- ルビーやガーネットは真っ赤な宝石です。
- エメラルドやヒスイは緑色。
- サファイアには多くの色がありますが、一般的には青い石です。
- 透明なトパーズは、黄色、褐色、飴色・・・などと表現されます。
では、オパールと聞くと、どんな色を思い浮かべますか?
- 不透明な乳白色
- 不透明なピンク色
- 燃え立つような濃いオレンジ色
- 黄色い半透明
- 表面に光が当たって虹色に光るもの
人によってオパールの印象は違うかもしれません。が、どれもオパールです。
数ある宝石の中で、なぜオパールだけがこんなに様々な発色をするのでしょうか?
鉱物のようで鉱物でない?不思議な宝石
宝石だけどクリスタルじゃないオパール
オパールは他の多くの宝石(鉱石)とは異なる特徴を持っている石です。
鉱物(クリスタル)は、普通は金属のように、分子がぎっしりと規則正しく並んでいる「結晶」構造をしています。これに対し、ガラスなどは分子の並びが不規則に並んで集まっています。
並びが不規則な物質(非結晶質)の性質を専門用語で
「アモルファス」構造
といいます。オパールはアモルファス物質で準鉱物にあたります。
オパールはどうやってできるのか
オパールは「二酸化ケイ素(SiO2)」と「水」でできています。
マグマで溶けた物質が冷えて固まって、鉱物は生まれます。二酸化ケイ素が規則正しく並んで固まった鉱物の代表は、石英という種類の石です。
オバールは、低温の場所で形成されるので、たくさんの水を含みながら固まります。二酸化ケイ素と水が不規則に混ざり合ってくっついている物質が、規則正しく並んだ構造をしています。
不規則に混ざり合っているので、物質の表面にあたった光の反射の仕方が、石によって違います。光は色によって波長が違い、どの光の波長が強調されて反射するかで見えてくる色が違ってきます。
オパールは、産地の違いで、形成のされ方がいろいろ違っています。同じ二酸化ケイ素と水でできていても、混ざり方が違えば、光の反射の具合、つまり色味が変わってくるのです。
なぜオパールだけが虹色に見えるのか?
お宝オパールと普通のオパール
オパールを見掛けの色味で大きく2種類に分けると、光の角度の変化で虹のように七色に変化する輝きが見られるものと、虹色が見えないものに大別できます。英語では、
- 虹色に輝くもの:プレシャスオパール
- 虹色が見えないもの:コモンオパール
といいます。直訳すれば、「お宝の石」と「普通の石」ということです。
光の当たり方で虹色の輝きが見える宝石というと、ほかにも
- 「レインボーガーネット」
- 「レインボー水晶」
があります。これらは丁度よく光が当たったところだけ虹色に輝くように見えます。
が、オパールは光の反射が虹色に見えるだけでなく、石の中に虹色に変化するカラフルな
「斑(ふ)」(ファイアー)
が見えます。このような虹色の見え方を
「遊色効果」(play of color)
といいます。遊色が見られる宝石は、世界でプレシャスオパールだけです。
遊色効果はなぜ起きる?
光学的な説明はちょっと小難しくなるので、簡単に説明します。
オパールの分子は、結晶のようにびっしりくっついて並んでおらず、一定の隙間があります。その隙間のせいで光が複雑に反射し、多様な反射光が相互に影響しあって(専門的には「光の干渉」といいます)同時にいろいろな色を見せています。
ただ、分子の並び方や大きさがある程度揃っていないものは、同じオパールでも遊色が見えません。そうやって石の地色しか見えないのがコモンオパールです。プレシャスオパールよりやや価値が下がります。
様々なプレシャスオパール
ブラックオパール
遊色効果を持つオパールの中で、石の地色が濃い茶色から黒っぽいものをこう呼びます。はっきりとした美しいファイアーが見られるものが多く、最高級品扱いされています。
ホワイトオパール
乳白色の地色で、虹色に光るオパールです。
ファイアーオパール
本来は、ファイアーが見られるプレシャスオパールのことでしたが、現在市場では、地色が濃いオレンジ色から赤色(緋色)のオパールをこう呼んでいます。
ファイアーが見られるものが多いですが、中には虹色に光らないものもあります。しかし、燃えるような緋色の輝きが美しいと人気が高く、虹色がないものも全部「ファイアーオパール」と呼ばれ、他のコモンオパールより値が張る場合が多いです。
ライトオパール
黒・乳白色・緋色以外の地色で、遊色効果が見られるオパールは、総じてこう呼ばれます。
特に無色透明に近いものは
- 「クリスタルオパール」
- 「ウォーターオパール」
などと呼ばれて人気があります。
オパールの石言葉
幸せを呼ぶ宝石
オパールの石言葉は、明るく幸せを呼び込みそうなものばかりです。
「幸運を呼ぶ」
「幸せな家庭」
「人生の喜びを享受する」
「自由を謳歌する」
「寵愛を受ける」
海外では、婚約指輪にオパールを選ぶ人も多いです。
高級なプレシャスオパールから安価なコモンオパールまで、種類も色合いも多いですが、石のパワーは変わりません。贈り物にする時は、石のランクは気にせず、相手の好きな色、似合うと思う色を、あなたのセンスで自由に選んでください。
オパールってちょっと地味だよな~とか思ってたけど、高級オパール見たことなかったからか!すごく綺麗!!