サルにつきまとうイメージ
蔑称、悪口
筆者、字が下手です。最近は皆さんご存知のように「手書き」という行為は少なくなりましたよね。
いまやビジネスの世界で手書きはあり得ません。それでも、たとえばレンタルビデオの会員手続きなどでは住所や名前などを手書きする機会があって、そのたびに恥ずかしい思いをします。
本人でさえ読めない時がある筆者の字を、
「小学生みたいだな」
と揶揄した友人がいるのです。
でも筆者はこの言い方、小学生に失礼だと思いました。
理由は、「小学生のほうがよっぽどうまい字を書く」からです。
このように揶揄するときに使われる動物がいますよね。タコとかブタとか。筆者は社会人一年生の時に、上司から
「このタコ」
と、ほぼ毎日罵倒されました。
また子供のとき、ぽっちゃり体型だった筆者のことを
「ブタみたい」
と言ってのけた友だちがいます。
タコとかブタがこの話を聞いたら、憤慨するのではないかと心配です。
でも、もっとひどい言われように耐えている動物がいます。
それは、
「サル」
です。
入門書のタイトルで、
「サルでもわかる○○」
というのをときたま見かけたりします。
サルにでもわかるほど、簡単で分かりやすいという意味を込めたネーミングなのでしょう。多少のインパクトも期待してのタイトルなのだと思いますが、自分がサルであったなら、あまりいい気はしません。
他にも「サルまね」であるとか、あまりいいたとえとして登場しませんね。戦争中の日本人の悪口にも「モンキー」という単語が使われていました。
サルはスゴイ
人間とほぼ同じ
そんなにサルはおバカさんなのか?
サルでも理解できるんだから、それより優れた人間がこれぐらいのことわからなくてどうするの?という理屈は成り立つのか?
これを解決させるためには、サルにインタビューするのが最も近道だと思うのですが、さすがにサルはしゃべることができないし、しゃべることができたとしても、人間の言葉は理解できないでしょう。
と考えていたら、
「サルは言葉が理解できる」
とする研究結果があることが分かったのです。
それだけではありません、生物学的な観点で考えると、サルはほとんど人間と同じなのだそうです。
生物学的な観点とはDNAの構造であったり、脳のつくりと働きなどのことですが、数パーセントの違いしかないそうですよ。脳に関しては大きさが違うだけで、機能は、ほぼ同等だとする説もあり、見方を変えると、サルが進化したのが人間というよりも、人間もサルの一種だと考えたほうがしっくりくるんだとか。
言葉に関してもサルはしっかり理解できているということなので、だったら「サル語」しゃべってみろよ、という話になったりするわけですが、残念なことにサルは「言葉を発する機能」が劣っているため、会話を行うことは不可能なのでした。
逆に考えると、言葉の機能が発達していたならば、本当に「サル語」という言語が存在していたかもしれません。英語は得意ではない筆者も、サル語ならマスターできたのではないでしょうか。あっ、この発想もサルを見下していますね。ごめんなさい。
おサルさんのおかげで…
さらに、サルはアルツハイマー病にならない、という衝撃の事実をご存じでしたか?
アルツハイマー病は認知症の一種として知られています。原因は不明ですが、有力な説としてたんぱく質の一種が脳に付着することで、神経細胞が脱落するのが原因ではないかと言われています。
このたんぱく質がサルの脳に関しては付着しにくい、というよりもほとんど付着しないのだそうです。なぜそうなるのかは解明されていませんが、もし研究が進み、いつの日かアルツハイマーを完治させることができるようになったとしたら、その時はすこしだけ「おサルさん」に感謝したほうがいいかもしれませんね。
たまに思うんだけど、猿の方が人間よりも賢いという場合もあるんじゃないかなぁ。