アニメ「ルパン三世」の昔の作品を見ていると、銭形警部が「警視庁」って書いてあるパトカーに乗っているシーンがよく出てきます。当時は「○○県警」と漢字でだけ表記してある白黒パトカーが一般的でした。
最近の警視庁(東京)のものは、「POLICE」という英文字と金色の旭日章(桜の代紋)をあしらったエンブレムが日本語より目立つように書かれています。
「アメリカのパクリじゃん!」
と、いう気もしなくもないですが、比較的地味だった日本のパトカーも、ようやく海外のようなスタイリッシュなデザインを意識するようになったのでしょうか。
世界のパトカーには、どんな車が使われている?
パトカーは、パトロールはもちろん、犯罪取り締まりの現場で活躍する警察車両ですから、逃走する車を追跡することも、国によっては銃撃戦に巻き込まれる場合もあります。そのため、頑丈で、加速がよい高性能な車種が使われることが多いです。スーパーカーといわれる車を実務に使っている国もあります。
日本を初めとした、世界に知られる自動車メーカーがある国では、だいたい国内メーカーの車種が使われています。メーカーから寄贈されることも多く、警察車両は装備や装甲を警察仕様にした特注品ですが、市場より安価で卸しているメーカーも少なくありません。
トヨタ・クラウン(日本)
冒頭の日本の警視庁のセダンタイプはトヨタの「クラウン」が多いですが、ワゴンタイプやミニバトなど全体を通して、マツダや日産車なども使われています。
ランボルギーニ・ウラカン(イタリア)
数々の高級車メーカーがあるイタリアでは、コンセプトカー(展示用)ではなく、現場にも高級車が走っています。「ウラカン」の0-100km/hまでの加速は3.2秒、最高速度は325km/hだとか。
本来は1台3000万円のシロモノですが、これは、ランボルギーニ社がイタリア警察に寄贈したもので、2012年から配備されています。その前の6年間は、やはりランボルギーニ社から寄贈された「ガヤルド」が活躍していたそうです。
フォード・クラウンビクトリア&エクスプローラー(アメリカ)
アメリカのパトカーは、州により車種もデザインも様々です。かつて、市街地タイプはロス市警パトカーに代表される「クラウンビクトリア」のシェアがダントツでした。
が、最近、SUV車への移行傾向が見られ、「エクスプローラー」のシェアも上がってきています。
ポルシェ911カレラS(ドイツ)
ドイツも名だたるメーカーが居並ぶ国です。警察車両も、ボルシェ、メルセデス、ワーゲン、オペル、アウディなどのメーカーの高性能スポーツカーが歴代パトカーとして多く登場してきました。また、高性能を買われれば、外国車も積極的に登用されており、シボレー、ランボルギーニ、トヨタなどのパトカーも活躍しています。
イベントで大活躍のスーパーカーパトカー
イベントで、パトカーが展示されたり、デモンストレーションに使われたりすることがよくあります。もっぱらイベント用に使われるパトカーとして、メーカーから寄付されたスーパーカーを保持している国も多いです。「世界の高級車パトカー」など紹介する特集でよく出て来る超高級車のパトカーは、多くがイベント用です。
キャパロIT(イギリス)
キャパロがマクラーレンF-1のデザイナーを招いて設計したコンセプトカーです。展示用とはいえ、0-100km/hの加速は2.5秒、最高速度は320km/hという、公道も走れる仕様のF-1カーといえるでしょう。デモ以外では走りませんけどね。
ブガッティ・ヴェイロン(ドバイ)
ブガッティは、世界最速・最高額といわれる市販車メーカーで、現在はフォルクス・ワーゲンの傘下です。ドバイ警察では、一台数千万~数億円の高級車パトカーがもう何台も導入されています。「ヴェイロン」の他にも、世界で77台しかないアストンマーチン「One-77」の中の1台とか、フェラーリ「FF」、マクラーレン「MP4-12C」などなど多くのスーパーカー画像がネットにも出回っています。
ヴェイロン導入時には、ドバイ警察自ら、こんなプロモーション映像まで作っていました。
Dubai Police New Super Patrol Car – The Bugatti Veyron
これらスーパーカーは、メーカーからの寄贈なのか、オイルマネーによる億万長者の納税者たちからの寄贈か、よくわかりません。ドバイなら公費で買えそうな気もしますが!?
当然ながら、ほぼイベントカーです。実際町で公務に当たっているパトカーは、もっと堅実で一般的な車です。
マスタング・マッハ1(日本)
日本にも、寄贈された高級スポーツカータイプのパトカーが何台かあります。
現在、鹿沼市免許センターに展示されているマスタングの「マッハ1」は、JA共済連栃木が、栃木県警に寄贈したものです。実は、1973~1984年までの11年間、本当に高速道路交通警察隊(高速隊)の実務で活躍していました。
寄贈されたものもありますが、ただのイベント展示用のために、こんな高級車を保持している国がたくさんあることに、驚きます。
「子どもたちの憧れのカッコイイ職業、というイメージ作りはやっぱり大事!」
かもしれません。
「維持費だけでも税金のムダ!」
と、思う人もいるでしょう。
あなたはどちら?
ランボルギーニに追っかけられたら怖くて逃げようだなんて思えないよね。マスタング・マッハ1はアメリカの車だと思うけど、白黒カラーだと日本の車にしかみえない。