養育費の相場
親としての責任
離婚した友人から、「息子が成人したので養育費の支払いが終了した」という話を聞きました。
彼は元の奥さんとしっかりと事前に話し合いをして、基本的な養育費の金額を決め、特に大きなトラブルは起きなかったと話しています。
離婚というものは多くの場合、なんとかして避けたいものではありますが、当事者間でよく話し合ったうえで選択したものであれば仕方がないと思います。
ただ子供については十分なケアが必要です。とくに幼い子供にとって両親の離婚は心に大きな影響を与えることは間違いないと思うのです。
また、親権者となったほうの親は、経済的にも大きな負担を負うことになります。
親権者にはならなかったほうの親は、経済的に子供を支えて行かなくてはなりません。
筆者の友人はそのことを強く意識しており、半年ごとに養育費の金額を元の奥さんと話し合い、子供が受験などでお金が必要な時期は増額していたそうです。
親なので当たり前だといってしまえばその通りではありますが、できる限りの努力をして子供の成長を経済的に支えた友人の努力は評価すべきだと感じました。
養育費には相場はあるのか?
養育費というものは一般的には詳しく知られていない知識です。
離婚をしなければ縁のないものだからです。
友人に「養育費というものには相場はあるのか」と質問したところ、
「ない」
と即答されました。
ではどのようにして金額を決めたのかと質問したところ、
とのこと。
その際「養育費算定表」を参考にしたと話していました。
養育費算定表とは
参考資料として家庭裁判所が作成
「養育費算定表」というものは筆者にとっては初耳です。
大阪と東京の家庭裁判所の裁判官が共同で作成したもので、養育費支払い義務を持つ者、支払われる権利を持つ者のそれぞれの年収、子供の人数と年齢などから目安となる養育費の金額が算出できるようになっている資料です。
以下にリンクを張っておきます。
あくまでも目安
家庭裁判所の裁判官が作成した資料と聞くと、養育費算定表で算出した金額が絶対のように思われます。
これ以上支払わなくていいように誤解されがちですが、これはあくまでも目安だそうです。
たとえば子供が私立の中高校に入学した場合、公立より学費がかかることが予想されます。
この場合は双方の話し合いの元に、養育費の増額を考える必要があります。
養育費の支払い義務を持つ者が、「算定表ではこの金額になっている。だからこれ以上払う義務はない」と主張しても、もし裁判で争うようなことになった場合、この主張が認められる可能性は低いとの見方があります。
養育費に関する誤解
さらに言うなら、養育費を受け取る権利は子供が持っています。
たとえば夫婦間で「養育費は受け取らない」という取り決めをしたとしましょう。
でも子供が「養育費を受け取りたい」という意志を訴えればこの取り決めは無効となり、養育費を支払う義務を持つ者は支払いに応じなければならないのです。
夫婦間だけじゃなくて、子供を含めた「話し合い」をきちんとするのが大切なんだね。