食中毒

半端な知識でキノコ狩りは危険です。毒キノコ中毒に要注意!

茶色いキノコ
Written by すずき大和

食中毒、と聞くと、気温も湿度も高い真夏のイメージがありますが、意外と9月~10月のほうが、中毒件数も患者数も多いのだそうです。

食材が痛みやすい夏より、涼しくて湿気も少なくなってくる時季のほうが、安心して食材の常温放置などしやすい、という面もあります。

一方で、秋の味覚の食材の自然毒にあたる食中毒の件数がぐっと上昇することが、全体の数を大きく増やしています。

秋の自然毒中毒といえば、代表的なものはやっぱり

キノコ

ですね。

過去5年の統計では、日本国内での10月のキノコによる食中毒患者数は、40~200人くらいです。

これは、他の月と比べ、突出して多くなっています。



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食べられるキノコと間違えられやすい毒キノコ

キノコ中毒のほとんどは、山野に入って採ってきたキノコによる食中毒です。

食べられるキノコに混じって、あるいは食べられるものと勘違いして、毒キノコを食べてしまうことで起きています。

たまに、販売されている自生の食用キノコの中にも混じっています。それくらい、毒キノコの見分けはわかり辛いものがあります。

間違えやすいキノコNo.1はツキヨタケ

中毒原因となるキノコで最も多いのが、ツキヨタケです。

命に関わるほどの猛毒ではありませんが、嘔吐や下痢など、消化器系の不調を起こします。

全体の1/3ほどが、このキノコを食べた事故となっています。

キノコ狩り初心者はもちろん、慣れた採取のベテランも、シイタケやヒラタケと間違えて採ったり、売ったり、あげたりする例が後を絶ちません。

知識のない人が勝手に「食べられそう」と判断して食べたのではなく、別のキノコと信じて食べたことによる間違い事故が9割以上です。

採ったキノコはシイタケともヒラタケともムキタケとも似ています。木の幹から生えている様子は、扇形や楕円形のものはヒラタケに、円っぽいもの、色の濃いものはシイタケに見えます。

切った時、断面の軸の近くの内側が黒くなっていればツキヨタケです。が、白いツキヨタケもあるので、これだけでは全部の区別がつきません。

暗闇でよく目をこらすと、ツキヨタケは傘がうっすら緑色に光ります。が、昼間採取する場合はわかりません。採ってきたキノコを一回まっ暗な場所で確認するのがいいかもしれません。

軸の細いシメジに見えるクサウラベニタケ

キノコ中毒の原因2位は、シメジと間違われることの多いクサウラベニタケです。

このキノコも嘔吐・下痢・腹痛などの消化器系症状が表れますが、同時に

  • 唾液の過剰な分泌
  • 瞳孔の収縮
  • 異常な発汗


など、神経系の症状が発症する場合が多いです。

里山に多く自生しているウラベニホテイシメジやホンシメジと傘や軸の色や形がとてもよく似ています。

ただ、シメジは軸がポッテリと太目になることが多いですが、クサウラベニタケは下までずっと細長くきゃしゃな感じの軸をしています。

また、縦に軸を割いてみると、中がスポンジ状になっています。

ツキヨタケとマイタケの見分けよりは、こちらはずっと区別が付きやすいので、軸の感じを慎重に見ればわかります。

見慣れないために間違えやすいニガクリタケ

中毒の件数はそれほど多くありませんが、クリタケという、お店ではあまり売っていないけれどキノコ狩り好きの人には人気のキノコと間違えて、毒性のニガクリタケを食べてしまう人も多いです。

ニガクリタケは上記二つのキノコよりも毒性が強いです。激しい下痢や嘔吐のほか、悪寒、けいれんなどの症状が出ることも多く、中にはショック症状で死亡する場合もあるので、要注意の毒キノコです。

一般的によく見るキノコでないため、半端な知識で判断して間違えやすい傾向があります。

区別のポイントは「色」です。

簡単にいうと、

赤っぽいのがクリタケで、

黄色っぽいのがニガクリタケです。

スマホなどでクリタケの画像を確認して比べる場合、画像だと自然の色味とちょっと違って見える場合があるため、知らない人は間違えやすいのです。

完全に黄色やレモン色に見えるものは、ニガクリタケとすぐわかります。が、茶色のものは、並べて比べてみないと赤っぽいか黄色っぽいか判断が微妙な場合もあります。

周りを見て、黄色味の強い茶色のものが多くあるようなら、それはニガクリタケと判断したほうが良いでしょう。食べられるクリタケは、遠目には暗い赤い塊に見えます。

また、ひっくり返して傘の裏側をみると、ひだの間がうすい緑がかった黄色(オリーブ色)をしています。クリタケは、新しくて傘がしまった状態ではあまりひだの間が見えません。

傘が開いてひだの間がよく見えるものは、茶褐色をしています。ちなみに、クリタケは傷みやすく味も落ちやすいので、傘が開いたものは採らないほうがいいです。

前は食べられると判断、後から毒性が発見されたもの

スギヒラタケは食べちゃダメ!

松や杉などの針葉樹の切株や倒木に生えることが多い白いキノコ、スギヒラタケは、日本では長い間食用にされてきました。

しかし、平成16年以降、腎臓の悪い人が急性症状に陥った時の原因がスギヒラタケの中毒である、とわかった事故が多く報告されました。

更に腎臓に問題がなかった人にも症状が出る例も発見されました。

具体的な症状は、意識障害やけいれんなど、急性脳症です。後遺症が残る、または死亡に至るケースもあります。原因となる成分は未だにはっきりとは解明されていません。

原因の究明が進むまでスギヒラタケを食べないように、農水省や厚労省が盛んに注意を呼び掛けています。

しかし、子どものころに採って食べた経験のある人や、平成16年以前の資料に「食べられるキノコ」として載っている情報を見た人が、食べてしまう例が毎年少なくありません。

キノコの研究はまだ未解明部分が多い

現在毒キノコと認められるキノコは200種類以上あり、新たな種もまだまだ発見され続けています。

すべてのキノコの成分や効能について、まだまだ判明していない部分がたくさんあります。

そのため、以前は安全とされていたキノコの判別基準が、新たな発見によって覆ることも起きています。

例えば、昔は

「傘の裏がスポンジ状のキノコは食べられる」


とよく言われていました。

が、最近では、スポンジ状でも毒をもつキノコが複数発見されています。

  • 色の派手なキノコは毒キノコ。地味な色のキノコは食べられる
  • 虫がついているキノコは食べられる


などの知識も、今では通用しません。しかし、今は迷信となっているいろいろな口コミ知識を信じて、判断して、毒キノコを食べてしまう人が、毎年少なからずいます。

  • 軸が縦に割けるキノコは食べられるキノコ
  • ナスと一緒に料理すれば毒キノコも食べられる


など、信憑性のない情報が広まっている迷信もたくさんあります。大雑把な見分け基準の口コミは、取りあえずあまり信じてはいけません。

素人は野生のキノコ狩りなんてしないほうがいい?

キノコの区別は難しく、何が毒なのかの究明も道半ばです。

マツタケ狩りのように、明らかに安全と判断できるキノコ狩り用の山で採る以外、その辺の山野を素人が歩き回って自己判断で自生のキノコを食べるのは、危険性が高過ぎるかもしれません。

タダで美味しいものを手に入れようという考えが浅ましい・・・・か、どうかは何とも言えませんが、どうしても自生のキノコが食べたい人は、専門家がちゃんと識別して売ってくれているものを買うほうがリスクはずっと小さく済むということでしょうか。

山歩きなどお好きな皆さん、くれぐれも生半可な判断で毒キノコを採って食べないようお気を付けください。

まさケロンのひとこと

毒キノコのなかには命まで奪うものもあるからね。。「そんなやばいやつ、きのこ狩りちょっとしたくらいじゃ見つからないでしょ」って思うかもしれないけど、日本でもそこら中に生えてるんだ。加熱しても毒が消えないものが多いみたいだから、ちゃんと大丈夫なものだけ食べなね!

masakeron-oko


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筆者情報

すずき大和

調べもの大好き、文章書くことも人に説明することも好きなので、どんな仕事についても、気付くと情報のコーディネイトをする立場の仕事が回ってきました。好奇心とおせっかい心と、元来の細かい所が気になると追求してしまう性格をフルに発揮して、いろいろなジャンルのコラムを書いています。