冬のニュースの風物詩で、お風呂に入るニホンザル、というのがありますよね。小猿が母親にしがみついて、お風呂に入っている様子はとてもかわいいです。子供の頃に見たアニメの主人公がいつも肩に猿をのせていてかわいかったな…と思い出しました。そこでふと、
「猿ってペットで飼えないのかな?」
と思い立ち、早速調べてみました。
時間とお金と忍耐!?
英文ですが、猿を飼うための心構えとして面白い記事を見つけました。タイトルは、
Pet primates take time, money and patience
です。直訳すると、
「霊長類のペットは時間とお金と忍耐がかかる」
です。
タイトルだけで、猿をペットとして飼うのは大変そうだとわかりますね。とりわけ、忍耐、という言葉がずっしりとのしかかってくるようです。
すでに猿を飼っている人たちの重みのあるお言葉。
記事によると、楽しく猿と共同生活をしている人たちでさえ、
「猿を飼うには事前に2回は考えなくてはならない。」
と、コメントしています。なぜなら
「とてつもない、時間と、お金と、猿への献身が必要だからだ。」
と続きます。
この方はオマキザルとリスザルを飼っていて、よく
「私も猿を飼いたいと思っているんだ!」
と言われるそうです。ですが、この方が猿の世話が大変なことを説明すると、皆さん、猿を飼いたいとは思わなくなってしまうそうです。
猿のオーナーや専門家の8つのアドバイス
専門家や猿のオーナーたちは次のように注意をうながしています。
1. 猿は社交性のある動物
必要なもの:時間と忍耐
猿は人間とおなじように、社会的な生物です。犬や猫以上に関心をもってやり、注意を払ってあげなくてはいけません。一日中仕事で家を空けている人は猿を飼うべきではありません、とあります。
猿と人間はとても近い生物です。小さな子どもと同じようにかまってやる時間がないと、寂しい思いをさせてしまい、結果として病気になってしまうかもしれません。また、長く不在にすることがある場合、他に猿のお世話をしてくれる人はいるか、という項目もありました。
2. 広いスペースが必要
必要なもの:お金
動物園に行っても、猿のケージは天井が高く、スペースが多く設けられていますね。猿(原文ではやチンパンジーなど、霊長類すべて)を飼うには広いスペースが必要で、小さなケージに閉じ込めたままではだめなのです。となると、マンションや小さなおうちで飼うのは難しいですね。
3. 鋭い歯を持っている
必要なもの:忍耐
猿は野生動物で鋭い歯を持っています。彼らの行動は予想がつかない上に、すなおで従順だった小猿も、成長につれてとても攻撃的になります。思春期になると反抗期に入る人間と同じですね。ですが、猿には鋭い歯があります。かまれると大けがをしてしまいます。
4. 猿を診察、治療できる獣医師が近くにいるか
必要なもの:お金と忍耐
記事によると、該当する獣医師は少ないとのことです。猿を飼いたいなら、お近くに猿を診察、治療できる動物病院があるかよく調べてからにしましょう。
5. ペットとして許可をされた猿ですか?
必要なもの:忍耐と時間
参照元はアメリカの記事ですので、州によって飼うのが禁止されている猿がいるとのことです。アメリカに限らず、日本でも非合法で輸入された猿を販売されているペットショップがあるそうです。よく気をつけてから購入しましょう。
6. 猿は20年から40年生きる
必要なもの:忍耐と時間
たとえば、野性のニホンザルでも餌付けされたものなら30年以上の生存が確認されている個体もいるそうです。もし、あなたが亡くなったあと、責任をもって猿の世話をしてくれる人はいますか?
7. 猿はペットとして高価である。
必要なもの:お金
生命を売買することに賛否両論ありますが、さすがに猿を保健所からもらってきたり、拾ってきたりすることは難しいです。結果、ペットショップで購入することになります。参照元のサイトではリスザルが3,500ドル、チンパンジーが50,000ドルとあります。
大ざっぱに1ドルが100円と考えて、リスザルで35万円です。日本ではチンパンジーは販売されていませんが、リスザルですとアメリカと同じくらいの値段になります。
8. 猿はトイレトレーニングができない。
必要なもの:忍耐と時間
人間の赤ちゃんならおむつをしますが、お母さんとの訓練で自分でトイレに行けるようになります。しかし、ほとんどの猿はそうではありません。中にはきちんとトイレを覚える猿もいますが、それは少数です。
「あなたは猿のおむつを変えることと、猿がいる場所の排せつ物の掃除ができますか?」
と、結んでいます。猿を飼っている限り、ずっと下の世話をし続けなくてはならない、ということですね。これは大変な忍耐を要求されそうです。
日本で猿を飼う難しさで一番のネックになるのは、スペースと、猿を一人ぼっちにさせてしまう、ということでしょうか。猿は人間と同じように長生きをし、感受性が強いといくことを念頭に、ペットとして飼うかを検討してください。
猿はまさケロンの天敵!!トイレトレーニングもできないなんて笑っちゃうね。