もはや、風物詩。年末の道路工事
道路工事の季節がやってきた?
年末が近づくにつれて、目にすることが多くなるのが「道路工事」です。
筆者の自宅の近くでも、最近になって大規模な「道路工事」が始まりました。この季節にしか見られない光景ではありませんが、大体において、年の瀬が近づいたこのころになると、多く目につくようになります。
道路工事を目にすると、
「もう年末か」
と感じるぐらいで、こうなってくると、もう「風物詩」のようなものです。
でもこの現象、今に始まった話ではなかったりします。年末に道路工事が多いのは筆者が小学生のころから見られる現象でした。
筆者の父親は、
「役所が、予算を使い切るために、工事を行って帳尻を合わせているんだ」
と言っていました。
予算が余ってしまうと、来年度の予算を減らされてしまうから、余らないように工事を行っているのだ、というのが趣旨です。
実はこの理屈、筆者の父親の持論ではなく、当時の世間一般の「年末の道路工事」に対する解釈でした。
なんとなく筋が通っていて、事実のような気がするものの、実際にそのような「帳尻合わせ」が公然と、しかも全国的に行われるというのは、いまひとつしっくりしません。
真実はどこに?
ネット上を調べてみると、たとえば「Q&A」などで
「なぜ年末は道路工事が多いのか?」
という質問を多く見かけます。
様々な意見・回答がよせられますが、そのなかに必ず
「帳尻合わせ」説
を見かけます。そして「帳尻合わせ」説は必ずといっていいほど自治体や政府の批判に発展しているのが見て取れます。
ちょっとひねくれた見方かもしれませんが、批判がしたいために「帳尻合わせ」説を持ち出しているのではないかと思われてしまうのです。
本当に
「予算を使い切るために、緊急性がないにもかかわらず道路工事をしている」
のであれば問題ですが、基本的には「道路工事」は、穴が開いているとか、ひび割れをおこしているなどの危険な要素を取り除くためのものです。
また、繰り返しになりますが、「道路工事」は公の目にさらされているわけです。工事をしていることは一般市民に知られてしまいます。
「予算を消化するための、帳尻合わせ」という、一種の「不正」と捉われてもしかたがないような行為を、公の場で堂々と行うとは考えにくいと思いませんか?
これが本当の理由
なぜ年末は道路工事が多いのか
このような疑問から調べたところ「なぜ年末は道路工事が多いのか」に対しての本当の理由がわかりました。
ひとことで言ってしまえば
です。
詳しく見ていきましょう。
まず、自治体などが道路工事を行う際は、毎年4月以降に工事が発注され、翌年3月末までに工事を完了するような流れとなります。
道路工事の計画というのは、私たち市民が想像するよりも、はるかに多い件数にのぼるのだそうです。その中でも緊急性の高いものから実施していくのですが、その判断にある程度の時間を費やします。
実施することが決定された案件は、業者に発注されます。ただし、即工事実施となることは少なく、ほとんどは事前準備が必要になります。規模にもよりますが、掘り返す必要があるような大規模なものになると、地中のガス管や水道管などにも配慮しなければなりません。
これらのライフラインを管理している会社と調整をとらなければならないため、工期が長引いてしまうのだそうです。結果的に、これらの準備を終えて実際に工事に着手できるのが、年末に近くなってしまう、これが「年末は道路工事が多い」理由です。
「帳尻合わせ」ではない
いかがでしょうか。「驚愕の真実」ではありませんでしたが、こうして見てみると、非常に現実的です。
要約すれば
「道路工事は準備などに時間がかかるため、工事に着手できるのがどうしても年末になってしまう」
ということですが、リアルである分とても説得力がありますよね。これで明日から、道路工事を見る目が変わります。
年末の道路工事は予算の帳尻合わせなんかじゃなくて「準備に時間がかかるからたまたま年末に集中しちゃう」っていうだけなんだね~。でももう少しはやく準備できないのかな・・・。