「気持ち悪いなー」とか思いそうなもんだけど、ダイオウグソクムシに関しては大きいからこそかわいいと思うんだよね。

masakeron-love


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。