洗濯表示、チェックしてますか
ケナゲな存在?
世の中にはいろいろなモノがあります。
とても目立って、誰もが知っているモノと、
「えっ!? 知らなかった、そんなものがあったんですか?」
などといわれてしまうような、知っている人のほうが少ないモノもあったりします。誰でも知っているような有名なモノは、けっこう重要だったりすることが多く、重要だから有名なんだ、と考えることもできるわけです。
それではあまり有名ではないモノについては、重要性が低いから目立たないんだ、と考えることもできますが、実際はそうでもなかったりします。
全く顧みられることがないにもかかわらず、実は重要だったりするモノがあるのです。
そのひとつが「洗濯表示」。
「洗濯表示」について簡単に解説しますと、
『衣類などを洗濯するときの注意事項が示されている表示』
のことで、
- 「漂白剤は使用しないでください」
- 「陰干ししてください」
- 「ぬるま湯使用で、温度は●度以下」
といった注意点がアイコンで示されています。おそらく、ほとんどの人が一度は目にしたことがあると思います。
でも、ほとんどの人が指示に従っていないのではないでしょうか?
少なくとも筆者は「洗濯表示」は無視しています、いえ、無視どころか見もしません。せいぜいが白いものを洗うときは、色移りしないよう、他の衣類と分けて洗うぐらいです。
でも、特に洗濯で失敗したようなことはありません。筆者の個人的な考えではありますが、洗剤とか洗濯機が進歩しているから「洗濯表示」に従わなくとも、よほどのことがない限り、失敗しないのだと思うのです。
しかしながら、
この衣類を洗うときには、これらの事項に注意してもらえれば長く愛用してもらえるかもしれません
という意味があって、「洗濯表示」がつけられているわけですから、基本的には従わなければいけないもの(ルール)なのです。
このように「洗濯表示」は結構重要なメッセージを伝える存在でありながら、スポットライトを浴びることがない「ケナゲな存在」だったりします。
洗濯表示、今が旬
これまで頑張ってきた「洗濯表示」さん、ついに努力が報われるときが来ました。まさに旬の時代を迎えようとしています。2016年12月より、「洗濯表示」が新しいものに変更されます。なんと50年ぶりのリニューアルだそうです。
資料によれば、
これまで22種類だった「記号」が今回のリニューアルで41種類に増え、より詳しい情報を伝えることができるようになる。
とされています。私たちにとっては、より正確に「お手入れ」ができるようになるのですから、喜ばしいことです。でも、なぜ50年も続いてきた従来の「表示」を、このタイミングで新しくする必要があったのでしょうか?
国際化が背景に
日本でしか通用しなかった従来の「表示」
従来の「洗濯表示」は日本独自のものでした。つまり海外では通用しない「表示」というわけです。新・旧を比べてみるとよくわかりますが、「旧表示」には日本語が使われています。
日本独自の表示、俗にいう「ガラケー」状態だったわけです。日本で販売されている衣料の約90パーセントが海外製といわれていますが、そのような状況下では「日本独自の表示」を固持していくのも都合が悪くなってきたのでしょう。ざっくりと言えば「国際化」と言えなくもありません。
小さな表示が日本と世界をつなぐ?
2016年12月にリニューアルされる「洗濯表示」。改めてみてみると、頑張っているんだなあ、などと妙に親近感を持ってしまいますね。これからは無視せずに、よく確認して洗濯することにしましょうか?
まさケロンは洗濯表示の意味が全然覚えられなくて困ってるよ〜。