会社に入ると否応なく型にはまることになります。というか、型にはまれない人間は使いにくい人間として見なされますし、会社にとって育てにくい人間なのです。
その結果、ある一定ラインまでは、会社でキャリアを積むことで成長できるでしょう。しかし、そうした型にはまった成長をしていては、同期のなかで抜きん出ることはできません。
それでは、抜きん出るためには何が必要なのでしょうか。それは、
”上手に”型を破る技術
です。上手に型を破る技術は、多少の粗相は許される学生時代に身につけるべき技術です。
それなのに、学生時代から名刺を持って「社会人ごっこ」をしている学生が目立つように感じます。私は”上手に”型を破る技術を身に付けるためにも、学生は名刺を持つべきではないと考えています。
名刺交換で上手に型を破る
名刺を持たないことの違和感
学生なのに名刺をもたなくては、と思っている学生は、OB訪問などの際に、名刺を一方だけもらうことに違和感を覚えているのだと思います。それはあながち間違いではありません。初対面で
「いやー私はまだ名刺をもっていないんです」
となぜか謝罪から入ってしまうという流れは、スムーズな会話の流れを生まないからです。
名刺の代わりに1分間自己紹介を
確かに、名刺を一方的にもらうだけでは、初っ端からぎこちないすべり出しになりますが、それでも名刺は持つべきではありません。
なぜならば、名刺は、見ず知らずの人に名乗るという行為のリスクと、自分を知ってもらうことの利益のバランスさせた結果うまれた道具に過ぎないからです。自分を知ってもらうためのベストな手段は、これからの世代がもっと模索すべきだと思うのです。
そこで私が学生時代に実践していたのが、
「名刺を持っていないので、1分自己紹介します」
ということです。まずこんなことをやる学生は少数派なので、確実に顔と名前を覚えてもらえました。そして、紙切れを渡すコミュニケーションよりも、表情と身振り手振りを交えたコミュニケーションの方が、たくさんの情報を伝えられます。結果として、後の会話に話題を提供し、OB訪問でもリラックスした空気を作り出すことができるのです。
名刺を持たないことが生む成長機会
人脈
名刺の代わりの1分間自己紹介が、学生が社会人と仲良くなるうえで有効なことは既に述べました。このことはとても重要なので、もう少し詳しく述べます。
学生時代に出会った社会人は、「青田買い」的な打算は多少あったとしても、忙しいなかでも見ず知らずの学生と話をしてあげようという親切心のある方です。
社会に出てみると、親切心のある人というのは意外に少ないことに驚きます。そして親切心のある人というのは誠心誠意をもってお願いすれば、力になってくれる可能性が高いのです。そうした有意義な人脈を得るためにも、ベストな自己紹介の手段をとるべきなのです。
場数
自己紹介はある種のプレゼンテーションです。そしてプレゼンテーションが場数によって向上したという成功体験は、挫折せずに行動を続けるうえで重要なエンジンになります。なぜなら、
「今はダメでも次は良くなる」
という希望のある物語を自分の中に描けるからです。
場数を通じた成功体験を得るためにも、自己紹介は何回もブラッシュアップしていきましょう。
型は自己開発しよう
型をつくれば先生になれる
人の知らないことを知っている人は「先生」と呼ばれ、みんなから尊敬されます。人の知らないことを知る一番の方法は、自らが新たな情報の発信地になることです。そして型をつくるということは、まさに新たな情報の発信地になることなのです。
型は哲学
型をつくれば、なぜ新たな情報の発信地になるのでしょうか。
その問の答えは、人が魅力的だと思う型であるほど、一言では十分に伝えられない哲学がつまっているからです。そのため、「まだ知りたい!」という聞き手の欲求を引き出し、自信が情報の泉となることができるのです。
「型破り」ということがクールな時代とダサい時代があります。今はどちらかというとダサい時代になっているでしょう。確かに「型破りのための型破り」は、空虚です。
でも何か目的があっての型破りなら、クールとかダサいとか、しょーもないカッコつけは捨てて目的に邁進するべきだと思います。
少数派は非難されるんだって、無意識にビビってると思うんだよね。実際大変だけど、時代を切り開いていくのは間違いなく少数派だと思うんだ。