いきなりですが、皆さんは、「年上の方と仲良くなる」のは得意ですか?
私は得意です。特に、初老の方々とは、電車で隣の席に座った人でも、順番待ちで近くになった人とでも、5分あれば、笑って話し合える仲に、自然となります。
なにかテクニックを意識しているわけではありません。逆に、小手先のテクニックは経験豊富な方にはすぐに見破られ、怪しまれるもとになります。年上の方と仲良くなるのは、自然体がなせるわざなのです。
今回は、「なぜその自然体で、年上の方と仲良くなれるのか」を振り返ります。そして、自然体の時に現れる無意識を鍛えるための5つのキーワードを提供します。
挨拶
まず、これが一番です。挨拶といっても、初対面の人に、いきなり馴れ馴れしく挨拶するわけではありません。それは怪しまれます。
まずは、例えば、接待でお店に入った場合、慣れていないお店であったとしても、店員さんに元気よく挨拶をしましょう。そういうところを年上の方はよく見ており、
「最近の若者は挨拶できないのに、こいつはいい奴だな」
と思ってもらえます。
鍛え方
毎朝すれ違う方に
「おはようございます」
を言ってみましょう。朝の挨拶を言われて不愉快な人はめったにいませんし、元気な挨拶をする瞬発力が鍛えられます。
素直
なにかアドバイスをされたら、
「でも」「いや」「私の場合は」
は禁句です。
年上の方は様々な経験をしてきたうえで、様々なことをおっしゃっているのです。
半端な反論は、
「生意気なやつだ」
と思われてしまいます。
なので、なのでアドバイスをされたら、何か反論があったとしても、
「そうですね。○○(相手の言ったこと)ですよね」
とゆっくり話ましょう。そうすると、自分のなかに、相手の言葉が染み込んできて、自然と素直な態度になりますよ。
鍛え方
年上の方の経験談をじっくり聞いてみる機会をもつことをおすすめします。そうすると、年上のの方のアドバイスが、単なるお説教ではなく、自分の成長のためのヒントが詰まっていることに気が付き、素直に聞くことができるようになりますよ。
全力
これは前項の素直とも共通するのですが、年上の方のお話しを聞くときには、
「全身全霊をこめて聞く」
ようにしましょう。ただの精神論ではありません。そのほかの情報はシャットアウトして、相手の言葉と表情、そして動きに注目しましょう。
そうすると、自分があいずちを打つタイミングが見えてきます。また、自分の考えをはさむタイミングが生まれます。結果として、会話が盛り上がり、仲良くなることができます。
鍛え方
あえてうるさい場所、例えばカフェやクラブなどで、一対一で話す機会をつくってみましょう。全力で話を聞くための肝は、情報のシャットアウトですので、うるさい場所でそれができれば、静かな場所でもできるようになります。
真面目
これは一朝一夕に身につくものではないので、少し難しいうえに、『真面目』とはなにか?と問われたら、私もちょっと考えます。
しかし、
『自分以外のみんなのことを考えている人』
というのは真面目な人と言われている気がしませんか?
年上の方は、『自分だけ』という考え方は卒業されている方がほとんどです。ですので、真面目なスタイルは、身に着けるのが難しいとはいえ、だからこそ身に着ければ効果バツグンの術になります。
鍛え方
新聞を読みましょう。読む習慣がない人は、見出しだけでもかまいません。毎朝目を通しましょう。特に、困っている人が大勢いるようなニュースは重要です。新聞を読んでいれば、公のことを考える態度が自然と身に付きます。
沈黙
これは簡単なようで、奥深いキーワードです。もし、自分がしゃべりすぎたり、あいずちを打ちすぎると、「軽い奴だなあ」と距離を置かれてしまいます。
とはいえ、自分からの発信や適度な相槌がないと「つまらんなあ」と思われ二度目がありません。時には、相手の言ったことに対するレスポンスとして、沈黙しながらうなずくだけで返してみましょう。
また、沈黙が生まれるのを恐れてはいけません。その間に、年上の方は、いろいろ考えたり、思いを巡らせたりしているのです。じっくりと時を待ちましょう。沈黙が2人の距離を、実は縮めているのです。
鍛え方
バーに行きましょう。お酒が飲めなくても大丈夫です。ノンアルコールも置いてあります。なぜバーかというと、自然と沈黙が生まれやすい場所だからです。まずはバーで沈黙に耐えて、距離を縮めるという感覚を、隣の席にたまたま座った人相手に試してみてください。
無意識はすぐには変わりません。毎日の積み重ねです。ここにあげた5つのキーワードをすぐに実行するのは難しいかもしれませんが、まずは、
- 「素直」
- 「挨拶」
- 「真面目」
から始めてみてください。年上の方との付き合い方がガラリと変わることを実感できて、5つのキーワードを実践するうえで、良いモチベーションになります。
「素直」って簡単そうで難しいよね。ついつい「いや」とか言っちゃってもそのあとすぐに「そうですね。○○(相手の言ったこと)ですよね」って言えばなんとかなりそうだし意識してみよ!